【ライブレポート】NMB48、お祭り騒ぎの8周年ライブ開催。山本彩、関東最後のライブで卒業SG初披露。
鶴岡 舞
Pop'n'Roll Editor(編集者)
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NMB48が、10月2日、幕張メッセイベントホールにて結成8周年記念ライブ<NMB48 8th Anniversary LIVE>を開催した。
毎年、地元関西にて周年記念ライブを開催していたNMB48。関東で周年記念ライブを行うのは今回が初めてとなる。また、7月31日に卒業発表をした山本彩にとっては、関東のファンに会える最後の場となっていた同公演のライブレポートをお届けする。
▶︎<NMB48 8th Anniversary LIVE>の画像
太田夢莉による影アナが始まり、恒例のSEが終わると、「NMB48」のイントロとともに、なんとステージではなく、アリーナ後方から登場したメンバーたち。そのまま通路を歩いてメインステージへ。山本が“幕張! 声聞かせろー!”と煽り、会場のボルテージを一気に押し上げ、8周年記念のお祭りは幕を上げた。続いて、太田の“8周年あっという間すぎて、オーマイガー!”の一言で2ndシングル「オーマイガー」、息つく間もなく「北川謙二」へ。曲中に山本、太田、吉田朱里、渋谷凪咲の4人がゴンドラに乗り込み、後方のサブステージへ移動。2ステージでのパフォーマンスになる。そのまま「僕らのユリイカ」をアリーナ全体を使って披露し、白間美瑠による“もっともっと声出さないと、らしくなーい!”の煽りから「らしくない」へ。人気のシングルメドレーと楽曲タイトルを取り入れたユニークな煽りに、会場は最初から大いに盛り上がった。
ここで会場には、10年後の2028年を想定した映像が流れる。なんと、白間は弁護士、吉田は年商100円の化粧品会社社長、山本は銀髪のビジュアル系バンドマン、川上礼奈は現役でNMB48。変わらずうどんアイドルを続けており、総監督にまで就任。続いて、2010年10月9日AKB48のイベントでお披露目された1期生の映像が流れた後、8年前を再現するかのように、Tシャツ姿の4人の現役1期生が登場。山本が、両脇を開き、両手でマイクを握る当時のあいさつを再現し、“吉田朱里22歳です”“白間美瑠20歳です”“山本彩25歳です”“川上礼奈23歳です”と、それぞれ自己紹介。“以上、第1期生、残り4名です。よろしくお願いします!”と元気に挨拶をすると、会場からは大歓声が起こった。
ここからは2011年から2014年を振り返る楽曲を披露。NMB48の初めての公演<誰かのために>から「小池」を披露。会場スクリーンに、卒業生の山田菜々の映像が流れたかと思えば、ステージでは妹の山田寿々がメインボーカルを務める。また、生着替えがセクシーな「ジッパー」では卒業生である上西恵のポジションに、妹の上西怜が入る演出もあり、卒業した1期生とその妹たちの夢のコラボが実現していた。チームN初のオリジナル公演の表題曲である「ここにだって天使はいる」では、ステージにメンバーが並び、遅れて山本が1人でステージに姿を表すと、客席からは大歓声が上がり、彼女の人気・偉大さを象徴していた。このブロックの最後には、卒業生渡辺美優紀の人気曲「わるきー」を白間が“わるるん”として披露。“みなさん、わるるん好きですか? あれれ、声が小さいなー。大きい声出してくれないといたずらしちゃうよ”と、小悪魔な楽曲の世界観を見事に表現した。
懐かしの写真を振り返る“公開処刑”のMC、「2028年の映像その2」を経て、2015年から現在の楽曲へと移る。2028年の映像では、新たに5児の母となった谷川愛梨と売れっ子バラエティタレントの渋谷が登場していた。2015年の<NMB48リクエストアワー>で1位に輝いた研究生ソング「想像の詩人」、5人組“女子力選抜”ユニットQueentet(吉田、太田、渋谷、村瀬紗英、植村梓)の「Which one」、『難波愛〜今、思うこと〜』に収録されている白間のソロ曲「僕は愛されてはいない」を山本が持ち前の歌唱力で歌い上げ、「欲望者」では激しい照明や炎を使い、メンバーのパフォーマンスに加え、壮大な演出で観客を魅了していった。
ほかの48グループよりも女性ファンが多いことでも知られるNMB48。この日も客席に“女性専用エリア席”を設けており、MCで山尾梨奈は“女性の歓声が大きくて嬉しい”と語った。その後に「2028年の映像その3」が流れ、山本彩加はアメリカでも活躍するモデル兼盆栽職人、メガネにネルシャツ姿の太田は株のトレーダーに。映像の衣装、設定のままステージに飛び出すと、白間が“10年前にバズったあの曲、みなさんわかりますか?”と振り付けのポーズをすると、それを察した客席からは歓声が上がり、「ワロタピーポー」に突入。山本は銀髪を振り乱しながら、ギターを谷川の赤ちゃん(人形)に持ち替え、ファンを楽しませた。
後半には、アニバーサリーライブらしく坂道AKBの「国境のない時代」やAKB48の「Teacher Teacher」が披露され、想像していない楽曲たちにオーディエンスも驚いた様子。そこからは、「妄想ガールフレンド」、「ナギイチ」、「イビサガール」と、怒涛のように盛り上がる曲をドロップ。山本の“ラストの曲、行くぞー”と「届かなそうで届くもの」を、ステージいっぱい横1列に並んだ総勢71名メンバーで歌唱し、本編を締めくくった。
アンコールでは、山本がセンターを務める19thシングル「僕だって泣いちゃうよ」を初パフォーマンス。歌い終えると、センターで両手を振って微笑む山本。ステージを思いっ切り楽しむ明るさの中に、切なさと寂しさが入り混ざっていた。感想を聞かれると、“私だって泣いちゃうよという感じで……あっ、すべったな”と会場を笑わせた。今回の選抜メンバーには1期生の川上が初めて選ばれており、“8年間、ずっと見守ってくれたみなさんに恩返しできて嬉しい”と涙ながらにコメント。
また、YouTubeの“女子力動画”でも話題の吉田が、来年春にアパレルブランドを立ち上げることが発表された。
初期に1期生のみで歌われた「三日月の背中」、ライブの締め曲「青春のラップタイム」、山本の“私にとってのNMBとしてのコンサートも、卒業コンサートを含めてあと2回なんですけれども、1つひとつ8年間のことを思い出しながら、みなさんの笑顔を見ながら毎回楽しいライブをやらさせていただいております。最後まで私にできることをやり尽くしてNMB48人生を終えたいと思いますので、最後までよろしくお願いします!”というメッセージで締めくくったかと思った幕張メッセ イベントホールだったが、予定にないダブルアンコールが起こる。“最後は楽しく、笑える曲を!”と再び「ワロタピーポー」を披露。ステージに腰掛ける太田に近寄っていく山本、仲良く2人で腰掛けたり、メンバーを追いかけ回したりと笑顔あふれるステージングで幕を降ろした。