Aphrodite[ライブレポート]ソーシャルディスタンスで70人限定ライブを開催!新曲「nocturne」も初披露
Pop'n'Roll 編集部
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Aphroditeが、6月25日に目黒鹿鳴館にてライブ<〜Renaissance et résurrection〜再生と復活>を開催した。コロナ禍という長い活動制限期間を乗り越えたこの日は、ソーシャルディスタンスを尊重し70人限定ライブとして実施。本記事ではその模様をお届けする。
<〜Renaissance et résurrection〜再生と復活>目黒鹿鳴館(2020年6月25日)
取材・文:長澤智典
荘厳華美な音色がフロア中を包み出すと、Aphroditeのメンバーたちが登場。ライブは、ここが至高の楽園だと宣言するように「EDEN」から幕を開けた。
冒頭から観客たちがマスク越しに声を張り上げ、メンバーたちへ絶叫にも似た声援を送り出す。舞台上のメンバーたちも、待ちわびたこの日へ想いの丈をぶつけようと、凛々しく気高き姿を見せながらも、歌声には何時も以上に気合いを込めていた。爆音で有名なAphroditeのライブだが、この日はフロア中からも観客たちの凄まじい声が轟き渡る。それくらい、お互いがライブハウスという空間の中で、熱を交わすのを心待ちにしていたのだろう。凛々しい姿のメンバーたちに向け飛び交う声援は、きっと彼女たちの心の糧になっていたはずだ。
MCを一切排除し突き進むAphroditeのライブ。彼女たちは、この空間へ新たな時代を創世する想いを胸に「GENESIS」を力強く歌唱。気持ちを一つにした6人の歌声が美しくも雄々しい響きとなり、身体を直撃する。フロアでは、さらに感情のボリュームを上げた70人が、喉が千切れんばかりに声を張り上げ、彼女たちに野太いエールを送り続けてゆく。
轟音ギターサウンドが炸裂。フロアから起きた熱いコール。厳かな存在が胎動するように、Aphroditeは朗々と「セラフィムの夜」を歌いだす。一人一人が歌の語り部となり、物語を語り続ける。その様に声を張り上げ、腕を突き上げながら、フロア中の人たちが想いを捧げ続けていた。
感情を痛く切り裂くように響いた音色に乗せてAphroditeが紡いだのが「My Sweet Bach」。美しい歌メロをはべらせながらも、舞台上からは、心地好い緊張感を与える幻想的で華美な調べが身体へ次々と降り注がれていた。
ここで新メンバーの紹介も含みつつ、換気タイムを兼ねた倉澤雪乃のツンなMCを挟み、ライブは後半戦へ。嘆きを抱いた美しき調べから一転し、すべての存在をなぎ倒すように、「Distopia」の攻撃的な黒い音を叩きつける。破壊力満載な楽曲の中、彼女たちはここに存在する意味を誇示するように歌い続けた。また続く「Re-call」では、心地好い戦慄を覚えながらも、曲世界の中へずっと浸り続けていたいと思わせる黒い楽園を描いた。
この日が初披露となる新曲の「nocturne」もパフォーマンス。しなる鞭のような刺激の強い音が身体を、感覚を打ちつける。一気にダメージを与える曲というよりも、触れた人たちの意識をジワジワと美しい歌メロとしなる音でなぶる楽曲だ。これまでの表情とは異なる角度からAphroditeは刺激を突きつけてくる。一方そんな楽曲の持つ破壊性とは裏腹に、歌メロには親しみやすさを覚えずにはいられなかった。
ライブの最後を担ったのが、破壊力満載な暴走轟音交狂曲「ユダの接吻」だ。凛々しい歌声で煽る彼女たちへ、フロア中の人たちが雄々しく声を上げ、沸きだす想いをぶつけていた。
Aphroditeは、限られた条件の中でとはいえ、ここから再びライブ活動を始める。12月には渋谷Beatsでのワンマン公演も行なう。