まねきケチャ[六本木アイドルフェスティバル2022ライブレポート]圧倒的な歌の強さを見せた風格漂うステージ まねきケチャ[六本木アイドルフェスティバル2022ライブレポート]
Pop'n'Roll 編集部
Pop'n'Roll 編集部
-
ポスト
-
シェア
-
ブックマーク
<六本木アイドルフェスティバル2022>が、7月29日(金)、30日(土)、31日(日)に六本木ヒルズアリーナにて開催された。今年は3年ぶりに3デイズ開催となり、これからシーンを牽引していくであろうニューカマーから、長年活躍を続けるベテランまで、熱量の高いパフォーマンスをくり広げた。本記事では、7月30日に登場したまねきケチャのライブレポートをお届けしよう。
まねきケチャ<六本木アイドルフェスティバル2022>六本木ヒルズアリーナ(2022年7月30日)
取材&文:冬将軍
撮影:河邉有実莉
7月30日<DAY-2>のトリを飾ったのは、まねきケチャ。下手側に立った松下玲緒菜が太い歌声を響かせて始まる「きみわずらい」。上手側の森ふう花がそれを丁寧に歌い継ぐ。すると、情緒をなだらかにまさぐっていくかのような旋律が一気に襲い掛かる。日もとっぷりと沈み、昼間の灼熱の暑さが少し和らいだ中ではあったが、ステージに並んだ5人の熱量が再び会場を熱くさせる。
続いては、哀愁をかき鳴らすオルタナティヴロックナンバー「青息吐息」。刹那メロディを感情のすべてを叩きつけていくように歌う松下とウィスパーボイスで囁く中川美優。宮内凛が滑らかな声で真っ直ぐに歌い上げれば、篠原葵が透き通るピュアな声で応えていく。それぞれの声色のコントラストが美しい。そんな4人の間を自在に行き来しながらしっかり紡いでいくのが新メンバーの森だ。まねきケチャの黄色と“雷属性”を完璧に引き継いでいる。松下と並ぶまねきケチャの両翼を担う歌唱力を持っていることは1曲目が始まってすぐにわかった。魅惑的な中低音の響きを持った歌声で、ずっと前からグループにいたかのように4人と完全に馴染んでいる。それは堂々とした佇まいとステージングも同様だ。今年6月に加入したばかり、まだ活動を始めて2ヵ月足らずとは思えぬほどの貫禄を見せる。
10月に行なわれる結成7周年ライブ、現体制最後となる周年ライブの告知のあとに披露された「難攻不落」。昨年行なわれた6周年ライブでMVが初公開となったファンにも思い出深い曲。これからのまねきケチャと、これからの5人の可能性を感じさせるエモーショナルな協奏が六本木の夜にこだまし、松下が《可能性の確変を期待してんだ》と力強く歌い締めた。
ラストナンバーは「妄想桜」。ポップなゲームミュージック感に溢れたサウンドとハードなディストーションギターが交差しながら、和情緒を感じさせるメロディがクロスオーバーしていく。5人の歌声が泳ぎ、さまざまな彩りを見せながら最後の盛り上がりへと向かっていった。そして、篠原による渾身の“もう迷わないよ”。会場全員をキュンとさせるセリフでライブの幕は閉じられた。
新体制となったまねきケチャのライブを観たのは初めてだったが、新メンバー・森ふう花のただならぬポテンシャルを感じたと同時に、歌へのこだわりを強く持ったグループであることを改めて思い知らされた。“聴かせる”セットリストとともに、まさにトリを飾るに相応しい風格漂うステージだった。