TEAM SHACHI、アメフラっシ、デビアンにthe GazettE? EDMとラウドなバンドの絶妙な関係|「偶像音楽 斯斯然然」第40回

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TEAM SHACHI、アメフラっシ、デビアンにthe GazettE? EDMとラウドなバンドの絶妙な関係|「偶像音楽 斯斯然然」第40回

記念すべき連載第40回目は、EDMを軸に昨今ユニークなサウンドを聴かせるグループをピックアップ。そもそもEDMとはどういう音楽なのか?という基礎知識をはじめ、アイドルとV系の共通項など、冬将軍が独自の視点で綴る。

WILL-O’、我儘ラキア、NEO JAPONISM ラウド系アイドルの現在とV系

EDMはすべてシンセで構成されるとは先述の通りなのだが、「新世界RPG」のような生楽器主体のバンドサウンドであってもDTMで作られている昨今。そうした制作過程はEDMだろうがロックだろうがほぼ変わらない、というのはアイドルのみならずポップミュージック全般でいえることだ。バンドメンバー集まって、セッションしながらの曲作りをしたとて、WILL-O’「HANABI」のような曲は生まれないのが現実である。

RYO-Pによるポップ感がすっぽ抜けていくような不条理ロック WILL-O’「HANABI」

そういう意味では、なんでもアリなアイドルソング。作り手もいろいろなものを突っ込みたくなるわけだ。90年代のミクスチャーロック、00年代以降のラウドロック、ともに和製英語であり日本らしい音楽変革を表す言葉であるが、EDMしかり、PassCodeのピコリーモしかり、アイドルシーンの音楽深化も止まらない。そんな中でミクスチャーロックの邪悪さとラウドロックの解放的な要素をウマく昇華しているのは、MIRI加入以降の我儘ラキアで、ロックバンドでは絶対にできないロックをアイドルだからこそ完成させている。

ミクスチャーロック meets ラウドロック というべき 我儘ラキア「rain」

EDMとヘヴィミュージックの融合は、KornがSkrillexとコラボであったり、海外では盛り上がりを見せていたが日本でそれをやる者はほぼいなく、the GazettEとBABYMETALくらいだった。ヴィジュアル系とアイドルという、ある種のメインカルチャーから離れた2大サブカルチャー的シーンの方が流行に敏感だった点は非常に興味深い。改めて感じるのはEDM方面に傾向していた頃のthe GazettEは、ラウド系アイドルのベクトルと同じだと思う。

意外とラウド系アイドルとの親和性の高い? the GazettE「INSIDE BEAST」

EDMの“サビがない”要素をそのままロックに用いると、ライブでの盛り上がりに不利になることもある。それは前回のK-POPテーマでも触れたとおり、トレンドをベースにしつつサビを設けたり、CメロDメロの歌い上げであったりと、柔軟に昇華させていることも多く見られる。そういう意味で、ヴィジュアル系やアイドルといったジャンルの既成概念に囚われていないシーンであれば、その自由度も大きくなる。

今世界的に見て、EDMとヘヴィでラウドなバンドサウンドの関係性による面白さを武器としているのはイギリスのロックバンド、Bring Me The Horizonだが、こうした最先端で急先鋒のポストハードコア魂を日本においてウマく取り入れてるのは、どのロックバンドよりもアイドルグループのNEO JAPONISM、ということがまた面白い。

ダブステップ、インダストリアルといったメカニカルな要素をふんだんに取り入れている NEO JAPONISM 「Subliminal」

我儘ラキアは、バンドセットライブが物語るようにラウドロックバンドと造詣が深く、NEO JAPONISMは、ヴィジュアル系出身のプロデューサーを軸としている。そうしたことが流行の琴線や音楽探究に大きく影響していると思う。

逆の見方はどうだろうか。今挙げたのはバンド観点からのEDMという見方であったが、EDMから見たバンドという考え方である。これに関してはBLACKPINKが圧倒的。音源ではバキバキのダンスミュージックで歌い踊る彼女たちだが、ライブではアフリカ系のミュージシャンを率いてゴリゴリのラウドサウンドをかき鳴らしているのは、以前取り上げた通りだ。

では、日本でそんなことやってるグループはいるのか?

いた、TEAM SHACHIである。

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