山本彩、＜LIVE TOUR 2020 ～α～＞ファイナル公演をWOWOWライブで放送決定！【ライブレポートあり】

山本彩が、10月25日（日）にWOWOWライブにて、ツアー＜山本彩 LIVE TOUR 2020 ～α～＞ファイナル公演を放送することが決定した。

同ツアーは初のソロアルバム『α』を携えて敢行されたもので、ファイナル公演は8月28日に無観客配信ストリーミングという形態で開催された。

本記事では、放送に先駆けてファイナル公演の模様をお届けする。

ライブレポート

白くピュアな光の中、浮かび上がるように姿を見せた山本は、真っ白な衣装を身にまとっていた。クローズアップした映像からは、緊張感が伝わってくる。

さまざまな想いや願いが込められた1曲目は、彼女がソロとして新しい一歩を踏み出したシングル曲「イチリンソウ」。凛とした佇まいと心を込めた歌声で、一気にライブの世界観へと誘われた。

続いて、アコギをかき鳴らしながらアッパーな「棘」をくり出し、ライブのテンションも急上昇。ドラムのビートに気分が高揚する「喝采」は、巻き舌の煽情的なボーカルがロックチューンをさらにエモーショナルなものにしていた。

MCでは“やっときました！　半年ぶりの公演です。元気になってもらえるライブにしたい”と宣言。

ロックでは勇ましさを体現する一方で、叙情的なストリングスに乗せて苦しい胸の内を吐露する「unreachable」や「雪恋」は、しっとりと歌い上げた。

そのあとの心弾むウォームなナンバー「君とフィルムカメラ」では、テレビモニターに向かって最上級にハッピーなスマイルを投げかける。豊かな表現力で、楽曲ごとの世界観をしっかりと築き上げていくのも、彼女のライブの魅力だろう。

ポスト

客席に点灯するライトが、まるで星空のような幻想的な演出の中、シースルーの生地で作られたオーバーサイズのパンツスーツ姿で現れた山本。R&B／ヒップホップ系の大人っぽいナンバー「feel the night」でダンスとラップに挑む。

「stay free」では、大型モニターに映し出される等身大のシルエットと、まるでデュオダンスをするように踊り、視聴者から喝采を浴びていた。

このライブでは、視聴側の声援がステージに反映される工夫がなされていた。声援は次第に熱を帯び、彼女をはじめとするバンドメンバーのテンションもそれに伴って上がっていくのが感じられた。

中盤のMCでも、“同じ空間でライブができない寂しさはありますが、（視聴するファンから）声を送ってもらって一緒にいる感覚になれました”と語った山本。声援に励まされていたようだ。

デニムをリメイクした個性的なドレスに着替えた後は、「サードマン」を堂々とアカペラで歌唱。ノスタルジックな「追憶の光」や、ゆったりとしたテンポが心地よい「月影」など、繊細な心情を表情豊かな歌声で歌い分ける。

“まだまだ行くぞ！”の号令とともに、疾走感あふれる「TRUE BULE」から怒涛の終盤へ。

ハッピー感に溢れる「Weeeekend☆」では “一緒に声を出しましょう”と呼びかけ、ともに歌い合った。距離を飛び越えるファンとの絆が垣間見えた瞬間だった。

頬を紅潮させながら“ライブ、楽しいですね”と笑みを浮かべた山本。静かに歌いかけるような「Larimar」で、本編は最後を迎えた。

ポスト

ステージから主役が消えた途端、誰もいないホールにアンコールの声が響き渡った。新鮮な感動に包まれながら、バンドメンバーと一緒に再登壇。

“STAY HOME期間に作った新曲です”と、「愛なんていらない」をサプライズで披露。親しい人に語りかけるような気取らないナンバーで、さらにファンとの距離が近づいたようだった。

実は10月28日に、この「愛なんていらない」を含む4thシングルを約1年ぶりにリリースすることが決定。この新作でも、山本が自ら全曲の作詞作曲を手がけているというから注目したいところ。全曲に大型タイアップがつくそうで、彼女の歌声に触れる機会がさらに増えそうだ。

“また会えると信じて。みんなが大好きな曲です”と、パワフルな「Are you ready?」でライブは大団円を迎えた。ソーシャルディスタンスなカーテンコールを行なった後、彼女は胸に秘めていた決意を口にした。

“20代のうちに、アリーナに立ちたい！　ついてきてください。本気で頑張ります”。

彼女のシンプルで揺るがない想いは、その言葉の強さと迷いのない瞳を通して、観る人すべてに届いただろう。細やかな表情の変化をつぶさに見られるのも、映像ライブならではだ。

中止に追い込まれたツアーを待っている人に届けたいという、彼女の熱い思いが結実した無観客ライブ＜山本彩 LIVE TOUR 2020 ～α～＞は、10月25日（日）にWOWOWで放送される。

ポスト