欅坂、エビ中、ニジマス…Pop’n’Roll編集長と語る「ギターがカッコいいアイドルソング2020」30選［前編］｜「偶像音楽 斯斯然然」第47回「偶像音楽 斯斯然然」第47回前編

buGG「HOT DOG PARTY」（鈴木編集長セレクト）

鈴木：
思わずギターで弾きたくなる、メロコア直球の1曲ですね。

冬将軍：
これ、選ぶか迷ったんですよ。すごくいい曲。ノリもいいし。

鈴木：
意外と、こういう軽快さのあるドラムもあんまりないですよね。疾走感もいい。

冬将軍：
昨年、私がbuGGを選んだんですけど。その際に事務所の先輩グループのQUEENSと同じギタリストが弾いていると思って語っていたんですけど、どうやら違ったようで……（恥）。大変失礼いたしました。あらためて、buGGは慎之甫さんという方がプロデューサー兼ギタリストです。すごくいいギター弾くんだよなぁ。この曲もメロコアっぽい曲調なんだけど、ギタープレイは全然メロコアっぽくない。

鈴木：
そう！　そうなんですよ。だたパワーコードを弾いてるわけじゃない。

冬将軍：
間奏の開放弦の絡め方（YouTubeタイム 1:59〜）とか絶妙ですよね。昨年選んだ「シャリラ」もそうですけど、複弦の使い方がイカしてるなって思います。

BenjaminJasmine「ファンファーレ」（鈴木編集長セレクト）

鈴木：
ベンジャスは、11月にPop’n’Rollのイベント（＜超おうちでぽぷろないと1 -絶対爆レス！まぶたをソーシャルディスタンス-＞）に出てもらったんですけど、歌ウマいなぁと思って。特に高梨螢さん。ちょうどこのコラムの「スゴいボーカリスト10人」企画の直後だったんで、選んでおけばよかったなぁ。

冬将軍：
あー、私は浅倉うみさんのクールなスタイル、どこか影をも感じさせる佇まいが好きだなぁ。でも、ここは基本的にみんなウマいですよね。なんというか、まねきケチャのシリアスな部分を集約させた印象が強い。楽曲含めて。

鈴木：
この曲はメロコア繋がりなんですけど、こういうアタックの強いドラムが個人的に好きなんですよ。ギターもちゃんと和音が聴こえてくるサウンドで、ぐしゃっとしていない。

冬将軍：
「細胞」あたりもそうですけど、ギターを中心としたバンドサウンド、グランジ〜オルタナティブロック色がかなり全面に出ているから、もっとロックファンにも聴いてほしいグループですね。

BenjaminJasmine「細胞」

鈴木：
2019年11月に、イベントでベンジャスのステージを撮ったんですけど、カッコいい風に撮ったらファンの方に“このカメラマンはベンジャスの可愛さがわかってない！”とTwitterに書かれて。いや、全然笑ってないし、ストイックなライブだから、あえてそういう風に撮ったんですけどね。見誤ったかなって（笑）。

冬将軍：
あはは（笑）。鈴木編集長は、実はPop'n'Rollのライブレポートの撮影かなりしていますよね。

大阪☆春夏秋冬「Brave Soul」（鈴木編集長セレクト）

鈴木：
2020年は、パンク系を推しまくってますが、大阪☆春夏秋冬のこの曲も。masasucksさん（FULLSCRATCH, the HIATUS, RADIOTS, J Band）が、サウンドプロデュースしていることが大きなポイントですが、BABYMETALに楽曲提供しているゆよゆっぺさんがプログラミングとして参加しているんですよね。

冬将軍：
ミセチン（Mrs.WiENER）のすあま作曲ですし。もともと実力あるグループでしたけど、masasucksさんが関わってからすごく面白くなりました。KEMURIやらSMORGAS、GELUGUGU……錚々たるメンバーが参加してるアルバム『BARVE SOUL』もめっちゃ良かったし。

鈴木：
この曲は、リズムの緩急がツボ。ライブだったら、フロアが大盛り上がりになることが想像できますね。あと、コーラスも気持ちをアゲてくれますね。

冬将軍：
MAINAさんの歌に注目されがちだけど、グループとしての表現力が素晴らしいと思います。なんというか“団体戦っ！！”っていうすごみがある。

鈴木：
しゅかしゅんは、2020年は8月6日に開催された＜GIG TAKAHASHI tour 2020 ツアーファイナル＞と＜TIFオンライン2020＞のSMILE GARDENで観ましたが、MAINAさんの圧倒的な歌唱力は言わずもがな、6人全体のダンスの表現力はさすがだなと思いましたね。

あゆみくりかまき「ビリーでGO!」（鈴木編集長セレクト）

鈴木：
これはなんといってもバックドロップシンデレラですからね。初期衝動的にギターを弾きたくなる曲。

冬将軍：
バックドロップシンデレラ曲のリメイクカバーですけど、オリジナル（「国語のテスト」4thアルバム『ジャクソン』（2012年）収録）よりもコミカルになってますね。なんかニューロティカっぽいし。

鈴木：
そうそう、ニューロティカ！

冬将軍：
あゆくまって、こういうコミカルな曲をしっかりこなせるんだなって。硬派でアツい曲が多いじゃないですか。まきさんのMC含めた、あの屈託のないキャラもそうですけど、こういう砕けた感じの曲ももっと聴きたいなぁ。

鈴木：
あゆくまは、とにかくライブがいいですね。歌やダンスのスキルはもちろんですが、自分たちの想いの届かせ方を知っているという印象です。