SorAZ(ときのそら&AZKi)[ライブレポート]2人の絆が深まった共演「そらちゃんがVTuberを盛り上げてきてくれたから今ここに立ててる」「本当にホロライブに入ってくれてありがとう」

SorAZ(ときのそら&AZKi)[ライブレポート]2人の絆が深まった共演「そらちゃんがVTuberを盛り上げてきてくれたから今ここに立ててる」「本当にホロライブに入ってくれてありがとう」

SorAZ(ときのそら&AZKi)[ライブレポート]2人の絆が深まった共演「そらちゃんがVTuberを盛り上げてきてくれたから今ここに立ててる」「本当にホロライブに入ってくれてありがとう」

ときのそら(ホロライブ)とAZKi(ホロライブ、イノナカミュージック)のユニットSorAZが、9月26日に<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>を開催した。2019年のラジオ共演(『アズラジ』第2回目)をきっかけに、歌ってみたやゲーム実況、生放送でやフェス出演でのライブ、ときのそらのミニアルバム『My Loving』内で初のコラボ楽曲「刹那ティックコード」を公開。そして2作目のコラボ楽曲「紅藍クロニクル」をリリースしたばかりの2人が、オンライン上でロングライブを実現させた。本記事ではその模様をお届けする。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)

取材・文:森山ドロ

ライブ開始に合わせて、赤と⻘のペンライトが観客席から光り輝き、ゆっくり揺れ動く。寄り添った2人の姿がかすかに浮かび上がるのと同時に「刹那ティックコード」の前奏が流れ出し、一気に高揚感が高まるのがわかった。

明かりが照らされ、2人の姿がくっきりと映し出されると、“劇場版 SorAZ Special Live 刹那的クロニクル”の文字がまるで映画のタイトルを連想させるかのように現れる。

インパクトのあるタイトル演出に目を奪われた影響で、疾走感のあるビートと2人の力強くも透明感ある歌声が、1曲目から映画のエンディングを錯覚してしまう。劇場版の言葉のすべてがこの1曲に集約されているかのような始まりに戸惑いを隠せないままあっという間に曲が終わると、AZKiの“改めまして、こんあず〜!”の一声で現実に戻された。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)

1曲目の緊迫した雰囲気とは裏腹に、ステージ上ではしゃぐ姿が印象的な軽いMCの後は、ときのそらのオリジナル曲「フレーフレーLOVE」を2人で披露。AZKiの4thワンマンライブ<AZ輪廻>でもカバーを披露した本楽曲は、開拓者にとって感慨深いパフォーマンスだったに違いない。

2人とも歌い慣れたであろう曲だと思うが、目に映る光景はとても新鮮なもので、サビの“君に”の部分で目を合わせたり、“フレーフレフレフレ”に合わせて上に手を振ったり、横に広げて振ったりと、2人で歌うとここまで違う景色が見れるのかととても不思議な気持ちになった。

続いては、AZKiのオリジナル曲「猫ならばいける」を披露。この曲は、軽快なロック調の楽曲をアイドルらしく歌うAZKiのいわばギャップが詰め込まれた楽曲だ。

そんな楽曲とアイドル性の高いときのそらとの相性は抜群。縦横無尽にステージ上を走り回りながらも安定して歌いこなすAZKiと、慣れない早口に少し苦戦しているときのそらという正反対だが心地いいパフォーマンスが見られた。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)

ここからはソロパートのライブへ。この日のセトリを考えてきたというAZKiが最初にステージに上り、開幕から「Intersection」、「Fake.Fake.Fake」、「ひかりのまち」のアッパーチューンの3曲を披露する。

「Intersection」の歌い出しから、一気に自分の世界に持っていくAZKiのすごさが開幕から発揮される。まるでソロワンマンライブを観ているかのような表現力で自分の世界を瞬時に引き込む力は、自らの持つ表現力と、これまで数多くのライブを経験してきたAZKiだからこそできる芸当だろう。MVの映像をバックに、目まぐるしいスポットライトが曲に合わせて暴れまわる。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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AZKiのソロパート後半は、感情に押し潰されそうになるセットリストが待ち受けていた。

1曲目の「いのち」では、途中で楽曲がストップするアクシデントが発生。再び歌い直す際に、“ただいま”とAZKiが囁く場面があった。観客の“おかえり”のコメントに対するアクションだったと言ってしまえば何でもない一場面かもしれないが、この一瞬の出来事は、AZKi含めチーム全体が生ライブにこだわり続けてきたことが生んだ賜物だと強く感じた。

このなんでもない演者とファンとのやり取りは、コールアンドレスポンスと同じで、両者が同じ場所に立っている証明になる。そして、ライブで生まれる一体感に繋がる。

2曲目に披露した「⻘い夢」は、イントロの歪んだ音から赤と⻘のペンライトの光が優しく揺れ動く。丁寧に丁寧に歌いあげたところで、サビで感情が爆発するかのようなパフォーマンスが印象的だった。曲後半の“守れないよ”の部分では、時が止まったかのような緊張感が漂っていた。

AZKiソロパート最後の曲は、「from A to Z」。開拓者とのユニゾンが特徴的な楽曲ではあるが、AZKiはオンライン上でも開拓者も声を上げていることを信じているかのように力強く歌い上げる。⻩色と緑のスポットライトが彼女の動きに合わせるようにシンクロしているのが印象的だった。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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“楽しいセットリストを考えてきました!”と、ときのそらのソロパートが始まった。“楽しい”の言葉通り、前半は「Equation of Love」、「冴えない自分にラブソングを」、「IMAGE source」の3曲を披露する。

開幕からカラフルなスポットライトが激しくときのそらを中心に動き回る。曲の合間の煽りや、POPからロック調の楽曲まで器用に歌いこなす姿はさすがとしか言いようがないが、それでもライブにおいて強く魅力的に感じたのは“緊張が伝わる”という点だった。高音の震えたシャウト、歌唱後の息遣い、息が切れてMCがおぼつかないところなど、明らかに見ていて緊張しているのが伝わった。

それによって応援したくなる気持ちが滲み出る。緊張というマイナスな要素が多いイメージを完全にプラスに働かせるのは、ときのそらが持つアイドル性の力だろう。“全力でやらなくちゃと思った”とMCで語ったとおり、緊張が全力を最大限演出しているかのように感じた。

「冴えない自分にラブソングを」のPOPでアイドルらしさが全開する楽曲から、「IMAGE source」のカッコよさへ流れる場面も印象的。凛々しい表情から軽快なステップと腕の動きといった、曲に合わせた見せ方を意識したパフォーマンスを展開した。

また、息が切れていても合間に煽りを入れるのを怠らない姿と、稲妻が走ったかのような映像の演出が曲に勢いを増していていく。キリッとした動きで、楽曲によって強弱をつけていく姿にも感動した。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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後半パートは、“可愛いく、アイドルらしく”と宣言した通り、「コトバカゼ」、「⻘空のシンフォニー」、「ぐるぐる・ラブストーリー」という楽曲が並んだ。

「コトバカゼ」では、花火のような光の映像が後ろで曲に合わせて回りだし、ときのそらの楽曲の中でもメロディックで哀愁漂う曲が会場を包む。元気いっぱいの楽曲もマッチしているが、こういった切ない楽曲の方がときのそららしいとライブを観て感じることが多い。

また「ぐるぐる・ラブストーリー」が始まるのと同時に、臨場感のあるカメラワークと、曲に合わせた映像の演出があちらこちらに浮かび上がった。観ているものに元気を与える、全身全霊をかけたときのそらのソロパートはここで終了した。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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お互いのソロパートが終わると、<hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー>で披露したアイドル衣装で2人が再びステージにのぼり、ホロライブの公式曲である「夢見る空へ」をSorAZで披露。歌い分けもしっかりされており、衣装も相まってアイドルさが際立っていた。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)

そしてここから、再びお互いのオリジナル楽曲をデュエットするこの日限りの特別な時間が訪れた。AZKiの「のんびりと、」ときのそらの「Wonderland」を2人で楽しく歌っていく。

「のんびりと、」ではおちゃらけて歌いながら笑ってしまったり、「Wonderland」では大きく手を振って2人で合いの手を入れたりと、全力で楽しむ姿が印象的だった。

歌い終わった後真っ先に、“自由にやっております!”とAZKiが言うと、ときのそらは“楽しくなっちゃって……”と返す。演者だけではなく、観ている側も自由に楽しんでいるのがライブ開始からずっと伝わっていた。

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<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)

劇場版でいえば、最終局面がまさにこのタイミングだろう。<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル>開催に合わせてリリースされた「紅藍クロニクル」が披露された。

壮大なイントロに合わせて小刻みにリズムをとるAZKi、静かに佇むときのそら。相対的な幕開けから、2人は前奏の盛り上がりのタイミングで腕を大きく振りかざしながら息ピッタリの合いの手を入れる。

すると、歌いだしと同時に歌詞が歌い手の装飾かのように浮かび上がった。時折目を合わせながら力強く鋭い高音をときのそらが聴かせると、透明感ある歌声でAZKiがそれに答える。その姿は、共闘しているかのようで孤独なような、歌の節々で印象が様変わりするものだった。

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ラストのMCでは、AZKiが“そらちゃんが今までVTuberって世界をすごく盛り上げてきてくれたから、今ここに立ててる”と、ときのそらがVTuberの先駆者としてここまで走り続けたことの重要さを改めて伝え、感謝をする場面が。

それに対してときのそらは、“歌を歌いたいライブをやりたいって思ってた時に、ライブをたくさんやるような人が近くにいてほしいと感じていた。本当にホロライブに入ってくれてありがとう”と、AZKiの存在の大きさを伝える。こういう舞台だからこそ生まれ、伝えることができるお互いの尊敬の念や感謝の気持ちを目の当たりにすると、ライブの重要さを改めて感じてしまう。音楽を通じて、方向性の壁を超えたドラマがオンラインであろうと生まれるのだ。

本編最後の曲は、ホロライブ公式曲である「Shiny Smily Story」。MCの少ししんみりした空気を一変するかのように、楽しく幸せな時間が会場内を包み込む。合いの手を小声で入れたり、リズムに合わせて無邪気に体を揺らす姿に、ライブを全力で楽しむという姿勢を改めて実感した。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>(2020年9月26日)
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アンコールには、同じくホロライブ公式曲である「キラメキライダー☆」を披露。「Shiny Smily Story」の時とは違い、丁寧に声を合わせていたのが印象的だった。お互いがいろんな思いを歌に乗せているのがわかるようで、特に最後のサビではお互いに目を合わせて息ぴったりにジャンプし、最後の力を振り絞っているようだった。

今日のライブは第2回の前哨戦だと語っていたときのそら。この日の公演では、ライブをすることの意味やその重要性に改めて気付かされた。SorAZとしての1つの集大成でもあると同時に、普段は恥ずかしくてなかなか言えない思いを伝え合うなど、お互い活動の方向性は違えど、ライブを通して、音楽を通して、ここまで絆を深め合うことができるのかと感じた時間だった。

<SorAZ Special Live 刹那的クロニクル(#劇場版SorAZ)>

2020年9月26日

1.刹那ティックコード / SorAZ
2.フレーフレーLOVE / SorAZ
3.猫ならばいける / SorAZ
4.Intersection / AZKi
5.Fake.Fake.Fake / AZKi
6.ひかりのまち / AZKi
7.いのち / AZKi
8.⻘い夢 / AZKi
9.from A to Z / AZKi
10.Equation of Love / ときのそら
11.冴えない自分にラブソングを / ときのそら
12.IMAGE source / ときのそら
13.コトバカゼ / ときのそら
14.⻘空のシンフォニー / ときのそら
15.ぐるぐる・ラブストーリー / ときのそら
16.夢見る空へ / SorAZ
17.のんびりと、 / SorAZ
18.Wonderland / SorAZ
19.紅藍クロニクル / SorAZ
20.Shiny Smily Story / SorAZ
21.キラメキライダー☆ / SorAZ

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