<ときのそら2nd LIVE「パラレルタイム」>(2020年11月29日)
ときのそら[ライブレポート]過去のときのそらも登場した、3年間が集約されたオンラインライブ「これからも私について来てくれると嬉しいです!」
ときのそらが、11月29日に、<ときのそら2nd LIVE「パラレルタイム」>をオンラインライブで開催した。新型コロナウィルスの影響で安全面を考慮してオンライン限定での開催となったが、多くの“そらとも”(ときのそらのファン)が視聴しバーチャル空間でくり広げられるステージを楽しんだ。2019年10月に開催した1stワンマンライブ<Dream!>から実に1年振りとなる今回の2ndライブは、先月10月に発売されたばかりの2ndアルバム『ON STAGE!』を引っさげての開催。本記事では、新曲を含めた全19曲を披露したライブのオフィシャルレポートをお届けする。
<ときのそら2nd LIVE「パラレルタイム」>(2020年11月29日)
取材・文:南本広樹
ときのそらは横浜アリーナでの単独ライブを将来の夢に掲げ、YouTubeチャンネルでのライブ配信や動画投稿を中心に活動するバーチャルアイドル。VTuberシーンの高まりとともに数々のメディアで活動し注目を集め、いまやバーチャルYouTuberアイドルとして確固たる人気を誇っている。
さらには自身を題材にしたライトノベルや、写真集の発売、テレビ東京ドラマ『四月一日さん家の』で女優デビューを果たすなど、活動の場を広げている。
多くのファンが開演を待ちわびるなか開演1分前からカウントダウンがスタート。期待が最高潮に達した時、1曲目「ぐるぐる・ラブストーリー」が流れ、巨大なステンドグラスの壁が目を引く光輝くステージの上で本日の主役・ときのそらが華麗なパフォーマンスを披露した。曲に合わせてコメント欄には合いの手を入れる書き込みがあふれ、ライブは最初から全力疾走で始まった。
1曲目を歌い終ったMCではまず最初に、ライブに集まった国内外のファンに向け日本語と英語で感謝の言葉を伝えた。続けて、ステージにファンから届いたたくさんのデジタルフラワースタンドが現れテンションはさらにアップ。コメント欄に表示されるファンからの言葉にリアクションを取るなど、オンラインライブでありながらもファンとの交流を大切にする姿が見られた。
そして話題はステージへ移り、このライブのために作られたステンドグラスの壁で彩られた特別なステージを駆け回ったり、ステージ床にはマスコットキャラクターの「あん肝」やリボンがあしらわれていることなどを紹介し、この場所で歌えることの喜びを伝えた。
続いて、カバー曲の「ベノム」を披露。この曲は初めてのセリフ付きの楽曲で、“可愛いけどカッコいいこの曲を歌うのは難しいと思っていたけど、みんなにいい曲だって思ってもらえたことが自信につながった”という思い入れがあることを告白する。
また、“活動を始めて3年、毎回どんなライブにしたら楽しんでもらえるか考えているけど、今日は楽しんでもらえてるかな?”と心境を語る。そして、“今日は先月発売になったアルバム『ON STAGE!』の曲もいっぱい歌っていきたい”と話し、「リア/リモシンパサイザー」と「ブルーベリームーン」を2曲続けて披露した。
“どちらもテンションアゲアゲな曲なので最初の方に歌いたかった”として、「リア/リモシンパサイザー」はハスキーな歌声で歌い上げた。また、“リアルとリモートをテーマにした楽曲なので、みんなで盛り上がるという今回のライブにとてもマッチした曲だと思う”と語った。
続けて、「ブルーベリームーン」をカッコよさを意識してパワフルな歌声で歌い上げる。ここまでのライブはYouTubeで無料視聴することが可能だった。それ以降は思い出を振り返った構成になるとして、ファンにとっても懐かしいと感じてもらえる曲を歌っていきたいと思いを語った。
5曲目は「海より深い空の下」。なんとこの曲の途中から、これまでステンドグラスのステージだったものが、1stLIVE開催の地・Veats SHIBUYAのバーチャルステージに切り替わり、ファンからは驚きの声が上がる。思い出のステージで歌唱した後のMCでは、1年前にVeats SHIBUYAで初めてワンマンライブをしたことを今でも鮮明に覚えていることと、“いつかあの時のようにまたみんなのそばに行けると信じている”という思いを述べた。
6曲目の「コトバカゼ」。ステージは引き続きVeats SHIBUYAだが、途中から“もう1人のときのそら”がステージに登場。よく見るとその姿は1年前のライブの時のときのそらだ。彼女は現在のときのそらに徐々に歩み寄っていき、2人のパフォーマンスがシンクロする。ほほえみ合う姿を目にしたファンからは、驚きと歓喜の声があふれた。
「未練レコード」では、ステージの袖の椅子に座った“もう1人のときのそら”が登場。こちらは活動初期の姿で、Veats SHIBUYAのステージ上のスクリーンには「未練レコード」のMVが流れた。さらに曲の途中で椅子から立ち上がり、一緒に踊るパフォーマンスを見せる。
さらに続けて披露された「夢色アスタリスク」もスクリーンにMVが流れ、3曲とも過去の記憶を呼び覚ます最高の演出となり、新旧を問わずファンを感動の渦に巻き込んだ。
3曲続けての披露が終わるとステージが暗転。“この1年そらともに対して自分は何ができていたか”や、“これからの新しい自分を見てほしい”という胸の内をモノローグで語り、9曲目の「青空のシンフォニー」と10曲目「Chu-Chu-Lu」を2曲続けて歌唱。ステージはVeats SHIBUYAから最初のステージに戻ったが、ステンドグラスの壁がなくなった代わりに空間いっぱいに星がキラキラと舞っていた。
「青空のシンフォニー」では背景に流れ星が流れる演出があったり、途中ファンからのコールに感極まり、ときのそらが“なんか泣きそう”と涙ぐむ場面も。「Chu-Chu-Lu」では“ここからは可愛い曲をいっぱい歌おうと思っているよ”と宣言。たくさんのハートが舞うステージでぴょんぴょんと跳ねるダンスを披露すると、コメント欄は“ちゅっちゅるちゅー”や“可愛い!”の声であふれかえった。
MCではそれぞれの楽曲に対する思いを語る。「青空のシンフォニー」は初めて自身が作詞作曲をした曲で、不安もあったけどみんなと一緒に盛り上がる曲がほしいと思って作った曲であることと、コールもリアルライブの時と同様にコメント欄で送ってくれて嬉しかったことを明かす。「Chu-Chu-Lu」については“THEアイドルソングという感じで可愛くて大好きな曲なので、みんながキュンキュンしてくれてたら嬉しいな!”と述べた。
続けて昨年のワンマンライブの後半にも歌った、みんなへの“好き”という気持ちを全力で表現した曲として「好き、泣いちゃいそうだ」を披露。歌唱後のMCではこの曲について“ある意味リベンジ”であると話す。というのも、毎回最後の方に歌うため、感極まって涙声になりしっかりと歌えないのが悔しくて、今回は最後まで気持ちを込めて全力で歌い上げようと決めていたという。この日はいつも観客が泣いていると自分ももらい泣きしてしまうことに触れ、“嬉し泣きは良いことだけど、今回はみんなの涙よりも私の笑顔が勝ったよ!”と喜ぶ一面を見せた。
次に歌う曲はミニアルバム『My Loving』からであることを告げると、アルバム制作当時を振り返る。この頃から“これからどういうふうに進んでいこうか”と考え始めたこと。デビューアルバム『Dreaming!』とは歌い方も変わっていて、“みんなにどんな気持ちを届けようか”ということをより考えながら歌うようになったことを語った。
そして“次に歌うような曲が増えてきて、自身の夢である「そらとものみんなと横浜アリーナでのライブ開催」への思いが一層高まり、実現へ向けて頑張っていきたい”と決意を表明して、12曲目「Wonderland」をパフォーマンス。
曲中の“イメージしてごらん”という歌詞をきっかけに目を閉じると、ステージがアリーナ仕様に転換。そこはペンライトを振るファンが会場を埋め尽くす、四方を囲まれたステージだ。
全力のパフォーマンスで「Wonderland」を歌い上げファンを魅了すると、間髪入れずに13曲目「Shiny Smily Story」へ。MCではアリーナ仕様のステージを駆け回り、いつか横浜アリーナのような会場でみんなに囲まれながら歌いたいという夢が、今回はオンラインだけどほぼ実現したことに喜びをあらわにする。コメント欄にファンから投げかけられた“実現させるぞ!”という声援には、“絶対行くよ! ありがとー!”と応えた。
ライブも佳境を迎えラストスパート。「Dream☆Story」、「フレーフレーLOVE」、「冴えない自分にラブソングを」の3曲を畳み掛ける。「Dream☆Story」の途中からときのそらの隣にはあん肝が登場し、可愛いダンスを見せる。するとコメント欄には“あん肝かわいい!”という声が上がり、ファンがその姿にメロメロになっている様子がうかがえた。
3曲の歌唱が終わると、“久しぶりにあん肝に会った気がする”としながらも特別ゲストとして紹介。あん肝と3曲をともにしたことで、活動を始めた頃を思い出し懐かしさを感じながらも、未来の夢であるアリーナ仕様のステージで歌えたことや、過去と未来が交錯するこのステージがまさにライブタイトルにもある“パラレルタイム”だということを話す。
“昔の私、今の私。昔のステージ、今のステージ!というように3年間の私が集約されたステージになったんじゃないかなと思います。ですがここで止まる気はありません! これからもどんどんどんどん前に! 前に! 進んでいけるように頑張っていきたいと思います。なのでこれからも私について来てくれると嬉しいです!”と改めて強い思いを述べた。
この日最後の曲は「空祭り」。残念がるそらともたちに“一応最後の曲だから”と口を滑らせながらも、この曲もアリーナステージであん肝と一緒にパフォーマンス。これまでの勢いをさらに加速させるようにハイテンションで歌い上げ、ライブは終了した。
ステージが暗転するとコメント欄には“アンコール”よりも“いかないで”のコメントが多く流れる。しばらくするとときのそらが再登場し、“私のアンコールは「いかないで」になったの(笑)? でもどんなコールでも嬉しいです!”と言い、声援に応え2ndアルバム『ON STAGE!』から「Step and Go!!」をアンコール1曲目として披露した。
歌唱後にこの曲について、リスナーを奮い立たせてくれる曲だと思うが、自身も同じように励まされた曲であることや、ここまで諦めずに進んでこられたのは応援してくれたファン、そしてたくさんのスタッフの助けがあってこそだという感謝の気持ちを伝え、深く頭を下げた。
そして次が本当の本当に最後の曲だとして、気持ちをしっかり込めて「ゆっくり走れば風は吹く」を歌唱。輝くステージの中で最後まで全力のパフォーマンスを見せる姿と、ファンも全力で声援を送る光景には、オンラインであってもしっかりとした絆が感じられた。
1stワンマンライブから1年。成長した彼女の“今”を存分に感じることができ、またこれからの彼女のさらなる飛躍を確信させる圧巻のパフォーマンスにファンから惜しみない賞賛のコメントが送られる中、2ndライブ<パラレルタイム>は幕を閉じた。
なお、今回のライブを記念し、ビクターオンラインにて期間限定で「ライブ限定オンラインカート」から2ndアルバム『ON STAGE!』を購入すると、ときのそらの「ライブオフショットポストカード」がプレゼントされることが決定した。カートの期間は11月28日18:00から12月6日23:59まで。
さらに、<パラレルタイム>のセットリストを再現したプレイリストが各配信サイトで公開されている(カバー楽曲除く)。
<ときのそら2nd LIVE「パラレルタイム」>
2020年11月29日(日)
1 ぐるぐる・ラブストーリー
2 ベノム(cover)
3 リア/リモシンパサイザー
4 ブルーベリームーン
5 海より深い空の下
6 コトバカゼ
7 未練レコード
8 夢色アスタリスク
9 青空のシンフォニー
10 Chu-Chu-Lu
11 好き、泣いちゃいそうだ
12 Wonderland
13 Shiny Smily Story(cover)
14 Dream☆Story
15 フレーフレーLOVE
16 冴えない自分にラブソングを
17 空祭り
■アンコール
18 Step and Go!!
19 ゆっくり走れば風は吹く
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