第19回：つりビット解散から中域アイドル減少問題〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜つりビット解散から、今年を振り返っての中域アイドル減少問題を語る

南波：
ねぇ。今年、次々とアイドルがいなくなっていくなかで、そのあたりのものを求めている人は当然いて。11月に新宿ReNYでRYUTistのワンマンをやったんですけど、ソールドアウトしたんですよ。去年の夏に渋谷eggmanでやったときは売り切れなかったのに。3倍以上のお客さんが来たという。

小出：
へぇ。じゃあ、豊かな中域を求める人たちが、そこに集約されつつあるみたいな感じなのかな。

【RYUTist「黄昏のダイアリー」】

小出：
RYUTistがいて、中域のトップとしてNegiccoがいて。そこからつりビットがいなくなっちゃうのか。あれ、中域らしい中域がホント減ってない？　そういう意味でもアイドルネッサンスは重要で、だから惜しまれていたんだろうね。

南波：
背骨みたいな存在ですよね。アイドルネッサンスの解散の日に、しっかりした背骨のような存在があるから、ほかがいろいろ攻められるのにって話をamiinAの運営さんとした記憶があります。amiinAとかヤなことそっとミュートとか、曲がカッコいいグループはまだまだたくさんいるんですけどね。東京ローカルで面白いグループもめちゃ増えてるし。

小出：
でも、いわゆる王道とはまた違うというか。中域を作ってくれるかた募集って感じですね。

南波：
ただ、ビジネス的にはかなりシビアだということがわかってきちゃったから現状こうなっているわけで。

小出：
この連載でも話してきたけど、ブームのしわ寄せが起きちゃっていて、新規参入するには市場として魅力がないものになっているんだろうと。まず、48や46グループ、ハロプロとかスタダとか、新しいところだとWACKがある。その下には中域として、戦国時代以降の豊かな血肉がついていたけど、そこがやせ細ってきていると。シャリはシャリで、真ん中があるからこそカウンターとして機能していたけど、シャリでしかなくなってきてしまっている。しかもそこには社会問題も付随してきていて。全体像を見渡すと、もうここに参入していくうまみが全然見えないから……悩ましいですよね。どうしたらいいんだ。