CHERRY GIRLS PROJECT [ライブレポート]高きポテンシャルを見せた第4形態のステージデビュー「今度は私たちが未来に繋げていきたい」

CHERRY GIRLS PROJECT [ライブレポート]高きポテンシャルを見せた第4形態のステージデビュー「今度は私たちが未来に繋げていきたい」

Pop'n'Roll 編集部

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2022.09.20
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CHERRY GIRLS PROJECTが、9月13日(火)に秋葉原ZESTにて開催されたライブイベント<GirlsProject不定期公演>に出演した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

CHERRY GIRLS PROJECT

7月末でメンバー2人が卒業。8月1日(月)のライブで佳倉光里と華本萌花が加入し、新たな5人体制で再スタートすると思いきや、メンバーの来瞳舞夢、真汐里緒、能守由逢が10月1日(土)で卒業することを発表。同時に告知されたのが、佳倉、華本とともに活動していく新メンバーが、9月13日のライブでお披露目されること。前日には、新たに加わる4人の名前と新体制となる6人での写真が公式ホームページで公開された。当面はこの6人が“CHERRY GIRLS PROJECT第4形態”としてライブに出演。現在の5人組のCHERRY GIRLS PROJECTとしばらく共存する。佳倉と華本は両グループを兼任。そして、10月1日に来瞳ら3人が卒業したあとは“第4形態”の文字が外れ、6人でCHERRY GIRLS PROJECTを受け継ぐという。

迎えた9月13日。CHERRY GIRLS PROJECT第4形態は、4番手で登場した。6人が1列に並び、佳倉が“このチームでは初めまして”と挨拶。円になって広がり、腕を回して踊り出す名曲「僕たちの為に、あの鐘は鳴る」で、6人での初のライブをスタートさせた。

鮮やかな赤い衣装がライトに映える。センターに立って歌い出したのも佳倉。自身もステージデビューから1ヵ月半ながら、この状況になり、第4形態を引っ張っていく意志を漂わせた。新メンバーたちも代わって前へ出て歌う。緊張感も見えたが、ポニーテールの安保朱珠(あんぽすず)の安定した歌声が印象的だ。全員がにこやかな表情を浮かべ、未来へ歩き出す希望を歌うのは、お披露目に似つかわしい。サビには力が籠り、激しいターンからのキメで拍手を浴びた。

続く「神さま、お願い。」は安保が歌い出しを担った。華本、佳倉と繋ぎ、歌割りは目まぐるしくリレーしていく。ステップを踏み続けたり、4つ打ちビートに跳ねたりしながら歌うこの曲では、時に息を切らせながらも、初々しい躍動感を見せた。

MCでは1人ずつ自己紹介。まず、新メンバーで茶髪ロングの宮凪莉央(みやなぎりお)は“たくさんの歴史を刻んできたCHERRY GIRLS PROJECTのメンバーとして、本日のステージに立たせていただくことになりました。この感謝を忘れず、ひたむきに頑張っていきたいと思います”とコメント。同じく新メンバーで、チェックのベレー帽を被っている広川珠姫(ひろかわたまき)は、“幼い頃からアイドルになるのが夢でした。夢を追いかけていたら、運命的にCHERRY GIRLS PROJECTと出会い、ここに辿り着きました”と述べた。少しだけ先輩となった華本は、“先輩たちが培ってきてくれた大好きなこのグループと素敵な曲を、今度は私たちが未来に繋げていきたいと思っています。そして、このメンバーで紡いでいくCHERRY GIRLS PROJECTが、いつかプロジェクター(CHERRY GIRLS PROJECTのファンの総称)のみなさまに認めていただけるように、精一杯頑張っていきます”と熱く語った。新体制のセンターを託される佳倉は“私はチェリガで始まり、終わりが来るとしたら、チェリガの佳倉光里として終わりたいと思っています。この世界で力いっぱい暴れたいです”と続いた。歌唱力で早くもインパクトを残す安保は“CHERRY GIRLS PROJECTは私にとって人生を賭けてもいいと思えたグループです”と話した。長身で黒髪ロングの蒔田逢乃(まきたあいの)は“CHERRY GIRLS PROJECTも自分ビッグになれるように頑張ります”と意気込んだ。

佳倉が再び“受け継いだ楽曲や、壁や序列をぶっ壊すという原点を守り抜きたい”と語り、メタルチューンの「絶望のナルシス」へ。激しく頭を振って高速ビートで加速していく中で、小柄な佳倉が力強く歌って要所を締める。華本が両脇の2人を押し出して前に出るパフォーマンスや、全員でヘドバンからのデスボイスの連発で沸かせた。

ラストはメジャーデビュー曲となった「愛をちょうだい」。もともと1995年にリリースされたロックバンドVANILLAの楽曲のカバーで、エアギターの振りから拳を突き上げて歌う。緊迫感を醸しながら、サビでスパート。1人ひとりが声を張って歌い繋ぎ、フロアでサイリウムを振るファンたちと呼応して熱気が高まった。MCでは“まだまだ未熟ですが、この数ヵ月、必死に準備してきました”と話していた、新人だけの第4形態の初ライブ。まずまずの盛り上がりを見せ、顔を紅潮させた6人は“ありがとうございました”とステージを後にした。

公演はいよいよトリとなり、CHERRY GIRLS PROJECTの5人がステージへ。3人の卒業まで、この時点でもう残り半月となっていた。エースの来瞳は5月に慢性的な声帯結節との診断を受け、卒業発表コメントでは“万全なパフォーマンスができないことは本意ではありません”としていた。苦楽をともにしてきた真汐と能守も、来瞳に同調する形で卒業を決めたと発表している。それにしても、やはりチェリガの存在感は別格だ。1曲目は切なくも生々しいラブソング「MISS YOU」。しなやかな振りをくり広げ、万全でないという来瞳のボーカルはそれでも聴き手を引き込んでいく。続いて、ピアノの旋律から荘厳に展開する「utopia」でも観客を魅了した。さらに間髪を入れず、ストリングスのイントロから真汐が歌い出す「モンスター」をたたみ込む。キャッチーなメロディで自己解放を唱えるドラマティックさが胸を震わせ、ファンのコールも熱を帯びる。そして、やはり来瞳のシャウトは圧巻だ。

MCでは、その来瞳がCHERRY GIRLS PROJECTの名を継ぐ第4形態に触れ、佳倉と華本を前に“私はまだ認めていませんからねー。あと1ヵ月で証明してもらいますから”と話した。“悪役な感じで(笑)”と冗談ノリではあったが、第4形態のステージでは光って見えた佳倉も、チェリガでの来瞳らの輝きと比べてしまえば、改めて道は遥か遠くと感じる。佳倉と華本は来瞳に“頑張ります!”と答えていた。ラストは希望に満ちた「旅人であれ」。サイドステップを踏んで躍動する5人。《今は何も見えなくてもいい。徐々に徐々に見えてくればいい》とのフレーズには、今のチェリガだからこそ刺さるものがあった。節目から未来へ。分岐点が交錯する、2度とない晩夏の記憶に留めたい2ステージだった。

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