かみやど[インタビュー]新たなる“はじまり”の旅に向かう6人の決意「集大成ではなくて通過点」

かみやど[インタビュー]新たなる“はじまり”の旅に向かう6人の決意「集大成ではなくて通過点」

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2020.04.05
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かみやどは、負け組が集まって結成されたグループ──このインタビューで、彼女たちは自分たちについて、冷静な視点でこう語っている。確かに、かみやど(ひらがなかみやど)は、2019年1月から開催された<神宿新メンバーオーディション>で新メンバーに選ばれなかったファイナリスト6名で結成されたグループ。神宿の“研修生ユニット”という立ち位置でもあるが、昨年6月29日の渋谷O-WESTでのデビュー以降、数々のイベントに出演しながら、12月2日の2ndワンマンライブ渋谷WWW X公演、2020年3月15日の3rdワンマンライブ渋谷CLUB QUATTRO公演を成功させ、実力と存在感を確実に高めてきている。そんな彼女たちが次に挑むのは、5月23日から開催する初の東名阪ツアー<1st anniversary tour はじまりの合図>。一度アイドルになる夢を断たれた逆境を強い向上心に変えて、アイドルグループとしてさらなる高みを目指す6人に、かみやどの現在、そして、これから向かおうとしているところについて語ってもらった。

かみやど

撮影:忠地七緒
編集協力:村田誠二

やってやろう!っていう気持ちが強いのが、私たちの個性(辻)
オリジナル曲は、やっともらえたものだから大切(萩田)

──3月15日に渋谷クラブクアトロで開催した3rdワンマンライブ<かみがやどるばしょ~6人の軌跡~>は、コロナウイルスの影響がありつつも、万全な準備で臨んだ公演でした。まずは、そのワンマンライブの感想を聞かせてください。

辻ゆか(以下、辻):
今回は、ライブの開催は決まっていたんですけど、無観客でやるのかという話も出てきていたので、個人的にはドキドキだったんです。でも、事前にリハの時間がたくさんあったこともあって、そのドキドキを上回るくらい、ワンマンに向けての気持ちはみんなで高め合って臨めたかなと思います。1st、2nd、3rdってやってきて、今回1番大きな会場で、去年の6月29日から今までやってきたことすべてをぶつけられたワンマンになったと思うので、もっともっとたくさんの方に観てもらいたいという、ちょっと悔しい気持ちもありますけど、次のO-EASTへ向けてのいいステップになったなと思いました。

──何か反省点はありましたか?

石綿なこ(以下、石綿):
私個人はないですね。ワンマンで目指していた自分の目標点はちゃんと上回れたと思っていたので。お客さんの反応も、すごくよかったんじゃないかなと思ってます。

桜木こと(以下、桜木):
私はあります(笑)。みんなで高め合ってペース配分もちゃんとできていてよかったんですけど、あとでよくよく考えたら、今回は“今までの自分”を見せたような気がして。もっと“新しい自分”も見せられたらよかったかなとは思いました。

高田もも、藤田みゆ

──新しい自分というのは?

桜木:
それを今探しているところで、今回のライブの時に“あ、こんな自分もいるんだ”って気づけるようなライブになったらよかったかな、とは思いました。

──“今までの自分”っていう話がありましたけど、ほかのグループにはない”ひらがなかみやど”の特徴って、どんなものだと考えてますか?

辻:
私たちは、神宿さんの新メンバーオーディションのファイナリストっていう、悪い言い方をしたら“負け組”が集まって結成されている分、“やってやろう!”っていう気持ちが強いのが、ほかのグループにはない私たちの個性だと思います。

石綿:
オリジナル曲を3曲いただいているんですけど、この3曲は私たちにしか歌えないっていうのも、私たちの強みだなって思います。

辻ゆか

──かみやどは、オリジナル曲の歌詞でも、“逆境を乗り越えよう”とか“自分たちの色を出そう”とか、世界観がすごくありますよね。オリジナルの3曲を歌う時には、やはりカバー曲とは気持ちの入り方が変わりますか?

萩田ここ(以下、萩田):
私は違うかもしれない。普通のアイドルさんだったら、ゼロから始まったとしてもオリジナル曲が最初からあると思うんですけど、私たちは神宿さんとかのカバーから始めて、やっともらえたオリジナル曲なので、“大切な曲”っていう気持ちがすごくあります。

石綿:
子供の頃に、駄菓子屋じゃなくてトイザラスで買ってもらったオモチャって感じです(笑)。

一同:
(笑)。

石綿:
ほかの曲も大事ですけど、(オリジナル曲は)クリスマスとか大事な時にトイザラスで買ってもらったものだから“これは大事にしないと!”みたいな。

辻:
わかるわかる! (カバー曲とオリジナルで)パフォーマンス自体が変わることはないですけど、心の面ではみんなきっと違うと思う。

萩田:
私もそうですね。オリジナル曲は“私たちの歌詞”というか、私たちのことを書いてくださっていて、例えば「もういちど」は、“私たちがもう一度復帰してステージに立つ”とか、いろんな気持ちが入っているので。

藤田みゆ(以下、藤田):
「color」もそうですけど、今ある3曲全部、私たちの気持ちを書いてくださってる曲だから、ストーリー性もあって“エモい”ですよね。

石綿:
歌を聴いて“このグループの子たちは、どうしてこの曲を歌っているんだろう?”って、曲から興味を持っていただいて、私たちのグループのことを深く知っていただけたら嬉しいなと思います。

萩田ここ

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