CANDY GO!GO![ライブレポート]フルメンバー+バンドスタイルで轟かせたロックなパーティ
Pop'n'Roll 編集部
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CANDY GO!GO!が、1月28日(火)にTSUTAYA O-NESTにて<NEXT-Girl’s ONE in O-NEST>を開催した。
取材・文:長澤智典
<NEXT-Girl’s ONE in O-NEST>TSUTAYA O-NEST(2020年1月28日)
2020年6月に結成10周年を迎えるCANDY GO!GO!。彼女たちは今、“10周年”に向け打ち出したプロジェクト「10years anniversary Series-GIGS-XTRAILS」を行なっている。このプロジェクトは、過去にCANDY GO!GO!がワンマン公演を行なった会場を改めて巡り、8月15日(土)に行なう恵比寿LIQUIDROOMを舞台にした単独公演へ、その歩みを繋げようという試みだ。
同時に、CANDY GO!GO!はTSUTAYA O-NESTを舞台にしたイベント<NEXT-Girl’s ONE in O-NEST>も定期的に行ない続けている。今年より同イベントはガールズバンド色をさらに強めていく予定だそうだが、アイドル/ガールズバンドのミックススタイルはそのままに、よりCANDY GO!GO!の本質へ色濃く寄り添うイベントになりそうだ。
1月28日(火)にTSUTAYA O-NESTを舞台に行なわれた<NEXT-Girl’s ONE in O-NEST>には、バンドを従えたCANDY GO!GO!を筆頭に、Tri-sphere、POPPING EMO、Blue*NatioN、明日クラゲに刺された、道玄坂上り隊(オープニングアクト)が参加。イベントを盛り上げてくれた。
CANDY GO!GO!にとって、この日は今年最初のバックバンド付きのライブ。しかも、なぎさりんを含めたフルメンバーでのバンドステージは昨年8月以来のこと。さらにこの日は2020年最初の新曲披露の場も兼ねており、杉本莉愛がリードヴォーカルを取る「Deep Surrender」も初パフォーマンスされた。さっそく、その模様をお伝えしたい。
ヒリヒリとした演奏を突きつけるインストナンバー「before daylight」に乗せ、 ゆっくりと舞台へ姿を現したメンバーたち。そのヒリヒリとした空気を持続させながらも観客たちの身体を火照らせようと、CANDY GO!GO!はダーティなロックナンバー「ハイボールの制約」をぶつけ出す。クールな眼差しとともに野性味を帯びた姿を晒しながら、観客たちを凛々しく挑発するメンバーたち。場内に生まれたスリリングな空気が観客たちの意識を滾らせる。なぎさりんの煽りを受け、次第に声を上げ、身体を大きく揺さぶり出す観客たち。今宵のCANDY GO!GO!のライブは、とても猛々しくも野趣あふれる姿を示す様から幕を開けた。
哀愁を抱いた歌声を持って挑発してゆくなぎさりん、彼女の歌を永瀬りかが巧みにサポート。「Born to fate」を通しCANDY GO!GO!は、胸の内に内にと情熱を滾らせてゆく。哀切さを持って響くなぎさりんの抑揚した歌声に触れ、胸が張り裂けそうだ。なぎさりんと永瀬りかの歌の掛け合いが心を騒がせる。うずうずした気持ちを抱きながちも、いつしか哀愁描くロックなグルーヴに身は堕ちていた。
歌のバトンを受け取ったのが、杉本莉愛。披露したのが新曲の「Deep Surrender」だ。ザクザクとしたギターの音が鳴り響く中、挑発するように、でも斜に構えた様で歌う杉本莉愛。だが、演奏が進むごとに、いや、演奏よりも先に杉本莉愛自身の歌声のボルテージが、どんどん上がりだしていた。どこかネガティブな感情を抱きながら、その気持ちさえもぶっ飛ばす勢いで杉本莉愛が歌声をぶつけ出す。途中には、菜月アイルと磯野未来のラップも登場。不屈の闘士を、滾る想いを投げつけるように、杉本莉愛は凛々しく歌い続ける。彼女の中からふつふつと沸きだす感情をぶつけた楽曲が、ここに誕生した。
MCでは、なぎさりんが会場の雰囲気を熱くリード。やはり彼女がセンターいることで、自然と場内場の空気が一体化していく。改めて、彼女こそがCANDY GO!GO!不動のセンターであることを実感させられる。
後半を彩ったのが、ディープでダウナーな「事件File.55」。心の内に蠢く悲しみや切なさを、今にも壊れそうな心模様のままになぎさりんが歌い上げる。今にも胸張り裂けんばかりに、でも朗々と歌うなぎさりんの歌をサポートするように踊る磯野未来と永瀬りか。その姿に視線が、心が釘付けになっていた。身体を大きく揺さぶり、切なさを振り絞るように歌う。なぎさりんの孤高な姿も、哀愁を抱いた姿として見えていた。
さぁ、ここからエンジンを吹かそうか。「Fake News」を合図に、メンバーらがダイナミックなパフォーマンスを描きながら観客たちを挑発。フロア中の人たちがメンバーらの動きへ心をシンクロさせ、思い切り身体を揺らし出す。“最高の熱狂を”というなぎさりんの煽りへ想いを返すように、フロア中から沸きだす絶叫。奇跡は待っていても起きやしない。自分たちで行動を起こしてこそ初めて現場に熱が生まれ、その成果が、後に奇跡として語り継がれていく。その軌跡を、これまでに何度ライブの中へともに描いてきただろうか。こうやってライブを通し7人に煽られるたび、その奇跡をいくつだって、いつまでだって生み出していたくなる。
ライブも一気に終盤戦へ。輝く光へ向かって疾走する気持ちを熱く鼓舞するように、菜月アイルがリードボーカルを取った「Cinderella Call」が流れ出した。菜月アイルとなぎさりん二人のヴォーカリストが、騒ぐ観客たちを躍動するビートに乗せて煽り出す。メンバー自身も、ダイナマイトなボディをビートへシンクロするように激しく揺らし、挑発し続けていた。一緒に熱狂の中へ飛び込んでいけ。その歌声が、演奏が、気持ちの限界を忘れさせ、熱狂の先にある興奮や恍惚へと導いていく。滾る感情を、もっともっと沸き立たせてくれ。放熱した感情をすべて解き放たなければ熱は治まらない。
最後にCANDY GO!GO!は、最新シングル曲「The last of days」で会場をブースト。磯野未来が観客たちを煽れば、なぎさりんが優しく熱狂を抱きしめる。歌の鞭と蜜を巧みに駆使しながら、騒ぐ観客たちを絶頂へ導くように調教していくメンバーたち。フロア中から響く熱した声こそが、最高のBGMだ。間奏ではなぎさりんと夏井さらがダンスも披露。今宵もCANDY GO!GO!は、胸にしっかりとメッセージを刻みながら、火照った感情が覚めることのないロックなパーティを描き出していった。