Ⓒ斉木久美子・白泉社「かげきしょうじょ!!」製作委員会/Ⓒ舞台「かげきしょうじょ!!」製作委員会2023

志田音々、二瓶有加、佐藤日向、青山なぎさ、新谷姫加ら出演舞台<かげきしょうじょ!!>開幕!

Pop'n'Roll 編集部

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2023.10.19
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舞台<かげきしょうじょ!!>が、10月18日(水)にこくみん共済coopホールにて開幕した。

舞台<かげきしょうじょ!!>こくみん共済coopホール(2023年10月18日)

舞台<かげきしょうじょ!!>の原作は、斉木久美子が白泉社『MELODY』にて連載中で、2021年にはTVアニメ化も果たした青春スポ根ミュージカル漫画。女性のみで構成される“紅華歌劇団”の人材育成を目的とした紅華歌劇音楽学校を舞台に、“第100期生”である10代の少女たちが未来のスターを目指してひたむきに奮闘・葛藤する姿を描く。

今回の舞台<かげきしょうじょ!!>では、天真爛漫な長身の少女・渡辺さらさ役を志田音々。周囲に関心のない“元”国民的アイドル・奈良田愛役を二瓶有加。“第100期生”の委員長・杉本紗和役を佐藤日向。紅華歌劇団家系のサラブレッド・星野薫役を新谷姫加。高い歌唱力を持ちながらも自分に自信がない内気な少女・山田彩子役を佐々木李子。姉妹揃って入学した双子の姉・沢田千夏役を髙橋果鈴。双子の妹・沢田千秋役を和泉風花。愛の指導を担当する“第99期生”の先輩・野島聖役を青山なぎさ。さらさの指導を担当する先輩・中山リサ役を石井陽菜。第99期生の委員長・竹井朋美役を深沢萌華が演じる。

開演後にくり広げられるのは、紅華歌劇音楽学校の合格発表シーンだ。狭き門を通過した100期生の少女達が登場すると、アニメ版でも使用されている楽曲「星のオーケストラ」にあわせて、それぞれの特徴を印象付ける様なダンスでオープニングを飾った。

同作では、『かげきしょうじょ!!』のテーマである“ミュージカル”のエッセンスが要所に盛り込まれており、99期生の指導のもと100期生が掃除に励むシーンでは、まるでニューヨーク・オフ・ブロードウェイのロングラン公演<STOMP>を彷彿とさせるような、ほうきやバケツといった掃除道具を使ったパフォーマンスを見せる。

また、予行練習期間の最終日の場面では、声優・若本規夫がアニメ版と同じく自衛官の穴井一尉役として声の出演。講師陣からメタな台詞も飛び出し、客席から笑い声が上がる。本舞台では、このシーンのほかにも、さらさの“アニメ好き”という設定を強めて、アニメパロディネタが随所に取り込まれているのも印象的だ。

そして、漫画を原作とするいわゆる“2.5次元舞台”でもっとも重視されるのが“いかにキャラクターに寄せられているか”だが、その点でも抜かりはない。同作で最も“2.5次元”的なキャラクターは、“オスカルさまに憧れる天真爛漫な長身少女”のさらさだが、演じる志田は共演者から“ナチュラルボーンさらさ”と評されるほど。実際の志田は、さらさよりも身長が低いが、スラリと伸びた手足から受ける印象はさらさそのもの。そして大きな瞳と、その身に纏ったオーラが天真爛漫さを体現しており、学校生活で一喜一憂する彼女を見ているだけで観客を飽きさせない、目が離せない存在となっていた。

愛役の二瓶は、囲み取材で“今まで人に見せてこなかった「陰の部分」を、愛ちゃんを通じて出せるようになった”と語っていたが、“能面”と揶揄されるほどの無表情に隠された感情を見事に表現。特に“負の感情”での愛とのシンクロを強く感じ、怒りや悲しみを爆発させるシーンが印象深い。

委員長・紗和は、演じる佐藤自身が囲み取材で“優等生なんですが、作中で先生から指摘されることは一度もなく、一方で褒められる描写も1度もない”と語ったように、アニメ版と同じく、今回大きくスポットが当たるシーンはない。しかし、舞台経験豊富な佐藤だからこそ醸し出る安定感が、100期生たちの頼れる存在であることに説得力を持たせており、全編を通して彼女たちをリードする働きを見せていた。時折見せる“紅華オタク”な一面も非常に愛らしい。

彩子役は、アニメ版でも同キャラクターを演じた佐々木。アニメでも、学校生活で自信をなくしてしまった彩子と小野寺先生のシーン、そして彩子が歌う「My Sunset」のシーンで涙を流したファンは多いだろう。その屈指の名場面が、今まさに佐々木の生の芝居と歌声で表現され、客席から拍手が巻き起こった。

このほか、ステージのみならず客席通路も使って芝居やパフォーマンスがくり広げられ、紅華乙女たちの物語は、約2時間30分の2幕制で展開。最後には、エンディング「星の旅人」が流れてキャスト総出で華麗にパフォーマンスし、幕は下りた。

舞台<かげきしょうじょ!!>こくみん共済coopホール(2023年10月18日)(©️斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会 ©️舞台「かげきしょうじょ!!」製作委員会2023)

コメント

志田音々(渡辺さらさ役):
初日を迎えることができて、大変嬉しいです。私は4年ぶりとなる2回目の舞台出演で、初めての座長だったのですが、みんなに支えてもらって、本当に紅華歌劇音楽学校の少女たちのようにお互い切磋琢磨して過ごした、長い長い1ヵ月間の稽古でした。この1ヵ月、原作漫画とアニメをリスペクトしつつ、自分なりの感性で、舞台ならではの“生きている人間らしさ”を突き詰めてお稽古してきました。いざ本番を迎えて、お客さまの前で、稽古通りにできるだろうかという不安もありますが、そのリアルな感情も乗せてお芝居していきたいと思っています。稽古期間で培われた私達カンパニーの絆や空気感を、みなさまと一緒に共有できたら嬉しいです。劇場でお待ちしております。

二瓶有加(奈良田愛役):
今日が初日ですが、稽古期間に本当にいろいろなことがあったんで、早かったような長かったような……という気持ちです。音々ちゃんは“みんなに助けられた”って言ってますけど、私自身は音々ちゃんの“ナチュラルボーンさらさ”な明るさにいつも救われていました。自分と愛ちゃんは最初一致するところが全然なくてすごく不安に感じていましたが、稽古を続けているうちに、今まで人に見せてこなかった“陰の部分”を、愛ちゃんを通じて出せるようになりました。今回私の新たな一面をお見せできるんじゃないかと思っています。千秋楽までカンパニーみんなで力を合わせて突っ走っていきますので、よろしくお願いします。

佐藤日向(杉本紗和役):
『かげきしょうじょ!!』が、アニメに続いて舞台化され、遂に紅華歌劇音楽学校の世界をリアルに体験できる日が来ました。紗和ちゃんは委員長を務める優等生なんですが、作中で先生から何か指摘されることは一度もなく、一方で褒められる描写も1度もなくて。首席合格だからできて当然だと思われているんでしょうけど、私もあまり褒められない人生だったので、そういう部分を共感しながら“一緒に頑張ろうね!”という気持ちです。あと、今回の髪型はウィッグではなく自分で地毛を結んでいるんですが、メイクのときにいつも“紗和も毎朝こうやって髪を結んでいるのかな”と、彼女とのリンクを感じています。舞台という形で立体的に表現された紅華の世界を、みなさんも先生や生徒になった気持ちで観てもらえたらと思います。よろしくお願いします。

佐々木李子(山田彩子役):
キャストとスタッフの全員が力を合わせて、お稽古をして、初日迎えることができました。私は彩子ちゃんと同じで歌も大好きなんですが、心を開くのが苦手で外から見守る側になってしまうところも似ていて。実際、お稽古始まってからもちょっと緊張しながらみんなの輪を眺めていたのですが、みんながすごく優しく迎えてくれたので、よりリアルに彩子ちゃんの気持ちを感じることができました。お稽古の時も、毎回すごく役に感情移入していたので、本番でも彩子ちゃんの気持ちになって大切に演じていきたいです。これで完成じゃなく、毎日毎日進化し続ける舞台<かげきしょうじょ!!>にしていきたいと思っております。

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