華村あすか『旬撮GIRL Vol.8』より
華村あすか、妄想グラビアで積極的に誘うバイト仲間を熱演! 「ストーリーと照らし合わせて楽しんでいただきたい」『旬撮GIRL Vol.8』誌面カット公開
華村あすかが、12月16日(水)発売の『旬撮GIRL Vol.8』より誌面カットを公開した。
同書は、『週刊SPA!』で撮り下ろした水着グラビアをまとめた写真集シリーズの第8弾。今回は厳選された美女6人のグラビアが掲載される。
華村あすかは、大人なデートのその後を人気作家と描く、同誌の人気企画「このあと、どうする?」に登場。
『愛がなんだ』、『mellow』、『his』などのメガホンを取る映画監督・今泉力哉が、「~深夜バイトの帰り道、彼女の家まで送った僕は…~」をテーマにシナリオを執筆している。
華村あすか コメント
今泉力哉監督が描かれた世界観をグラビアという色で表現することに不安と楽しみな期待を膨らませて現場に入りました。
いざ始まると、カメラマンさんとの波長がすごく合って自然と想像が膨らんできて、次はどんな場所でどの衣装なのかとワクワクしたのを覚えています。
そんな雰囲気が少しでもみなさまに伝わればなと。ストーリーと照らし合わせて楽しんでみていただきたいです。
小宮有紗 パート
撮影:松田忠雄
スタイリング:moco
ヘアメイク:mahiro
【提供:週刊SPA!編集部】
華村あすか:~深夜バイトの帰り道、彼女の家まで送った僕は…~ 【作家】今泉力哉
シナリオ本文
同僚、といってもこの潰れかけの小さなレンタルビデオ店には、店長と俺と彼女しか働いていない。なぜこんなに美しい人がこんな店でアルバイトを始めたのか、店長に聞いても「映画が好きなんだとさ」としか教えてくれなかった。
そんな店長も行方不明になってはや3週間が経とうとしていた。
「何か事件に巻き込まれたんじゃないですかね? 今日、ひとりで帰るのちょっと無理かもです」
彼女は基本早番で、どんなに遅くても20時には上がっていた。しかし、今日は店長不在の棚卸し。時計は23時を回っていた。
「家まで送りましょうか?」
彼女の家は意外と遠く、少し後悔していた。靴底が減るな、などと考えながら、彼女に前から知りたかったことを聞いた。どうしてウチなんかで働き始めたのか、と。
「えー、それは本人には言えないですぅ」
一切モテたことのない俺は一瞬、意味がわからなかったが、どうやら俺が目的で働きだしたらしい。
マジかよ。ごめん。さっきの全部嘘。少し背の高い俺の視界から見える胸元。香水、というか、いやもうなんですか、この綺麗な女性特有の匂いは。体臭、え、これが体臭? そういったものでおかしくならないために、汚い靴底のことを考えていただけです。
彼女の家は、ビデオ店バイトとはあまりにも不釣り合いな立派なオートロックのマンションだった。
「なーんだ。ここなら安全じゃん」
あ、じゃん、とか言ってしまった、年甲斐もなく。すると彼女は私の耳元で「かわいい」と呟いた。
「帰るなんて言わないですよね? 実はオートロックも玄関の鍵も全部ぶっ壊れてるんです。誰でも入れちゃうの。ぶっ壊れてるから。今日は朝まで一緒に飲みましょ。日本酒があるの。越乃寒梅。お中元でもらったやつ。私、店長みたいに消えたくない。お願い!」
もしかしてこの女、店長の失踪に関わっているのか……? その瞬間、不思議なことに俺の中には、恐怖心ではなく嫉妬心が芽生えていた。なんなら俺も消してもらいたい。減った靴底みたいに。俺は靴を脱いだ。ん、と吐息交じりに彼女が屈み、その靴を揃えた。
(今泉力哉)
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