ZOC 戦慄かなの「本当に息ができないような状態になるほど衝撃的でした」|映画『ジュリアン』特別試写会レポート

ZOC 戦慄かなの「本当に息ができないような状態になるほど衝撃的でした」|映画『ジュリアン』特別試写会レポート

ZOC 戦慄かなの「本当に息ができないような状態になるほど衝撃的でした」|映画『ジュリアン』特別試写会レポート

ZOCの戦慄かなのが、1月17日(木)に中野ZERO小ホールにて開催された映画『ジュリアン』特別試写会に、映画ライターの新谷里映とともにトークゲストとして登壇した。

繊細な人間ドラマでありながら、張り詰めた緊張感が観る者を襲う傑作サスペンスとして注目されている本作は、夫によるDVが原因で離婚したミリアムと息子ジュリアンを執拗に追いかける元夫アントワーヌのさまに“ホラー映画よりも怖い!”といった感想が多く聞かれている注目作。

上映後のトークということで、観客は映画の衝撃で呆然としながらもゲストの登場を大きな拍手で迎え、本作を深く理解した戦慄かなのと新谷里映のトークに熱心に聞き入っている様子だった。

新谷は“映画は段々時間が経つにつれて記憶が薄れていくものだけど、この映画はずっと残っている。それだけ強いメッセージ性を感じた”と本作について話し、子ども時代に親からの児童虐待を経験したという戦慄は“子どもにとって虐待は抗えない天災のようなもの。当時を思い出し本当に息ができないような状態になるほど衝撃的でした”とコメント。

また、戦慄は映画の冒頭にある20分間の離婚調停シーンについて触れ、“調べたらフランスの実際の調停と同じ時間なんだそうです”と述べ、“あの場面では誰の本性も理解できずザワザワした。20分で本当のことなんて分からないということを監督は伝えたいのだと思った”と自身の解釈を話すと、観客は“なるほど”と感心しているように頷いていた。

また、主人公ジュリアンのセリフが少ないことについて新谷が“当事者は声を上げたくても上げられない現実を伝えたいのだと思う”と話すと、戦慄も“子どもはなかなかSOSを発信できない。周りが気づいてあげないと!”と話した。

自分と同じように児童虐待を受けた子供たちを助けるためNPO団体『bae(ベイ)』を立ち上げている戦慄は“隣人が出てきたことで、ずっと一貫してこの映画を目撃者目線で観ていたことに気づきました”とラストシーンについても自身の感想を話し、“DVは貧困とか関係ない。自分が加害者と気づいていないケースも多いし、連鎖するからなくならない。この映画がDV問題を見直すきっかけになったらすばらしいと思う”としっかり映画のPRをして、イベントは終了した。

戦慄も大絶賛する本作は、<第74回ヴェネチア国際映画祭>にて最優秀監督賞にあたる銀獅子賞を受賞し、本国フランスで40万人動員のロングランヒットを記録。アメリカの映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では94点の高評価を得ている注目作だ。

戦慄かなの、映画『ジュリアン』特別試写会|中野ZERO小ホール(2019年1月17日)
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戦慄かなの、映画『ジュリアン』特別試写会|中野ZERO小ホール(2019年1月17日)
戦慄かなの、映画『ジュリアン』特別試写会|中野ZERO小ホール(2019年1月17日)
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戦慄かなの、映画『ジュリアン』特別試写会|中野ZERO小ホール(2019年1月17日)
戦慄かなの、映画『ジュリアン』特別試写会|中野ZERO小ホール(2019年1月17日)
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戦慄かなの、映画『ジュリアン』特別試写会|中野ZERO小ホール(2019年1月17日)

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