【連載】沖口優奈×ファッションバイヤーMB(後編)「他人の人生に関わることができるのが仕事のやりがい」

【連載】沖口優奈×ファッションバイヤーMB(後編)「他人の人生に関わることができるのが仕事のやりがい」 マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第9回:ファッションバイヤーMB(後編)

沖口 優奈(マジカル・パンチライン)

Pop'n'Roll Chief Discovery Officer

2019.12.04
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マジカル・パンチラインのリーダー沖口優奈とファッションバイヤーMB氏によるリーダー対談の後編。今回は、MB氏が感じる仕事のやりがいやSNS活用術、またファッションの心得などに沖口が迫った。今回、MB氏が語った言葉の数々に終始感銘を受けていた沖口。ジャンルは異なるものの、ともに多くの人に影響を与える立場の2人の対談は、リーダーというテーマを超えて、仕事や生きることについて深く語り合う意義の深い場となった。

撮影:中島たくみ

マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第9回:ファッションバイヤーMB

興味関心の枠をあえて縮めて深く刺さるようにしている(MB)

沖口:
MBさんはいろいろな事業をやっていますが、やりがいを感じる瞬間はありますか?

MB:
どの仕事もやりがいは感じているんですけど、1つ挙げるとすれば、人と直接会う時かな。トークショーなどで読者の方にお会いすることがあるんですけど、100人ほどお客さんが集まってくださった中で、3人くらいは泣いているんですよ。ビックリしますね。僕の読者は20代後半から40代の男性が多いんですけど、その年代の男性が泣くことって、そうそうないと思うんです。 “人生が変わりました”、“生き方が変わりました”なんて言って泣いていて、“えっ? 泣くの!?”なんてツッコみを入れつつも、すごくありがたいことだなと。そんな風に他人の人生に関わることができたというのは、自分の誇りだなと思います。それは、やっぱり自分の儲けや事業の利益に焦点を当てず、社会のためにという気持ちで続けてきたからだと思うし、これからもその気持ちでやっていかなくちゃいけないなと改めて思いますね。自分が鼓舞されるタイミングだったりもするので、やっぱり、そういう時が仕事をしていてやりがいを感じる瞬間でしょうね。

沖口優奈(マジカル・パンチライン)、MB

沖口:
実はこれが1番お聞きしたいことなんですけど、私もSNSをやっているですが、文章を書くのがすごく苦手なんです。どんな風に書いたら人に読んでもらえるんだろう、どんな風に書いたら伝わるんだろうって、いつも悩んでいて。MBさんは、文章を書く時に心がけていることはありますか?

MB:
お役に立てるかどうかわからないですけど、文章って伝えなくてはいけないものなので難しく考えてしまいがちなんですね。だから、しゃべっている感覚で書くといいと思います。しゃべる時って、誰でも論理的に説明しているんですよ。例えば“あそこの服が好き”って言うと、“なぜ?”ってことになるじゃないですか。そうすると“こういう理由で好きなんだ”って、誰でも普通に説明しているんですよ。それを文章にしようとすると、構えてしまうというか、難しくしてしまうんですよね。僕は、文章が出てこない時は“テレコ(テープレコーダー)”を回します。書こうとしているテーマについてしゃべってみて、それを文字起こししてみると、ちゃんと文章になっていたりするんです。そういう風にすれば、書けないことがなくなると思いますよ。それに、しゃべる言葉を文章にした方が、人に伝わる文章になるんですよね。文章と言葉を、僕らは頭の中で勝手に線引きして、違うもののように考えてしまいますけど、しゃべると伝えたいことの軸が出てくるんです。あとは、それを文章としてちょっと整えてあげればいい。

沖口:
私も考えすぎてしまって、いつも使わないような言葉を書いてしまったりするんですよね。あとから読み返すと、私、こんな口調じゃないよなって(笑)。1度、声に出してから文章を書いてみます!

MB:
オススメします。僕の著書で書いてあることって、たいていセミナーやトークショーで話したことなんです。それを文字に起こしているんで、話口調になっているところも多いんですよ。

沖口:
だからこそ、読みやすくて、心にすっと入ってくる気がしました。1対1でお話ししている感覚になりました。“あ、これは私に向かって言っているんだな”って。私、文章を読む時に2回は読み直さないと内容が入ってこないんですけど、MBさんの本は1回読んですぐに入ってきました。

MB:
それは嬉しいです。文章としての完成度という意味では、それほど高いものではないと思いますが、読者に伝わればいいので読みやすい方がいいですよね。

沖口優奈(マジカル・パンチライン)

沖口:
著書の中で“SNSの炎上商法は使いたくない”って書かれていましたよね。SNSを使う時に、心がけていることはありますか? どういうスタンスでSNSを活用しているんでしょうか?

MB:
僕はSNSをあまり使っていないんですし、SNSを通して集客はしていません。僕の書籍は100万部売れているんですが、SNSのフォロワーは2万人ほど。そんなバランスなんで、実はSNSのことは意識していないんです。気が向いた時に好きなことをつぶやいています。どうしようもない下ネタとか、これを読んでも何にもならないようなダジャレとか(笑)。だから、たまに“乗っ取られてますよ!”って言われるんです(笑)。“あ、いや、それ僕なんです”って。どうも僕は怖い人というか真面目な人だと思われているみたいで(苦笑)。そう思っている人がSNSを見ると、“乗っ取りだ”と思ってしまうみたいです。

沖口:
実は私もお会いするまで、そうなのかなと思っていました(笑)。でも、SNSでそういう素の部分が見えるとファンの方は嬉しいですよね。

MB:
でも、僕は普通のおっさんなので、僕の素が見えてもねえ(笑)。アイドルや芸能人の方なら、SNSでそういう部分が見えるのもいいんでしょうけど。

沖口:
MBさんとしては、SNSはあくまでも趣味程度に使っているんですね。

MB:
ただ、集客に使いたいと思っていた時期もあって、つぶやく方向を正したことがあったんです。その時はフォロワー数がグッと増えました。このアカウントがどんなものなのか、明確に定義づけできていると、多くの人が集まるようになるんです。例えば、僕なら“ファッションの豆知識”をバンバン投稿するとかね。そうすると、ファッションが好きな人がフォローしてくれやすくなりますよね。ファッションに関心があるアカウントだってことが明確だから。ところが僕が、今日はファッション、次の日はビジネス、時には“今日はカレーを食べました”みたいなことをつぶやいていると、ターゲットがブレていて、フォローしづらいですよね。なので、どこにターゲットをしぼって、どんな投稿を多くするのかを考えれば、フォロワーは増えていくんじゃないでしょうか。僕のブログやYouTubeチャンネルは基本的にそういう構造にしていて、興味関心の枠をあえて縮めて深く刺さるようにして、そこを求めている人を集める、そんな意識でやっています。まあ、正直、SNSはそれほど好きではないので、SNSに関しては頑張らなくてもいいかなと思って、今は気が向いた時につぶやく程度なんですけど。

MB

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