元アンジュルム・和田彩花[ライブレポート]ソロ初ステージで見せた新たなる表現の可能性「感覚としては自分にどんどん近づいていってる」
Pop'n'Roll 編集部
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今年6月18日にアンジュルムを卒業した和田彩花が、10月20日(日)に東京・多摩センターで開催されたカルチャーフェス<NEWTOWN 2019>にてソロでの初パフォーマンスを行なった。和田は、自身が作詞したオリジナル楽曲を歌唱。また、シカゴ在住のアーティストSen Morimotoとのコラボで、バンドサウンドとともにポエトリーリーディングを披露した。
和田彩花<NEWTOWN 2019>|東京・多摩センター(2019年10月20日)
暗転した会場が大きな拍手に包まれると、薄ピンク色のコーデュロイのワイシャツに黒のパンツというシンプルなスタイルの和田がステージに登場。
マイクスタンドの前に立った彼女は、気鋭の映像&音楽クリエイター・VIDEOTAPEMUSICが手がける色彩豊かな映像がステージを彩る中、自らが歌詞を書いたオリジナル楽曲「この気持ちの行く先に」(仮称)を披露する。穏やかさから徐々にエモーショナルになっていくナンバーを、和田は歌とポエトリーリーディングを織り交ぜ歌唱。間奏では、しなやかさと力強さを合わせ持つダンスで魅せる。“言葉を紡ぎ 未来を掴むこの手で あなたの気持ちの先にあるものは何”“同じ人間として生きていきたい”と歌われる歌詞からは、1人ひとりの意思を尊重して未来を作っていきたいという彼女の想いが伝わってきた。和田は、今の自分の持つ想いを解放するように、楽曲の世界観を全身で力いっぱい表現した。
曲を歌い終え観客から大きな拍手が送られると、和田は引き締まった表情から一気に笑顔になって“みなさんこんにちわ、和田彩花です。ちょっと緊張しました(笑)。私はちょっと前までグループにいて、卒業して1人で音楽で表現するってことを始めて、今日が初めてのステージだったんです”と話を進めていく。“今日披露した曲の仮タイトルは、「この気持ちの行く先に」です。あと、YouTubeで公開したフランス語の曲「Une idole」もあって、そのほかにもまだまだ曲は作っています。もっともっと私の音楽を聴きたいと思ってくれた方は、ぜひ私のSNSをフォローしてください。最新情報がわかると思います”とアピールした。
Sen Morimotoとバンドメンバーがステージに揃うと、“今日、コラボさせていただくSenさんです”と和田が紹介。フリージャズとヒップホップを融合したメロディアスな楽曲で注目を集めるSen Morimotoは、ジャパンツアーを開催する。MC中に、10月24日に代官山UNITで開催する彼のライブに和田がゲスト出演することが発表された。
MCから自然に流れるように、ノートを持った和田は、Sen Morimotoの奏でるメランコリックなエレクトリックピアノのサウンドに乗せてポエトリーリーディングを始める。人と人の受け取り方の違いや“感情を超えたその先を見てみたい”という言葉を優しい口調で語っていく彼女。ポエトリーリーディングを終えた和田は、凛とした佇まいで深くお辞儀。大きな拍手に包まれる会場に向かって、彼女はにこやかな微笑みを浮かべステージをあとにした。
終演後インタビュー
短い時間ながらも充実のステージを見せてくれた和田彩花。ソロでの初のステージを終えたばかりの彼女にコメントをもらった。
まず、ライブを終えての感想を尋ねると、“緊張しました。でもそれだけじゃなかったですね。やっぱり曲も言葉も早くみなさんに届けたかったので、それができて嬉しかったです。でも、ステージの出来に関してはどうだったかな(笑)。そこは自分を振り返り、反省し、次に活かしたいと思います”と語った。
アンジュルム時代とはがらりと違う状況でのパフォーマンスについて聞いたところ、“私の中で変化はないんです”という意外な答えが返ってきた。“もちろんステージにいるのが1人だから、緊張してもみんながいる!って思えないことは寂しかったですよ。でも、感覚としてはむしろ自分にどんどん近づいていってるから、心地よかったです”と述べた。
披露した2曲には込めたられた想いについては、“「この気持ちの行く先に」は、未来に関する願いとか祈りとかが歌われてるんです。私の思うこともポエトリーリーディングの部分で語っていて、そのあとにみなさんの気持ちを教えてほしいって言ってるんです。それは私に同調するとかじゃなく、いろんな声として教えてほしいなと思うからなんですよ。そういうみなさんの声を、この曲を通じて聴けたらと思います。あと、Senさんとコラボしたポエトリーリーディングでは、小さな意見や表現とかをみんなで守っていきたいなって想いを言葉にして語りました”と答えた。
彼女は、この日のステージを終えて今後の新たな展望が見えてきたという。“先ほど、自分の感覚に近いところに来たって言ったじゃないですか。だからこそ、自分はどんな表現を持ってるのかな? 自分はどうしたらいいのかな?ってすごく考えさせられたんです。私はこれまで、がっつり踊って歌うってパフォーマンスをやっていくぞって想像をしてたんですけど、今日マイクスタンドを使ってステージをやってみたり、Sen Morimotoさんのライブを観たりして、なんかいろいろ見えてきました。私は踊りも好きだけど、それだけじゃない表現がもうちょっとできそうだなって。そこは自分で探ってみたいです”と、今後のステージングへの意欲を口にした。
初ステージでいい刺激をもらった彼女は、“今はすごくワクワクしてます。でも、これからどぎつい表現の歌詞も出てくるかもしれないですけど(笑)、それもみなさんに楽しんでもらえたらいいなと思います”と、これからの和田彩花について語った。
既存の概念にとらわれず自分の意思をしっかりと持ち、アイドルとして新たな道を切り拓いていこうとする和田彩花。果たして彼女が、どんな音楽や表現を見せてくれるのか楽しみに待とう。