CYNHN［ライブレポート］映像美とともに力強くしなやかに描いた、どこまでも広く深い青き情景＜CYNHN Streaming Live「Re Blue」＞ライブレポート

ヴォーカルユニットとしての強さ、青の真骨頂を見た＜2部：Restandard＞

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2部は＜Restandard＞という“いつも通りのCYNHN”と聞いていたが、1曲目から「くもりぎみ」という選曲は予想外だった。最新シングル「ごく平凡な青は、」のカップリングで、どこか退廃的な美しさのある曲。淡々と進んでいるようで湧き上がっていく高揚感が肌に感じられる。落ちサビの、かすれ気味にそっと歌う綾瀬から一気に解き放つかのような百瀬の歌声にハッとさせられながら息を呑む。ラストの“WOW〜”のコーラスは、観客による心のコーラスが場内に響き渡っていた。

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綾瀬が描いたアニメーションのMVをバックに展開する「解けない界面論」。内向的でどこか不安定さを感じられる楽曲の世界を、繊細に丁寧に表現していく。「空気とインク」で見せたのはヴォーカルユニットとしてのCYNHNの強さだ。聴き手の心に揺さぶりをかけてくる綾瀬と、真っ直ぐな強さを放つ百瀬と、そこに寄り添ったり離れたり自由闊達な青柳。そして、すっと隙間に入りこんでくる月雲の優しい歌声。楽曲自体の振り幅は広いのだが、それをCYNHNとしてまとめ、作り上げているのはメンバーの歌にほかならない。そんなことを改めて考えていると「Pray for Blue」へ。さらに奥深く、CYNHNの青の世界へといざなわれていく。

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振り付け有りのパフォーマンスは初披露となった「Redice」、アコースティックギターの優しい音色で始まった「雨色ホログラム」では、いっぱいの星の雨が降った。

「So Young」で始まった後半戦。1部ではRemixだった「はりぼて」で攻めたてていく。歓声を出していけない客席へ指でシーッ！という仕草をしながら“いくぞ！”と百瀬が煽りながらボルテージは最高潮に達し、清流が激流へと変わるようにそのまま「水生」へと強度の高い楽曲を続けて叩き込む。スリリングに流れていく楽曲展開とパフォーマンス、それに合わせてスクリーンに次々映し出されていく映像美。水面、水流、海、タイポグラフィ……会場はCYNHNの青に深く染まった。

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トドメは「ごく平凡な青は、」。怒涛のようなバンドアンサンブルを器用に潜り抜けながら泳いでいくボーカル。よくこのトラックでこの歌メロをなぞれるものだと思いながらも、彼女たちのパフォーマンスに飲み込まれていった。

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ラストは、月雲デザインの青チェック柄を基調とした新衣装に着替えての新曲初披露。普遍的な刹那メロディが幾何学模様のようなトラックに嵌め込まれていく。マリオネットのパントマイムを思わせる振りもメランコリックな楽曲世界を色濃くさせる。「氷菓」と書いて“アイスクリーム”。甘すぎないアイスクリーム、といった趣である。そんな小粋なタイトル含めてCYNHNにぴったりの楽曲だ。初のEP『#0F4C81（よみ：クラシックブルー）』が12月23日にリリースされることも発表された。この作品タイトルはHTMLカラーコードだが、ソーシャルメディアではそのままハッシュタグになるというわけか。

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この日のパフォーマンスは、崎乃のポジションを空けてのフォーメーションであったり、彼女のボーカルトラックを使用していたり、4人ながらも5人のステージで魅せていたが、この「氷菓」は完全に4人仕様というレアなパフォーマンスだった。

崎乃奏音不在のステージは、いつもと違う観点で4人の魅力を知ることができたが、同時にCYNHNが5人それぞれの歌声と個性で成り立っていることを証明したステージでもあった。誰がセンターとかメインだというわけではない、それぞれのメンバーが織りなす調和こそがCYNHNなのだと。

配信が終了した後、会場では鳴り止まぬ拍手の中、再び4人はステージに姿を現した。その最後の挨拶を以って、本稿を締め括りたい。

青柳透：
私たちが思ってたより（お客さんが）近くて。まだみなさまの前でダンスを披露したことがない曲とかがすごく緊張して。配信でも緊張してたけど、こうやって人前に出てライブができるということが、すごく久しぶりな体験なんですけど、すっごい久しぶりがゆえに、ありがたいことだなと身に染みて感じることができました。この先もこういう体験をいっぱいしたいので、みなさんにぜひついてきてもらいたいなと思いました。よろしくお願いいたします。

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月雲ねる：
今日のライブもそうですし、12月にミニアルバムを出させていただけることもそうなんですけど、この状況の中でCYNHNが活動させていただけることがすごくありがたくて。あと、今日も久しぶりの有観客ライブなのにたくさん来てくださったのもすごく嬉しかったです。なんかこの自主期間中とか、会えない時間がたくさんあって、いろんな気持ちになったんですけど、こうやって恩返しというか、直接観ていただけたのが嬉しかったです。またいつかわからないですけど、こうやってライブができたらいいなと思います。その時はまた来てください、ありがとうございました。

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綾瀬志希：
本日はお越しくださってありがとうございました。あのー、こうして、こういう世の中でリリースだったり、曲を作っていただいたり、衣装を作っていただいたり、ステージに立たせていただいたり、そういうことがありがたくて……だって、見てごらん！　カメラ何台あると思う？　1台、2台、3台……7台、こんな大盛況っ！　みんな、ホントにありがとうございますっ！　……っていう感じなんですけど、そんな中でも、今日は4人だったのですが、楽しみにして、こうして足を運んで私たちの歌を聴いて、幸せになってくださっている方々が目の前にいるってことがすごい自分も嬉しくて。また歌いたいなと、歌が大好きだなと思う1日にもなりましたので、みなさん、今後のCYNHNの活動を楽しみについてきてくださいっ！　よろしくお願いします！　ありがとうございましたぁ！

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百瀬怜：
本日はありがとうございました。（他3人を見ながら）すごいドキドキしたよね？　練習の時から久しぶりにお客さんが入るってことで、今までは（配信ライブだと）カメラ目線とか意識してこなかったことを意識しなきゃいけなかったり大変で、熱が届きづらいからどうやって届けよう？とかあったんですけど、こうしてまたお客さんが入ってくださるとなると、それはそれで緊張して……どうやって今までやってたんだろ？（笑）とかも思ったんですけど、ステージに立ってみたら意外とそんな時間が経ってないように感じて。すごい楽しくて、あっという間に1日が終わっちゃったなという感じでした。たくさんの方々にこの期間も関わっていただいて。スタッフさんだったり、ファンのみなさまもそうだし、この期間で好きになってくれた方もいて。こういう機会をこれからどんどん増やしていけたらと思っていますので、ぜひぜひこれからも応援していただけたらなと思います。本当は5人で立てるのがベストだったんですけど、それが難しくて……、そっちゃん（崎乃奏音）本人が1番悔しがってると思うし……。なるべく5人で早くステージに立てるように頑張っていきたいと思っておりますので、みんなも見守っていただけたらなと思います。本日はありがとうございました！

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