あゆみくりかまき[ライブレポート]ハッピーでロックに彩ったクリスマスパーティ「みんなのその笑顔、ずっと守っていく!」

あゆみくりかまき[ライブレポート]ハッピーでロックに彩ったクリスマスパーティ「みんなのその笑顔、ずっと守っていく!」

冬将軍

音楽ものかき

2019.12.20
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あゆみくりかまきが、12月15日(日)に渋谷O-WESTにて<あゆみクリパまき2019>を開催した。今回はワンマンライブ形式となった本公演では、通常のライブパフォーマンスを中心に、アコースティックコーナーやコントコーナーなどを盛り込むなど、その名のとおり“クリスマスパーティ”感のあるバラエティに富んだ内容となった。ファンとともに多幸感溢れる空間を作り上げた<あゆみクリパまき2019>の模様をお伝えしたい。

撮影:MAO

ただただ、楽しいライブを大切な人に観てほしい

“合言葉は「ハッピーロック」にしたい——”

この日、まきが何度も口にした言葉。あゆみくりかまきの一足早いクリスマスパーティは、そんな言葉通りの、笑いあり、涙ありのハッピーでロックな空間を創り上げた。

<あゆみクリパまき>と題された恒例のイベント、今年はワンマンライブ形式である。大阪公演を盛況に収めて迎えた東京公演。12月15日の渋谷O-WESTはソールドアウト。フロアいっぱいのまたぎ(あゆみくりかまきファンの愛称)の中には、サンタ帽を被ったり、あゆくまのアーティスト写真を意識したスキー帽にゴーグル姿も見受けられ、クリスマスパーティらしくカラフルな出で立ちで、この特別なライブの開演を待ち構える。

定刻を少しばかり過ぎると、鈴の音とともに赤と白の衣装を纏ったくりかが現れる。白い衣を翻しながら、ステージ中央のクリスマス仕様に彩られたターンテーブルに身構えた。くまのマスコット、“もっくん”もサンタの衣装を粧し込んで気合い充分だ。

“あゆくま、やったんでーー!!”

あゆみ、くりか、まき、3人がステージに並ぶと、いつも以上に声高らかな掛け声でパーティはスタートした。初っ端から伸びやかな歌声を響かせる「アナログマガール ’18」だ。

ステージ上をところ狭しと駆けながら歌う3人に、またぎも負けじと全力で応えていく。印象的なギターリフで始まった「WAR CRY」では、“かかってこいやー!”とまきが叫ぶと、フロアの声はさらに高まっていき、間髪入れずにパンクチューン「残像フラッシュバック」を畳み掛ける。一心不乱に腕を上げ、頭が揺れ動くフロアの光景をまきは満足そうに眺めながら“あの時みたO-WESTを忘れない”と歌い上げた。

あゆみくりかまき<あゆみクリパまき2019>渋谷O-WEST(2019年12月15日)

“関東の人は“ケンタ”って言うんやろ? 私たち、神戸なんですけど、「ケンタッキー」って言うんですよっ!”

クリスマスらしく、ケータリングにケンタッキーがあったというまきの話から関東と関西の違いについて盛り上がり、次第にクリスマスから脱線していく自由気ままなトークも彼女たちらしいところ。そんなほのぼのとした雰囲気とは打って変わって、アコースティックのセクションは、あゆくまのヴォーカルグループとしての魅力を見せつけた一幕だった。

大阪公演は緊張して臨んだというこのセクション。この日も緊張からかスタンドのホルダーにマイクがなかなかハマらないという、あゆみの茶目っ気あるトラブルが会場を和ませた。だが、ギタリストの小金坂栄造による優しいアコースティックギターのアルペジオが爪弾かれると一変。真剣な眼差しへ変わった“歌うたい”のあゆみが、誰もが聴き慣れたメロディを歌い出す。「Silent Night(きよしこの夜)」だ。その澄んだ歌声の独唱から3人による「SUGOROKU」へ。スタンドマイクを前に歌だけに徹する3人の姿は新鮮で。その清らかな歌声に会場全体が心酔した。小気味良いギターのストロークに合わせ、「蜜蜜蜜」を冬を通り越した春風のごとく朗らかに歌い上げると、彼女たちからの少し早いクリスマスプレゼントとして、クリスマスメドレー(恋人はサンタクロース〜クリスマス・イヴ)が届けられた。

あゆみくりかまき<あゆみクリパまき2019>渋谷O-WEST(2019年12月15日)

メロコアナンバー「HAVE A NICE DAY,世界」で始まった後半戦はライブアイドルとしてのあゆくまの真骨頂。フロアともども右や左やの大騒ぎの「ゴマスリッパー」での、またぎの熱量を身体中に受けながらさらに扇動していくライブ運びは見事。“年末ジャンボ当たれー!”と、どさくさに紛れたまきの叫びとともに、あゆくまの強さをこれでもかというほど魅せつける。あゆみの歌心ある鋭い歌声と、普段はおっとりとしたくりかが歌で見せるリズムと勘の良さ、まきはグループと音楽に対する健気さと実直な人間性がそのまま真っ直ぐな歌に表れている。その名の通りのキラーチューン「KILLLA TUNE」、3人のツーステが乱れ打った「クマトナデシコ'19 」でまきのサイドキックが華麗にキマる。「ジェットクマスター 」で会場全体が“全身全霊 最高潮!”となった。

“「良いライブ」ってなんやろな? 自分の中の100点がみんなにとっての100点じゃないかもしれない……”まきが口開く。だから、あゆくまは良いライブはしないと、ただただ、楽しいライブを大切な人に観てほしいと。それが7年やってきたからこその答えなんだと。だからこそ、みんなとの合言葉はハッピーロックにしたいんだ、と。

“いろんなとこ(ほかのアイドル)行ってもええよ、……ええけど、帰ってこいよ!”そう言って始まったのは、会いたい、伝えたい気持ちが抑えきれないラブソング「MILLION」。“一生あゆくまについて来いやー! 誰も置いていかへんから”間奏で叫んだ、まきのその言葉が大きく響いた。

本編ラストは“一緒に明るい未来にいきましょう!”と、「未来トレイル」。この日、ステージ上の3人とフロアのまたぎが一体となる場面は何度もあったが、本当の意味で“1つ”になり、さらなる高みを目指していく未来が見えた気がした。

あゆみくりかまき<あゆみクリパまき2019>渋谷O-WEST(2019年12月15日)

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