WILL-O’、raymay、ワールズエンド。にアンスリューム　鬼才RYO-Pと奇才katz　気鋭のサウンドクリエイター特集＜後編＞｜「偶像音楽 斯斯然然」第41回

raymayの場合

raymayのRYO-P曲といえば、やはりこれだ。

【LIVE】ファンキィパーティ (2019/10/5 TSUTAYA O-WEST one man)

ブラスセクションにスラップベースが心地いい「ファンキィパーティ」。ハネ方が黒っぽくなくて、いい意味でアイドルポップスしている。本格的な黒っぽさに寄せると、アイドルらしいハッピー感が薄れてしまうので、個人的にはアイドルソングとしてはこれくらい陽気なポップ方面に振った方が楽しくて好き。raymayは爆音の中で自由気ままに騒いでる躍動感が素晴らしいグループで、この楽曲のライブにおける破壊力が最高なのである。

katz曲はこれ。

raymay - 「悟道」

氏のバックボーンを知らないのだが、ハードコア影響下にある人なんだろうなと思っている。粘りのあるディストーションギターのサウンドメイクもそうなのだが、何よりも足癖の悪さである（褒め言葉）。こんなとこにダブルで入れてくるのかっ！というほど、大砲のように乱れ撃たれるキック。こんなにも生き生きとしたリズムパターン、これほどまでに前のめりのドラムを組めるクリエイターはなかなかお目にかかれない。

【LIVE】reset summer (2019/10/5 TSUTAYA O-WEST one man)

低音成分としてのバスドラムの役割と、アタックとしてのキックの役割をきちんとわかっているとでもいうか。音源はもちろん、ライブにおける爆音環境で聴くと実に心地が良い。もともとraymayを初めてライブで観た時に、やけにキックを軸としたドラムがイカしてる楽曲がいくつかあるなと思い、調べてみたところ、見事に全部katzの作曲だったというのが氏を知ったきっかけである。

アイドル曲には、ギターはいい感じだけどドラムもっと頑張ろうよ、と思うことが多かったり。音源を家で聴いてると気にならないのだが、ライブハウスの大音量で聴いたらシンバル含めて中高域がグシャーとなっちゃっていたり。ドラムのせいで残念に思うことも少なくない。そんな中で、今いちばんドラムのチューニング＆フレージングがウマいクリエイターなのではないだろうか。