マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回:FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ(後編)「“バズればいいなぁ”くらいの感じでした(笑)」

マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回:FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ(後編)「“バズればいいなぁ”くらいの感じでした(笑)」 マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第5回:FRUITS ZIPPERプロデューサー木村ミサ(後編)

沖口 優奈(マジカル・パンチライン)

Pop'n'Roll Chief Discovery Officer

2022.10.05
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マジカル・パンチラインのリーダー兼プロデューサーの沖口優奈と、FRUITS ZIPPERのプロデューサーを務める木村ミサによるプロデューサー対談の後編。

今回は、FRUITS ZIPPER を語る上で外すことができない、TikTokで驚異的なバズを生み出した「わたしの一番かわいいところ」の話題からスタート。木村が“自分の好き勝手で作っていただいた”と語る同曲の魅力を沖口が紐解く。また、木村のプロデュース論や大変なこと、やり甲斐などについても聞き出していった。和気藹々とくり広げられたトークの最後には、木村の意外なストレス発散法が明らかに!

編集協力:村田誠二

私のセンス、合ってたかもしれないなって(笑)

沖口優奈:
TikTokで「わたしの一番かわいいところ」が大バズりしてますけど、これは想定外でしたか? それとも想定内?

木村ミサ:
んんん……、「わたしの一番かわいいところ」って楽曲は、そもそもお披露目で5曲作った中の1曲なんですけど、その5曲って、それぞれ“可愛い系”とか“カッコいい系”とか、グループとしていろいろやっていきたいという意志を見せる、その中の1曲なんですね。で、「わたしの~」はもちろん1番可愛い寄りに作った楽曲で、私はもともとアイドルのプロデュースを始めた頃からヤマモトショウさんに曲を作ってもらいたいと思っていて。やっぱり可愛い歌詞を作る方なので、作ってもらうからには《かわいい》を連呼させたいし、連呼はTikTok向きなんじゃないかなって漠然と思っていたので、ショウさんに“TikTokで踊れるような曲を作ってほしい”ってお願いしたんです(笑)。だから、バズってほしいっていう気持ちはもちろんありましたけど、本当にバズるとは思っていませんでした(笑)。今の音楽業界の方って、たぶんTikTokでバズるように楽曲を作ってるじゃないですか。感覚的にはそういう感じだったので、“絶対バズらせる!”とかじゃなくて、“バズればいいなぁ”くらいの感じでした(笑)。とはいえ、詞のコンセプトとして、アイドルとファンの方との関係を書いていただいているんですけど、ファンの方がアイドルにいっぱい“可愛い”って言って肯定してあげたら、アイドルも自信を持って、《わたしもそれに気付いた!》みたいな、そういうハッピーな関係を描きたかったんですよ。そういう部分はアイドルがTikTokでやりやすかったのかな、とはむっちゃ思ってて……。でも、“私の1番可愛いところに気づいてる?”みたいな感じで、TikTokerとかアイドルとかインフルエンサーがファンの人に投げ掛けられるものになったのがラッキーだったなって。それでファンの方も、“1番可愛いよ!”とか、わかりやすく褒めやすい状況になるから、どっちもWin-Winの関係ですよね。しかも、TikTokに乗せる時に、めっちゃ自分の1番可愛いところを見せようと思って撮ってくれるから、ファン受けがめっちゃよかったんですよ。それがすごくありがたかったですね。

沖口:
すご~!

木村:
あとは、槙田紗子大先生の振り付けのおかげですよ。

沖口:
振り付けもすごく可愛かったです! 曲自体も、最初はTikTokでサビの部分がめちゃくちゃバズってましたけど、私は最初に流れてきた時に“うわ、すごくメロディがいい!”って思ってました。

木村:
TikTokの効果もあるとは思いますけど、普通に曲としてもめっちゃいい曲なんですよ!

沖口:
マジパンのスタッフさんと、“FRUITS ZIPPERさんのあの曲、最近のアイドル曲の中では1番いいよね”って話してたんです。で、“なんか、悔しいですね”って(笑)。

(一同爆笑)

木村:
めっちゃ嬉しい! 5曲でいろいろ見せたいって気持ちもあるから、このグループはあまり自分の趣味を見せすぎないようにしようと思ってたんですけど、この曲に関しては、私が本当にショウさんとやりたくて自分の好き勝手で作っていただいた曲なので(笑)、それがこんなにバズるって、やっぱ世の中そうだよね〜みたいな(笑)。私のセンス、合ってたかもしれないなって(笑)。

(一同爆笑)

木村:
いや、普通にアイドルに歌わせたい曲を作っただけなんです。ヲタクとして。

沖口:
でも、そういうことなんですよね、きっと。やっぱり世の人もそれを求めてるっていう。

木村:
最近こういう曲がなかったからかもしれないですけどね。テンポが速かったり、BiSHさんとかWACKみたいなカッコいい系の曲はあったけど、「わたしの一番かわいいところ」はそんなにめちゃくちゃ盛り上がる曲調でもないし、実はこの曲、4月末に配信されてからゴールデンウィークくらいにバズり始めたんで、火が点くのは遅かったんですよ。4月中旬にはライブでもやっていて、対バンイベントの1曲目に持ってきたら、ファンの人から超不評で、“あの曲、盛り上がらないからやらないで”って言われて。

沖口:
えーーーー!

木村:
確かに5曲の中では、盛り上がりがある曲ではないので、自分の中でも2曲目とか、途中にやる曲みたいな位置づけだったんですよ。

沖口:
ちょっとアクセントになる曲、みたいな。

木村:
そうです。だから、セトリもそういう感じにしてたんですけど、今は最初か最後にやるとパーン!って盛り上がる定番曲みたいな感じで。

沖口:
私も、マジパンのスタッフと世間話で“あの曲、マジパンにあったら何曲目に持ってくる?”って話してましたから(笑)。

(一同爆笑)

木村:
でも、普通だったら2~3曲目って感じですよね。

沖口:
確かに、テンポもけっこうゆったりめだから、ライブ曲としては1発目に持ってくるのは怖いかもしれない。

木村:
そう、怖いですよ。

沖口:
私の妄想では、最後に持ってきて、最後までみんなに待ってもらうみたいな(笑)。

木村:
(笑)。でもホントに今、逆に「わたしの~」を入れるタイミングがめっちゃ難しくなっちゃってますね。

沖口:
確かに。前に豊洲PITの<ぽぷフェス2022夏>にマジパンも出演させてもらった時に、マジパンの特典会が終わる時間とFRUITS ZIPPERさんのライブが終わる時間がちょうど同じくらいで、観に行きたいけど間に合うか、間に合わないかっていうタイミングだったんですけど、メンバーみんなも“絶対、FRUITS ZIPPER観に行きたい”って言ってて、急いで着替えながら“(わたしの~」は)最初かな? 最後かな? どっちだろう~”って言ってたら、FRUITS ZIPPERさんの会場の方から“ドン! ドン! ドン! ドン!”って聴こえてきて、“あ、始まっちゃったかも!”、“いや、あれはSEのリズムっぽくない?”みたいなこと言いながら、みんなで会場に向かって(笑)。で、近づいたら“え、ちょっと待って! これ(「わたしの~」の)Dメロのところじゃない? (松本)かれんちゃん歌ってるよ!”って(笑)。

木村:
ハハハ! 何曲目にやったか覚えてないなぁ(笑)。

沖口:
たぶん1曲目で、私たち間に合わなくて……。で、2曲目から一緒にタオル振りました(笑)。

木村:
私、関係者エリアによくいるんですけど、ホントにアイドルさんがめっちゃ観てくださるのをよく見かけますね。ただ、逆のパターンもあって、“1曲目にやってくれたから(自分の出演準備のために)すぐ退出できた”っていうグループさんもいて。

沖口:
逆に最後だと、“まだだ………………まだやらない………………もう無理だぁ~!”って帰っていくみたいな(笑)。あと、Twitterに上がってる夏フェスの動画で、この曲でヲタクの人がみんな一緒に踊ってる姿がめっちゃ可愛いと思いながら観てました。

木村:
ファンの人たちが一生懸命踊ってるの、めっちゃ可愛いですよね。1度、TikTokで「わたしの一番かわいいところ」をファンの方と一緒に踊ろうっていう撮影会をやったんですけど、1人男性ファンの方がFRUITS ZIPPERよりバズっちゃったりして(笑)。

沖口:
それ、私にも流れてきました! 男性の方もバズれる楽曲なんですね(笑)。いつか絶対生で観たいです。

木村:
ぜひ!

木村ミサ、沖口優奈

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