櫻坂46[ライブレポート]約1ヵ月を経て開催した<W-KEYAKI FES.>で見せつけた圧巻のパフォーマンス! 尾関梨香&原田葵は卒業のメッセージを送る
Pop'n'Roll 編集部
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櫻坂46が、8月19日(金)&20日(土)に富士急ハイランド コニファーフォレストにて<W-KEYAKI FES.2022>の振替公演を開催した。本記事では、20日のオフィシャルレポートをお届けする。
櫻坂46<W-KEYAKI FES.2022>富士急ハイランド コニファーフォレスト(2022年8月20日)
取材&文:西廣智一
撮影:上山陽介
昨年、同会場で初開催された<W-KEYAKI FES.>は、1本の欅から生まれ、それぞれ自分たちの坂を駆け上がってきた櫻坂46と日向坂46が、かつて<欅共和国>を行なってきた“聖地”ともいうべき富士急ハイランド コニファーフォレストに集結するという合同野外ライブ。当初、今年は7月21日〜24日の4日間にわたり、1日目と3日目を日向坂46、2日目と4日目を櫻坂46が単独ライブを行なう予定だったが、櫻坂46メンバーのコロナ感染により日向坂46公演の1日目と3日目のみ実施。約1ヵ月を経て、同会場での櫻坂46振替公演が行なわれることとなった。
直前の体調不良により残念ながら関有美子がこの2公演を欠席することになり、卒業を控えた尾関梨香&原田葵を含む21人でライブに臨んだ櫻坂46。快晴のもと、けやき坂46/日向坂46の鉄板曲「NO WAR in the future」カバーに加え、「タイムマシーンでYeah!」「摩擦係数」といった1stアルバム『As you know?』収録の新曲をライブ初パフォーマンスするなど、ボリューミーな内容で大成功を収めた初日から一転、20日の公演は小雨が舞う中で開演を迎える。
尾関&原田の影アナ、“伝説は、1本の欅から始まった”というメッセージから始まるオープニング映像を経て、桜色ジャケットと白いスカートという出立ちのメンバーがステージに現れ、「太陽は見上げる人を選ばない」からライブを開始。先月の日向坂46公演と同じオープニング、同じフォーマットの衣装などからも“伝説は、1本の欅から始まった”の意味が強く伝わる演出に、早くもBuddies(櫻坂46ファンの総称)から盛大な拍手が送られた。曲のクライマックスではウォーターショットが盛大に打ち上がり、キャプテンの菅井友香が“1度は断念せざるを得ないと思っていたこのフェスですが、たくさんの方々のおかげで開催することができました。今日は一緒に最高の夏の想い出を作りましょう!”と挨拶して、会場のBuddiesや生配信を観ている視聴者と一体感を作り上げていく。
その後「Overture」を経て、桜色をあしらった新衣装に着替えたメンバーは「Buddies」で、本格的にライブに突入。センターの山﨑天が《Yo! 元気かい? 君に会いたかったよ》と笑顔で歌い始めると、会場の空気は一気に高揚感を増すことに。続く「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」は、曲の盛り上がりに合わせてウォーターショットが何度も打ち上がり、早くも“夏の恒例イベント”らしい場面が展開されていった。
最初のMCでは菅井が1ヵ月前の延期に触れつつ、“あの時、日向坂46のみんながつないでくれたバトンを受け取ることができて、こうして最終日を迎えられて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです”と感謝を伝える。また、欅坂46時代にMCでのお約束であった“尾関はどう?”が菅井から振られると、この日がラストステージとなる尾関は“来たね、必殺技(笑)。これも今日で最後だよ。寂しい気持ちもあるんですけど、今はBuddiesのみなさんとメンバーと、すべてのみなさんでたくさん笑って過ごしたいなと思います”と現在の心境を吐露。原田も“メンバーと配信ご覧になっているみなさんとここにいるBuddiesのみなさんと、雨を吹き飛ばしたいなと思います!”と意気込みを口にする。
その後は「Microscope」「それが愛なのね」と前日披露されなかった楽曲が立て続けにくり出され、トロッコを使った演出やウォーターショット、メンバーによる放水など、野外の大会場ならではの試みで夏らしい光景が広がっていく。また、櫻エイトによるしなやかなダンストラックを経て「偶然の答え」へ突入すると、序盤のハッピー感の強い空気から一変。ブルーを基調にした照明と切ない曲調に合わせて、センターの藤吉夏鈴が繊細さを伴うパフォーマンスと機微な表情の変化で楽曲の世界観を見事に表現していく。続く「五月雨よ」では徐々に強まっていく雨と歌詞の内容とが相まって、この瞬間ならではの特別な空間が作り上げられた。
その一方で、「思ったよりも寂しくない」ではウォーターショット&放水が加わることで、再びパーティ感が向上。そこから緩急をつけるように始まった「無言の宇宙」では、卒業した渡邉理佐に代わり原田がセンターを務めるというサプライズも用意され、陽が落ち始めた富士急の環境と雨というシチュエーションとともに、この曲の持つ幻想的な雰囲気が増すこととなった。
ライブ中盤では卒業する2人のインタビュー映像が上映され、最後に披露したいリクエスト曲が明かされる。“一緒になって楽しんでほしい”“悔いのないよう届けたい”というメッセージとともに始まったのは、欅坂46時代のユニット曲「コンセントレーション」と「カレイドスコープ」。2曲とも欅坂46の<THE LAST LIVE>(2020年10月)にたった1度のみパフォーマンスされた楽曲で、当時は無観客配信だったこともあり、観客の前で披露するのはこの日が初めてのこと。「コンセントレーション」では尾関を中心に、難易度が高い大人びたパフォーマンスがくり広げられ、「カレイドスコープ」では1期生の原田や上村莉菜が頼もしく成長した2期生とともにキュートなダンスを展開した。
ウォータースクリーンを用いた幻想的な演出の「ブルームーンキス」、情熱的な曲調に合わせて会場が赤く染まる「恋が絶滅する日」に続いて、白いワーゲンの助手席の乗った森田が会場に登場。サブステージでメンバーと合流すると、そのまま「車間距離」で会場の熱量をどんどん高めていく。さらに、激しくキレの強いダンストラックからの流れで「流れ弾」へ突入すると、会場の熱量は沸点まで急上昇。ウォータースクリーン演出を用いた「BAN」でその盛り上がりは最高潮を迎え、ライブ本編は幕を下ろした。
アンコールではまず、原田の欅坂46加入時から現在までの振り返り映像が上映され、続いて白いドレスを着た原田がステージに再登場。彼女は“3年前にこの場所で復帰した時、多くの方が拍手と歓声とともに、温かく待っていてくださったことが本当に嬉しかったです。その時、絶対にファンのみなさまに直接お会いしてお礼を言って、笑顔になってもらうまで卒業しないぞと思い、グループに復帰しました”と、同会場で行なわれた<欅共和国2019>で休業から復帰したことを振り返り、“ここにいなかったら出会えていなかった人や場所、感情がたくさんあって、ここにいたからこそ手放したくない宝物がたくさんできました。ですが、もっともっと成長するため、1人の素敵な人となれるよう、卒業してからも精一杯真っ直ぐ歩いていきたいと思います。そして、これからはグループがもっともっと成長していく姿を、陰ながら応援していたいと思います。これからも櫻坂46、尾関梨香、原田葵をよろしくお願いいたします”と涙ながらに挨拶した。
その後、自身の振り返り映像に続いて赤いドレスを身に纏った尾関がステージに姿を現すと、満面の笑みで客席に手を振り始める。彼女も用意してきた手紙を読み上げ、“7年前、グループに加入した私は、みなさんが思うアイドルらしさ全開ではなかったかもしれません。もっと可愛らしくいたいなと、時には自分のキャラクターに悩んだこともありました。だけど、みなさんとお話しすると「いつも自然のままの尾関が好き。ありのままでいてね」と言ってくださったので、ずっとずっと私らしい「尾関スタイル」で居続けることができました”とBuddiesに感謝を伝える。さらに、“メンバー、Buddiesのみなさん、今ここにいるみなさん、配信を観てくれているみなさん、みんな1人の人間です。生きていく上でたくさんいろんなこともあると思いますが、どんな時も自分を大切にして、ずっと笑っていてください。約束です。それから、大好きな櫻坂46をこれからも、Buddiesのみなさんで守り続けてください。心から本当にみなさんに出会えて幸せでした”と彼女らしいメッセージを送った。
その後、尾関は小池美波とともに欅坂46時代のユニット曲「音楽室に片想い」「バスルームトラベル」をトロッコに乗って披露し、「バレエと少年」では原田と上村も加わり可愛らしくも華麗なパフォーマンスで観る者すべてを魅了した。
このあとには、卒業する2人へのサプライズとしてメンバーからメッセージと花をプレゼント。後輩からも“おぜさん”“あおたん”の愛称で親しまれる2人に対して、笑顔で感謝を告げる者、涙で言葉にならない者などさまざまだったが、1期生や2期生問わず誰からも2人に対する強い愛が伝わる。持ち前の愛くるしい2人のキャラクターがいかにグループにおける潤滑油になっていたか、このやりとりの中からも十分に感じ取ることができたはずだ。
最後に菅井が“私たちみんなファミリーだから。そういう気持ちで2人のこれからをみなさんと応援して、見守っていけたらなと思います”と挨拶すると、しんみりした空気をぶち破るように「危なっかしい計画」へと突入。会場一面が欅坂46カラーの緑色に染まる中、尾関と原田はトロッコに乗って会場中のBuddiesに向けて挨拶していく。サビではタオルを回して一体感を高め、ウォーターショットの連発と雨でびしょ濡れの中、ライブは終了した。菅井が“みんなの妹であり、お姉ちゃんであった2人の応援、そして櫻坂の応援をよろしくお願いします!”と叫ぶと、頭上に盛大な花火が打ち上がり、1ヵ月越しで実現した<W-KEYAKI FES. 2022>振替公演は大成功のうちに幕を下ろした。
奇しくも、休業からの復帰の場となった富士急ハイランドが最後のステージとなった尾関と原田。(尾関は<W-KEYAKI FES. 2021>、原田は<欅共和国2019>)。一時は諦めざるを得なかったが奇跡的に振替公演が実現できた今年の<W-KEYAKI FES. 2022>は、2人にとってはもちろん、メンバーやBuddiesにとっても忘れられない2日間になったはずだ。それぞれ別の道を歩むことになったが、櫻坂46は秋に控えた全国ツアー、そしてツアーファイナルの東京ドーム2デイズ公演へ向けて、ここからも前進を続けていく。この2日間の経験を糧に、どこまで成長した姿をこの先見せてくれるのか、今から楽しみでならない。
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