しろもん[ライブレポート]躍動感のあるパフォーマンスで大きな成長を見せた2ndワンマンライブ
Pop'n'Roll 編集部
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しろもんが、本日11月9日(水)に新宿BLAZEにて2ndワンマンライブ<白い恋人たち>を開催した。本記事ではオフィシャルレポートをお届けする。
しろもん2ndワンマンライブ<白い恋人たち>新宿BLAZE(2022年11月9日)
取材&文:石山喜将
撮影:ワタナベタイシ
しろもんは、『アイドル育成プロジェクト』と題したプロジェクト発のグループで、アイドル未経験の子たちが、一人前のアイドルになるための必須なスキルを習得することからスタート。グループ名は“White Monster”が由来となっており、清純、正統派アイドルならではの”白”色と、伸びしろの”しろ”、アイドル未経験という何色にも染まっていない真っ白の”白”、アイドルの門を潜ることの”もん”という意味合いを含んでいる。
グループ結成以降は数多くのイベントを経験し、アイドルとして必須のスキルを身につけ、3月にSpotify O-WESTにて”0th”ワンマンライブと題した公演で正式デビュー。若槻彩香、小野田澪の2名を加え、5月には渋谷ストリームホールにて1stワンマンライブを実施。そして、新宿BLAZEでの2ndワンマンライブの日を迎えた。
この約1年4ヵ月間、彼女たちは歓喜も苦悩も経験してきた。アイドル活動をする上での大変さ、壁にもぶつかった。同時にメンバー同士が喜びを感じる時もあった。その中で生まれた8人の”絆”。しろもん8人の仲のよさを、知っている人は多い。
2023年1月には高瀬絵理の卒業が決まっている。これまでのしろもんの歳月と、この8人の集大成として、この2ndワンマンライブに臨んだ。
この日は秋晴れというべき天候で、日も出てて暖かく、非常にライブ日和だった。現体制最後のワンマンライブをしかと目に焼きつけようと、新宿BLAZEには多くのファンが集まった。
開演時間になり、会場の照明が暗くなると、オープニングムービーがスクリーンに流れた。オシャレなBGMの中、しろもんらしい白のスタジオに日が差し、メンバーの衣装のスカートなどが映し出されたあと、メンバーの顔写真とテロップが表示された。
爽やかで綺麗な音色のしろもんお馴染みのSEに合わせて、閉じていた幕が開き、メンバー1人ひとりがゆっくりと登場。この2ndワンマンライブではマスク着用で声出し可能であったため、メンバーが登場してから、大きな歓声が上がった。
2ndワンマンライブは、キュートで温かい雰囲気を持つ「わずらわしいきもち」で幕明け。しろもんの正統派ならではのこの王道アイドルソングを、華麗なダンスで合わせて一気に魅了していく。
続いて、甘酸っぱい恋愛青春ソング「Love addiction」を、メリハリのあるダンスでしっかりと表現して、会場をしろもんらしく温かい空気に変えた。「ダイスキのトリコ」では、大きくステップを踏みながら、左右に手足を振ってノリノリな様子を見せた。そして、そのラブリーさで、タイトルのとおり、多くのオーディエンスを“虜”にしていた。
最初のMCでは自己紹介を行なうと、それぞれで熱い歓声が響いた。
続いてのブロックは夏曲をメインに届けた。まずは、ジャンプをしてヒートアップさせるナンバー「とびきりSummerJump!」を披露。サビでは、タオルを大きく振り回して、一体感も生んだ。アクティブに歌い踊りながら、個性をも輝かせていく8人。このパフォーマンスに大いに盛り上がる会場。続く「瞬間☆サマーデイズ」でも、勢いのあるエネルギッシュなパフォーマンスを展開。時に見せる可憐な姿も、しろもんの魅力だ。
「サマートライアングル」は、夏の夜空の大三角形を恋愛関係に比喩したナンバー。流動的なパフォーマンスに合わせて、指で三角(トライアングル)を作る振りが印象的である。情景が浮かびやすい楽曲に対して、ダンスで存分に世界観を表現し、オーディエンスをさらに魅了していった。
次は、プレデビューライブから歌い続けている”清涼感”あふれる楽曲「ハニカミソーダ」へ。8人は高い連携を見せ、シンクロしていく。品がありつつも、”夏ブロック”らしい熱いステージングに、会場はさらなる熱気を帯びていた。
MCを挟み、まだまだ攻めていくしろもんの8人。次のブロックでは、盛り上がり必至のアッパーチューンの数々を並べた。まずは、独特なメロディと気持ちのよいリズムを聴かせる「ドンと恋っ!」。“Hey!”と掛け声をして、観客とコンタクトを取って、盛大に盛り上げていった。何よりメンバーの愉しげで、弾けたパフォーマンスが非常に印象的だった。「君とトゥマシェリ」ではお祭りを思わせるようなサウンドをバックに躍動しながら、可愛さを際立させていた。
次は、事前に告知されていた新曲「思い立ったがFEVER」を披露。勢いがあるサウンドに対して、くるくるとサークルになって回ったり、激しく手を振ったりと活力のあるステージングを展開していく。エネルギーを漲らせて、サビでは大きく手を上で振って、ノリノリになるメンバー。新曲にも関わらず、このアッパーチューンで大きく気持ちを昂らせていく観客。愉しさとパワフルを兼ね備えたこのナンバーが、今後どのように成長していくか、非常に楽しみだ。
本編最後は、ロック調のキラーチューン「愛して」。改めて気合いを入れるように、湖東さとのがイントロで叫びに近い煽りを行なった。“愛して”という強い想いを、熱い歌唱・ダンスで解き放っていった。メンバーは最後の最後まで、身体を揺らしながら歌唱して、会場の熱量をさらに高めた。そんなしろもんの姿にたくましさを感じた。
本編を終えると、会場から大きなアンコールが起こった。時間を置いて、会場に音が流れる。アンコール1曲目は人気曲の「ジグソーパズル」。再びしろもんらしくキュートさを魅せる。本編の熱が冷めない中で、さらに盛り上がっていくファン。そんなファンの熱い反応が、これまでのしろもんの歩んだ道の成果に思える。
MCでは、2023年4月9日(日)に名古屋 VERSUS 東海ホール、5月21日(日)に大阪 Live House ANIMA、日程未定の東京ファイナル(近日発表)という初の東名阪ツアーと、6月7日(水)にSpotify O-EASTに3rdワンマンライブを開催することを発表。
藤崎葵は、“しろもんは今年、初めて遠征をさせていただいて、念願のツアーだったので、本当に嬉しい気持ちです。みなさんが地方でも盛り上げてくださったお陰で、このツアーに繋がったと思います。本当にありがとうございます。地方でも盛り上がれるよう、ツアーまでの期間、丁寧に頑張っていきたいと思います。そして、ツアーを終えたら、3rdワンマンライブがやってきます。3rdワンマンライブは、今日よりも大きい会場ということで、緊張の方が勝ってはいるんですけれど、その日までにもっともっとたくさんの方を巻き込んだレベルアップしたライブをお届けできるように、精一杯頑張っていきますので、ぜひしろもんの応援よろしくお願いします”とコメント。
そして、メンバーが1人ひとり、今回のワンマンライブの感想を述べていった。
1月にグループの卒業を控える高瀬絵理は、“8人でしかできないステージを作ろうってみんなでたくさん話し合って、今日を迎えたんですけれど、平日なのですごく不安だったんですけど、たくさんの方が集まってくれて、SEで入った瞬間に赤色が見えて、大丈夫だと思ったので、すごく楽しかったです。先日、卒業発表をさせていただいて、私の最後のワンマンライブだったんですけれど、2ndワンマンを最後にすると決めていたので、自分がしろもんの活動で得たものだったり、私しかできないもの、存在だったりを最大限に見せられていたら、今日、私は満足で幸せです。ワンマンライブまでは、ワンマンライブに集中しようと思っていたので、私はもうみんなに「ラストのワンマンだね」と言われても気にしないようにしていたんですけど、絶対に今日が終わったら、すぐに卒業が来ちゃうと思うので、やりきった、楽しかったと自分の中でも、ステージを降りるまで、そう自分で思えるように明日からのステージも大切にみなさんと過ごしていきたいと思います”と語った。
ライブは最終盤へ。次も新曲「価値のある勝ち」を披露。綺麗なメロディと“負けるのが大事””いつか勝てる” と、エールを送るような歌詞が特徴の楽曲である。その歌詞に合わせて”静”と”動”を意識したような緩急のあるパフォーマンスを見せて、美しさと端麗さで、しろもんの新境地を切り開いた。この楽曲でも、しろもんの成長が見込めそうである。
しろもんの2ndワンマンライブは、「君の魔法」で幕を閉じた。
華麗に舞いながら、時に熱くパワーあふれるパフォーマンスを披露したしろもん。グループが始まったプレデビューライブからは、アイドルとして著しく成長している。真っ白だったしろもんが、徐々に彩りをつけ始め、アイドルとして羽ばたきつつある。このしろもんのアイドルストーリーは、壮大でまだまだ見守る価値がある。今後、しろもんがどのようなアイドルへと成長し、道を切り拓いていくのか、まだまだ楽しみだ。これからもしろもんの勇姿をぜひ見ていたい。