【ライブレポート】TPDが新たな魅力を届けた一夜。2ndアルバムのリリース発表も
Pop'n'Roll 編集部
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東京パフォーマンスドールが、9月27日に東京・渋谷WWW Xにて<渋谷 LIVE CIRCUIT>の第2回公演を開催し、2ndアルバム『Hey, Girls!』を11月21日に発売することを発表した。
7月13日に開催された<渋谷 LIVE CIRCUIT>の第1回は、あっと驚くセットリストでファンを喜ばせてくれたが、この第2回目では「TOKYO ROMANCE」(先代TPDのリアレンジ・バージョン)をオープニングに持ってきた。大都会に寄せるときめきや憧れを軽快なリズムに乗せて歌い踊る楽曲。ここ1年くらいワンマンライブでは披露されていなかったため、最近TPDのライブに通い始めたファンは新曲のような気分で楽しんだのではないか。結成の地・渋谷で華やかにパフォーマンスし、第1回公演で初披露された「Go To The Party」へ。リーダー・高嶋菜七の英語パートが冴えわたり、橘二葉の歌唱も従来の可愛いらしさに音程のよさが加わり心地よさが増した。
最新シングル「Shapeless」の収録曲「Kiss x Bang Bang!」では場内のPAのよさもあり、ベースラインを刻む低音が強く響いてきて、それがまた躍動感を感じさせる。ここからは、先代TPDのリアレンジバージョンを3連発。「気持ちはING」で友情が恋に変わっていく気持ちを繊細に描いた後は(脇あかりの主旋律に高音でハモリを入れる浜崎香帆も素晴らしかった)、スーツケースを用いた振り付けも印象的な「Airport」へ。この曲が新体制6人で披露されるのは初めてだ。途中で登場する橘二葉の超絶的なダンスにも目を奪われた。そして、これも根強い人気を持つ「RUBY CHASE」は、9人時代によく取り上げられていた楽曲。高嶋菜七、浜崎香帆、橘二葉がメインを務める新体制TPDによる解釈もシャープで実によく、新しい魅力が輝く「RUBY CHASE」の誕生であった。
グループとしての充実をたっぷり示したあとは、“個”のさらなる成長を反映したコーナーへと移る。上西星来と脇あかりのユニット“赤の流星”は、ふたりで作詞した「to you」を披露。リフレインで客席から大合唱が起きて、ふたりの歌や笑顔に一層の輝きが増す。浜崎香帆はDEENの池森秀一が作詞した「ふたりのストーリー」をソロで歌唱。笑顔を封印し、憂いのある表情とボーカルで、恋の痛手から立ち直ろうと葛藤する歌詞の主人公の気持ちを見事に表現した。続いては、今回が初披露となる新曲「恋」。上西星来がソロで歌う、ミディアムテンポのナンバーだ。それまで黄色のペンライトでいっぱいになった場内が一転、ピンク一色に染まり、リズムに合わせて揺れた。しっとり系が続いたあとは、思い切りはじける時間がやってきた。櫻井紗季がリードを取る「クレイジーコースター」だ。これは彼女が元TPDメンバーの神宮沙紀、飯田桜子と今年の4月まで組んでいたユニット“ぐーちょきぱー”の代表作。この日は“ぐーちょきぱー”の大ファンを自認する脇あかり、橘二葉とのトリオで名曲を復活させてオーディエンスを大いに喜ばせた。
もう勢いは止まらない。TVアニメ『BEATLESS Final Stage』のエンディングテーマとしてオンエア中の「Shapeless」、白いペンライトを用いた美しいダンスが印象的な「It's Up To Me」、高嶋菜七が落ちサビ部分や電池切れになった人形のようなポーズで絶大な存在感を示す「TIME」、浅倉大介作曲の超アップテンポナンバーを余裕たっぷりに魅せて聴かせる「逆光×礼賛」、なめらかなラップにも心境がうかがえる「FREEDOM」、デビュー曲「BRAND NEW STORY」と、瞬きするのも惜しくなるほどの展開。“今日、一緒に過ごした時間をずっと忘れないでください!”という脇あかりのエモーショナルなMCに導かれて歌いだされた「One Day One Life」の後半、横一列になって熱唱する6人の姿は、貫録すら感じられた。本編だけでも新曲1曲、新体制となって歌割りやダンスフォーメーションをリニューアルした6曲と、計7曲も新たな魅力を届けてくれた。
アンコールの声が鳴りやまない中、6人はライブシリーズTシャツに着替えて登場。次々と嬉しいニュースをファンに報告した。まず、11月21日には待望の新作(2ndフルアルバム)『Hey, Girls!』をリリース。収録曲の半分以上が新曲で、その中には☆Taku Takahashi(m-flo)のプロデュース曲も含まれているというから、よりアーバンなTPDの姿にも出会うことができそうだ。ポップでカラフルなジャケット写真からも、女の子の魅力がギュッと詰まったキュートでスタイリッシュなアルバムを想起させてくれる。また12月21日、渋谷ストリームホールで開催される<渋谷 LIVE CIRCUIT>は、新作アルバムの楽曲をすべてフルコーラスでパフォーマンスするという、アルバムリリースパーティとなることも告げられた。観覧無料のリリースイベントは10月8日の新潟・万代シティパークを皮切りに全国各地で行われるので、詳しくはTPDのオフィシャルサイトやSNSをチェックしてほしい。
アンコールでは、新作アルバム『Hey, Girls!』から新曲「Glowing」をいち早く披露。一緒に歌いたくなるリフレインを持った、実に親しみやすいナンバーだ。そして最近の定番「SHINY LADY」に、今のTPDが持つエレガント&ハードの両面を目一杯こめてライブをしめくくった。先代TPD曲と新生TPD曲の新旧ナンバーを織り交ぜつつも、新曲で新境地を開いていく現メンバーの成長とストーリーには、ぜひ今後も注目してみてほしい。
取材・文:原田和典(音楽ジャーナリスト)
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