第23回：amiinA、EMOE、Tokyo Rockets、kolme、AKB48〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜

【EMOE「レラリンルンリンラン」】

小出：
これは曲がいい。（途中のラップパートを聴いて）こういう展開するんだね。

南波：
ボーカル担当とラップ担当の2人組なんですよ。ここにラップを入れてくるのが独自だと思うし、なんというか、東京のアイドルの在りかたの面白さを感じるというか。

小出：
歌パートが赤い公園みたい。メロに（津野）米咲ちゃん味がある。いや、これはマジでいい曲だ。

南波：
秋にデビューしたばかりのグループで“「エモ」と「萌え」の化学反応を起こすため「EMOE」と命名”とのことなんですけど、一聴して衝撃を受けました。CD-Rはそれこそ白盤にチェキ付けて売っているんですけどね。

小出：
地下の現場でこれが流れてきたらびっくりするだろうね。

南波：
音もこれぞCD-R！って感じなんですけど。

小出：
うん。ミックスバランス荒い（笑）。ドラムの処理とかもすごいね。

南波：
そのなかに光り輝くものがあるのがたまらないという。この荒々しい音質のままサブスクで聴けるので、ぜひ聴いてみてほしいなと。

小出：
ホントだ、Apple Musicにある。いやこれはすごいよ。

南波：
今回紹介できていないけど、面白い曲はまだまだたくさんあって。2018年は暗いニュースも多かったけど、新たな名曲もたくさん生まれた年だったなと。

小出：
年末の振り返りをするなかで、メジャーどころも改めてちゃんと聴くじゃないですか。そのなかで、AKB48の「ジャーバージャ」があまりに「WON'T BE LONG」でびっくりしちゃった。あれが出たときって話題になったんですか？

南波：
バブルガム・ブラザーズじゃん！っていう反応はもちろんあったけど、岡田奈々がセンターに抜擢というほうが話題としては強かった印象です。

小出：
そうなの？　ブラスのフレーズとか、サンプリング？っていうくらいだよ（笑）。でも、サビの展開とかすごくいい。48とか46の全部のリリースのなかで、一番リズムが出てたのも「ジャーバージャ」だった。僕は「WON'T BE LONG」だいすきクラブの会員なので超好印象なんですけど、あまりにも「WON'T BE LONG」で、そこだけ大丈夫かなっていうのはあった（笑）。

南波：
AKB48はブラックフィーリングの曲がけっこうあるんですよね。

小出：
実はそこをちゃんと押さえてくるのはAKBなんだよね。ほかのところではあんまり多くない。こういうのが時々紛れてくるから、カップリングのチェックも怠れない。急に思い出したようにやるよね。

小出：
2018年のランキングに入るかわからないけど、僕のちょっと引っかかった曲をいくつか紹介しておきますね。Tokyo Rocketsの『ANGEL NOIZ』っていうアルバムが、全体的にハードロックなんですけど、最後に「アフリカ象が好き！」っていう曲が急に出てきて。それがめっちゃ面白かった。