CYNHN[ライブレポート]映像美とともに力強くしなやかに描いた、どこまでも広く深い青き情景
CYNHN[ライブレポート]映像美とともに力強くしなやかに描いた、どこまでも広く深い青き情景<CYNHN Streaming Live「Re Blue」>ライブレポート
CYNHNが、2020年10月28日(水)に東京・harevutaiにて単独ライブ<CYNHN Streaming Live「Re Blue」>を開催した。リミックスやダンスナンバーなど一味違う面を見せる<1部:Rechange>、王道セットリストの<2部:Restandard>というコンセプトが異なる2部構成となったこの日。体調不良のため崎乃奏音は欠席となったが、彼女たちらしい高い歌唱力を発揮した歌声と表現力豊かなパフォーマンスで、来場したファンと配信の視聴者を魅了した。CYNHNが描く青の世界の深さを強く感じさせた同公演のライブレポートをお届けしたい。
<CYNHN Streaming Live「Re Blue」>|harevutai(2020年10月28日)
“百瀬怜です”“月雲ねるです”“綾瀬志希です”“青柳透です”……順番に自己紹介していき、再び百瀬に戻って口にする“崎乃奏音、私たち5人でCYNHNです!”
崎乃奏音の体調不良のため、4人でのパフォーマンスとなった<CYNHN Streaming Live「Re Blue」>。10月28日、harevutaiにて行なわれたこの配信ライブは、今年3月に予定されていたツアーが全公演中止となり、自粛後初となる有観客ライブでもあった。完全体ではないライブとなったが、この思わぬアクシデントにも動じない堂々としたステージとなった。
静かに燃え盛る青い炎<1部:Rechange>
ステージ上のバックスクリーンに浮かび上がる“CYNHN Re Blue”の文字。定刻を少々過ぎると、艶麗なハウスミュージックが流れ、月雲ねるが登場。華麗にソロダンスをキメる。打って変わって鈴の音が鳴り、雅やかな旋律が流れると月と桜の映像が。浮かび上がるのは“SOTO SAKINO”の文字。そこに彼女の姿はなかったが、その存在は確実にステージにある、そう思わせてくれる演出である。虚を衝くように鐘の音が高鳴るようなギターリフで颯爽と現れたのは青柳透、エレクトロミュージックに合わせてしなやかな動きで魅了するのは百瀬怜、ジャズピアノをバックに妖艶な動きで登場した綾瀬志希、各々が個性を見せながらのオープニングで<Re Blue>の1部は始まった。
流麗なピアノの旋律が鳴り、始まったのは「はりぼてRemix」。潤いを感じさせる青柳、ブレスたっぷりに歌う綾瀬、言葉を素直に前へ出していく百瀬、そっと麗しげな月雲、と横一列に並び、4様の声を響かせながら丁寧に歌を紡いでいく。「はりぼて」はCYNHNの強さを魅せる代表曲の1つだが、このRemixでは優美なエレクトロサウンドとともに轟かせる優雅なヴォーカルで、大人の雰囲気を嗅ぐわせながら徐々に会場の熱を高めていく。
続けざまに百瀬、月雲、青柳3人によるダンスパートへ突入。トライアングルの陣形を活かし奥ゆかしく揺らめきを作る。この1部は<Rechange>と銘打たれ、普段とはひと味違うCYNHNの魅力で攻めていく趣向である。月雲がコーディネートしたというメンバーそれぞれに合わせた衣装しかり、スタイリッシュにキメるダンスに重きを置いたパフォーマンスで、いつもとは違った形でライブは進行していった。普段のCYNHNが青い清流であるなら、この<Rechange>は静かに熱く燃える青い炎である。
綾瀬が加わって始まったのは「リンクtoアクセス」。明瞭なブラスサウンドと軽快なバンドのビートに乗せ、崎乃の声を交えながら小気味良いグルーヴを作っていく。もちろん、崎乃の声はオケとともに流れているヴォーカルトラックであるが、4人の生歌との混ざり具合いが自然すぎて、正直最初はよくわからなかった。“喉から音源”などという言葉もあるが、生歌と音源の差がないCYNHNの歌のレベルの高さを目の当たりにした。
夢幻的な音世界に包まれながら、百瀬と綾瀬がゆっくりと踊る。四肢をふんだんに動かし大きな躍動を描く。そこに見惚れていると、ディストーションギターの急襲が。激しいビートが乱れ打つロックナンバー「wire」だ。前のめりに果敢に切り込んでいく百瀬の野太い声と、タメを効かせながら後ろに悠然と構えていく綾瀬。2人の対照的なボーカルがCYNHNのエッジィな側面を見せながら、あざやかな青柳とあでやかな月雲の声がバランスを整えていく。
情景は打って変わり、クラップで始まったのは、ハッピーな旋律が縦横無尽に駆け巡る「タキサイキア」。ファンクなリズムが心地よい「アンフィグラフィティ」と続く。
月雲のダンスソロタイムに突入。都会の夜景をバックに艶めかしくしなやかに観る者を惹きつける、……とここで、配信トラブルが発生したようだ。急遽、全員が集合して場をつないだ。“ねるちゃんのもう1回見たい”“おかわり希望”というメンバーの要望もあって、月雲のダンスソロを再び。“さっきよりウマく踊るね”と、先ほどより余裕たっぷりに悠々と踊り切った。
本公演のハイライト、初披露となった「水生Remix」。ハウス調の無機質でミニマムなトラックがこの楽曲の持つ、美麗に流れていくメロディをより明確に浮き彫りにする。トラックに合わせて、オリジナルよりも少し抑えめにしたボーカルのテンションも相まって、クールな世界観さらに色濃くしている。
綾瀬1人で1番を歌いきった「ラルゴ」で一気に駆け上がるラストスパート。場内は声が出せないながらも精一杯の心からの声援を送り、最後は「2時のパレード」で締めくくった。
<CYNHN Streaming Live「Re Blue」>1部:Rechange
2020年10月28日(水)
東京・harevutai
OP
M1 はりぼて Remix
Dance Time(月雲/百瀬/青柳)
M2 リンクtoアクセス
Dance Time(綾瀬/百瀬)
M3 wire
M4 タキサイキア
M5 アンフィグラフィティ
Dance Time(月雲)
M6 水生 Remix
MC
M7 ラルゴ
M8 2時のパレード
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