【イベントレポート】山本彩、布袋寅泰、椎名林檎らがボーダレスに音楽でつながった<日比谷音楽祭>
Pop'n'Roll 編集部
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音楽プロデューサー・亀田誠治が、“無料”のフリー、“楽しみ方の自由”のフリー、“さまざまなボーダーからの解放”のフリーを掲げ、6月1、2日に初めて開催した<日比谷音楽祭>。メインステージとなる日比谷野外大音楽堂「YAON」には、ジャンルや世代、国境、障がいの有無、経済格差など、さまざまなボーダーを超えて音楽でつながるという想いに共感したアーティストが多数参加した。
初日となる<Hibiya Dream Session1>のオープニングを任されたのは、国内の小中学校でのワークショップからニューヨークのアポロシアターまで、さまざまな場所で歌う喜びを伝えるゴスペルグループ・THE SOULMATICS with TSM GOSPEL ENSEMBLE。この日のために結成されたホストバンド・The Music Park Orchestraのメンバーは実行委員長の亀田誠治(ベース)を筆頭に、佐橋佳幸(ギター)、斎藤有太(キーボード)、河村"カースケ"智康(ドラム)、皆川真人(キーボード)という日本を代表するトップミュージシャンで、亀田の盟友たち。オープニングを飾るにふさわしい、素晴らしいサウンドと歌声によるシカゴの名曲「Saturday in the park」が鳴り響き、自然と観客席から手拍子が沸き起こった。
サプライズで登場した小池百合子東京都知事によって開会宣言がなされ、いよいよいまだかつてない音楽フェスの幕は上がった。音楽で緩やかにつながった開放的なムードが溢れる中、トップバッターを務めたのは、ソロ活動15周年を迎えたKREVA。会場のリラックスした空気感と呼応するように「イッサイガッサイ~2019Ver.~」を心地よいリズムに乗せて披露。「Na Na Na ~2019 Ver.~」では、オーディエンスを巻き込んで“Na Na Na”の大合唱となり、会場は親密な空気に覆われた。
続いて、NMB48を卒業しソロのアーティストとして踏み出した山本彩が登場。ギターをかき鳴らしながら歌う姿は凛として、野音に咲いた一輪の花のようだ。自らがセンターを務めたヒット曲「365日の紙飛行機」では、立教大学の学生手話サークル『HandShape』による手話歌も交えてボーダーレスに音楽を楽しめる姿勢を示した。
夜の帳も降りる頃、ぐっと大人のムードに誘ってくれたのはJUJUだ。亀田と組んだヒット曲「やさしさで溢れるように」を切なく歌い上げたばかりか、ミッキー吉野&タケカワ ユキヒデとともに「MONKEY MAGIC」をセクシーに歌唱し観客を魅了した。
初日はいよいよクライマックスへ。「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」の重厚かつキャッチーなギターリフが響き渡り、一気にロックな世界へと引きずり込まれた。世界的ギタリストでロックレジェンド、布袋寅泰の力強い演奏に会場の熱気もさらに高まった。亀田への敬愛を表してのことだろう、英国に長年住まう紳士らしくスーツ姿で登壇するあたりも心憎い。
そこへ石川さゆりが合流し、会場はさらに熱を帯びた。昨年末の『紅白歌合戦』でも布袋と石川の共演が話題をさらったが、そんな幸運を目の当たりにできるのも<日比谷音楽祭>ならでは。日本の伝統音楽とロック、演歌が垣根を超えて混ざり合った「天城越え」は圧巻だった。民謡をアレンジした「ソーラン節」では、観客全員も“どっこいしょ”の掛け声で応戦。笑顔溢れる中、フィナーレを迎えた。
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