日向坂46[ライブレポート]友情パワーで圧倒的な輝きを放った横浜の夜
Pop'n'Roll 編集部
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日向坂46が、2月4日と5日に横浜アリーナにて、現在放送中のドラマ『DASADA』(日本テレビ)とコラボした<日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW>を開催。会場には2日間でおよそ2万5千人のおひさま(日向坂46ファンの総称)が詰めかけた。本記事ではオフィシャルレポートをお届けする。
<日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW>横浜アリーナ(2020年2月4日、5日)
取材・文:大貫真之介
日向坂46の前には、けやき坂46(ひらがなけやき)の頃から数々の“逆境”が立ち塞がってきた。2017年9月の長濱ねるの兼任解除(現在は欅坂46を卒業)、2018年1月30日~2月1日の日本武道館3デイズ。そして、今回の<日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW>では、4日前に小坂菜緒の不参加が発表された。
<LIVE&FASHION SHOW>がどんな形式になるのか、そして、日向坂46はセンター不在というピンチをどう乗り越えるのか……。おひさまが注目する中、<TGC×日向坂46 SPECIAL COLLECTION>からスタート。
1部ではDASADAとTGCプロデュースのファッションで、2部ではマロニエ女学院の制服やブランド『DASADA』のアパレルグッズを身につけたメンバーが空色で縁取られたランウェイを歩く。女性ファッション誌の専属モデルを務める5人はもちろん、モデル経験が少ないメンバーも堂々とウォーキング。さらに、ドラマの主人公である佐田ゆりあ(小坂)からのメッセージ、『DASADA』の3年後を描いた映像が流れた。
ライブパートの始まりを告げる「OVERTURE」が会場に鳴り響き、おひさまが青のペンライトを振ると、メインステージに日向坂46メンバーが現れた。
1曲目は『DASADA』の主題歌にもなっている「青春の馬」。振り入れの際、TAKAHIROが主宰するカンパニーであるINFINITYによるダンスに、日向坂46メンバーは涙を流したという。彼女たちはあの時のように横アリに集ったおひさまの心を震わせることができるのか。その答えはYESだった。TAKAHIROが日向坂46以降の活躍も見守り続け、彼女たちへの想いを乗せた振り付けを、メンバーたちは力強く踊り、祝祭のような笑顔を見せた。センターに立った金村美玖は風を切るようなダンスで内に秘めた情熱を放出する。
そして、初披露となった<TGCしずおか>(1月19日)には不在だった濱岸ひよりと金村のペアダンスは、観る者の感情を揺さぶった。濱岸は昨年6月から活動を休止していたが、今回のライブで本格的に復帰。少し大人になった“ひよたん”の今後が楽しみだ。
キャプテンの佐々木久美は“こさかなの分まで頑張りますのでよろしくお願いします”と宣言。グループのために映画撮影の仕事を頑張っている小坂のためにも最高のステージを見せることを誓った。
「ドレミソラシド」はセンターの丹生明里がエアで指揮を執り、屈託のない笑顔を浮かべる。ワクワク感でいっぱいのパフォーマンスで会場を“陽”の空気で包み込んだ。「こんなに好きになっちゃっていいの?」では一転、切なさを全身で表現する日向坂46メンバー。この曲を“最初から最後までタイプ”と語ったこともあるセンターの齊藤京子が感情を込めたパフォーマンスを見せる。「川は流れる」は佐々木美玲の儚い表情が目を引いた。
MCでは、河田陽菜が地元の山口弁で“好きやけぇ。またここに来てください”と告白し、会場のおひさまをメロメロにする。
ユニットパートはひらがな時代の2期生曲を披露。「線香花火が消えるまで」は金村、富田鈴花、松田好花がどこか郷愁を感じさせるナンバーを艶っぽく歌う。会場のペンライトは緑一色になった。「割れないシャボン玉」では客席がピンクのペンライトに染まり、河田、濱岸、宮田愛萌はキュートに歌う。濱岸はしなやかなダンスを披露した。「キレイになりたい」は丹生と渡邉美穂がクールにキメる。
1期生の8人は「永遠の白線」をひらがな時代から歌い継ぐ。青春ドラマ『DASADA』とリンクするような甘酸っぱい楽曲を歌う彼女たちの姿は“初心を忘れない”という志の高さを感じさせた。
MCで「永遠の白線」を“思い入れが強い曲”と語った高本彩花は、今日のステージにはいない“永遠の1期生”である井口眞緒、柿崎芽実、影山優佳、そして、長濱ねるのポーズを入れたと明かした。
『DASADA』で渡邉が演じる篠原沙織が世界で活躍しているアイドルユニットFACTORYのパフォーマンスを観ている映像が流れると、横アリのステージにFACTORY(トックリン=河田、ぐいのみ=東村、おちょこ=松田)が降臨。3人はエレクトロサウンドの「ナゼー」で幻想的な空間を作り出し、『DASADA』の世界と現実を見事にリンクさせた。
「JOYFUL LOVE」でセンターの渡邉が“みなさん、一緒に虹を作ってください!”と呼びかけると、会場に7色の虹ができる。この虹は小坂が頑張っている場所まで架かったはずだ。
「誰よりも高く跳べ!」はメンバーたちが外周でパフォーマンス。欅坂46の有明コロシアム(2016年12月24日、25日)での「誰跳べ」を思い出したおひさまもいたことだろう。佐々木久美が“横アリ~! 跳べ~‼”と叫ぶと、会場の温度は急上昇。
齊藤が“ラストスパート、いっくぞ!”と吼え、センターステージで「NO WAR in the future」を披露。佐々木久美と濱岸によるバレエダンスの復活におひさまが沸いた。
ライブはまだ終わらない。「キュン」は、“こさかなの分まで力を合わせて頑張ります”とブログに綴った加藤がセンターに立ち、昨年のNHK『紅白歌合戦』に並ぶような最高のパフォーマンスで魅せた。加藤のレアなセリフ“かわいい♡”も炸裂。
「キツネ」のセンター河田は、可愛さと激しさが融合したダンスから全力の“コンコンコン!”でおひさまを魅了する。
本編最後は、佐々木久美が“あの言葉を叫ぶ準備はできてますか?”から4thシングル表題曲「ソンナコトナイヨ」を初披露。最初はチャーミングな振り付けでありながら、サビは超攻撃的なダンスというギャップが見もの。複雑でドラマティックなフォーメーションは振り付けを担当したCRE8BOYの面目躍如だ。
センターに立った東村はキレキレのダンスを見せつける。“おしゃべりが苦手”と公言しているが、その身体表現は雄弁だ。彼女が“ソンナコトナイヨ!”と叫んだ時、得も言われぬ感動に襲われたおひさまも多かったに違いない。
アンコール明けには小坂と生電話でつないだ。横アリのおひさまからの“こさかなー!”という大音量のコールは小坂の励みになったことだろう。
そして、“ファッション”と“ドキュメント”で日向坂46の新しい一面を知ることができる発表があった。
2月29日に開催される<第30回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2020 SPRING/ SUMMER>で『DASADA』スペシャルファッションショーが決定。3月にSHIBUYA109で『日向坂46×DASADA』SHOPが期間限定でオープン。
3月25日に『週刊プレイボーイ』での連載をまとめたノンフィクション単行本『日向坂46ストーリー』を発売。そして、グループ初のドキュメンタリー映画が3月27日に全国公開されることが決定した。
最後に“<ひなくり2020>の舞台でもある「あの場所」に懸けた想いを歌った曲”という佐々木久美の紹介から「約束の卵」を歌い、グループにとって初めての試みは大成功を収めた。
センター不在という“逆境”の中で日向坂46メンバーが見せたのは“友情パワー”だった。小坂が帰還する春のアリーナツアーでは、さらに輝きを増したステージを見せてくれることだろう。12月6日、7日に東京ドームで行われる<ひなくり2020>に向けて、日向坂46の驀進は止まらない。
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