日向坂46[ライブレポート]たくさんの笑顔と涙で愛を伝え合った渡邉美穂 卒業セレモニー「5年間、ありがとうございました」
Pop'n'Roll 編集部
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日向坂46が、6月28日(火)に東京国際フォーラム ホールAにて、2期生メンバーである渡邉美穂の卒業セレモニーを開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。
日向坂46<渡邉美穂 卒業セレモニー> 東京国際フォーラム ホールA(2022年6月28日)
撮影:上山陽介
2017年8月に、日向坂46の前身グループ・けやき坂46(ひらがなけやき)の2期生として加入した渡邉。同期の中では初の卒業生で、こうしたセレモニーが行われるのはグループで初めて。
開演前の影アナは、渡邉美穂とともに「ゴリゴリドーナッツ」というユニットを自称する富田鈴花、松田好花が担当。
“ミホワタナベのラストダンスの始まりだー!”という合言葉とともに、会場にOVERTUREが鳴り響いた。そして、けやき坂46時代から歌い継いでいる曲「ハッピーオーラ」のイントロが流れると、ステージ中央から渡邉が登場。すでに感極まりつつあるのか、涙を堪えるような表情を見せると、ほかのメンバーたちに合流してパフォーマンスを行なった。
歌い終えたメンバーは、一列に並んでMC。さっそくキャプテンの佐々木久美が“来てしまいました、この日が”と水を向けると、渡邉は“いや〜、実感沸かないですね”と応える。
佐々木美玲や宮田愛萌、山口陽世が、渡邉がいかにムードメーカーとしてグループを明るくしてくれていたのかを語る。実は、日向坂46の全メンバーがコンサートで揃ったのは久々。渡邉は、“ラストステージで奇跡のように全員が揃うのが、持ってるなーって思います”と少しおどけながらも、幸運に感謝した。
続いて、1期生の加藤史帆、3期生の上村ひなのからのメッセージVTRが流れる。2人は、渡邉とともに「リスペクトスリー」というユニット名で楽曲「やさしさが邪魔をする」を歌っているメンバー。加藤は、「ハッピーオーラ」で初センターを務めた際に渡邉に抱きしめられ、励まされた想い出を語る。上村も、いつも支えてくれる渡邉のことを“優しいお姉さん”とたとえる。VTR明けには、3人で「やさしさが邪魔をする」を久々に披露した。
今度は丹生明里のラジオ風ナレーションが流れる。ともに埼玉県出身の丹生、金村、渡邉は、かつては「埼玉トリオ」と名乗っていたが、ラジオ番組を通じて「カラーチャート」という正式ユニット名が生まれた。金村の家で誕生日パーティをした際にケーキ作りを失敗した話を披露しながら、“美穂は卒業しちゃうけど、カラーチャートは永遠です!”と締めくくった。そして、3人でユニット曲「あくびLetter」を歌唱した。
次は金村、松田好花、富田鈴花が出演するVTR。2期生が活動初期に撮影を行なった思い出深い学校スタジオで、卒業する渡邉のこれからについて話し合った。松田は“辞めてからも輝くんだろうなっていうのは想像つくので、不安な気持ちはないですね”、金村は“(卒業すると聞いて)未来のことをいろいろ考えちゃいましたね。あれするのかなーとか。卒業したらできることの幅が広くなるから”、富田は“逸材じゃん。どこに行ってもいろんな成果を出して活躍するんだろうなって”と渡邉への期待を語った。VTR明けには、2期生が初めてもらった楽曲「半分の記憶」を披露。VTRで感極まったのか、メンバーたちのすすり上げる声がマイクを通して聴こえてきた。
続いて、日向坂46の1stシングル収録曲「沈黙が愛なら」をパフォーマンス。ライブで披露する機会が少ない曲だが、今回は歌唱に重点を置いた特別な振り付けで届けた。
そして、1期生の久美、齊藤京子、高本彩花のVTRが流れる。グループ内外のドラマに出演し、グループきっての演技力を見せてきた渡邉について、久美は“切り替えがすごい。よーいスタートってなった瞬間に、目つきが変わって、何回も置いていかれた”、高本は“台本に書いてないのに美穂が泣いてたの。気合いが違うなって思った”、齊藤は“お芝居とかに対する意欲がホントにすごい子なので、頑張ってほしい”と語った。その後、全体曲の「青春の馬」を歌唱。曲中、小坂菜緒が濱岸ひよりの手を取って前に出る振り付けがあるが、今日は小坂が渡邉の手を取り、一緒に踊るというくだりもあった。
ここで「ミホワタナベのクイズコーナー」へ。「おみそしるコンビ」と呼ばれる河田陽菜と丹生の司会で、1期生と3期生に対して渡邉に関するクイズを出題。勝った方は渡邉と楽曲をパフォーマンスできるという趣旨だ。第1問は、松田が出題。“美穂の家のリビングの机の上に必ず置いてある3点セットと言えば、ウェットティッシュ、ティッシュペーパー、あと1つは?”という問いに、加藤は「プロテイン」などと微妙なボケをはさみつつ、正解の“リップクリーム”を回答。続く2問目は富田鈴花から。“美穂が初期のころから履いているレッスン着。どうしても気になることが……”という問いに、これも加藤が“糸が出てる”と正解。3問目は金村からの出題。“寝癖がついてても可愛い美穂ちゃんですが、美穂が寝癖がひどい時に必ずやることと言えば”という問いに、3期生の髙橋未来虹が“(自撮りの)写真を送る”と見事正解。最後の問題は丹生から出題。ここまでで1期生が1ポイントリードしていたが、最後はお約束どおり1万ポイントのボーナス問題。“美穂、みほちー、キョロちゃんなどいろいろなあだ名がある美穂ですが、私、丹生あかりだけが唯一呼んでいるあだ名は?”というマニアックな問題に、上村が“みほる”という正解を出した。
これで、クイズに勝った3期生と渡邉がパフォーマンスすることに。曲は、渡邉がずっとやりたいと言っていたという3期生曲「Right?」。10代の4人に囲まれて、渡邉も元気よく踊った。しかし曲終わり、舞台袖からステージをのぞく1期生の姿が。影山優佳が“今日だけは先輩の圧力かけるから。やりたいよね?”と渡邉を詰め、結局は1期生ともパフォーマンスすることに。楽曲は「それでも歩いてる」。渡邉がグループに加入した当初、オーディションを経て2期生の中で1人だけ出演することになったドラマ『Re:Mind』の主題歌だ。曲中、椅子の上を順番に歩いていくシーンでは、渡邉が先頭に立ち、1期生が続いた。
再びMCコーナーに移ると、久美が渡邉に対して“最初よりぜんぜん悲しくなさそうなんだけど”と鋭い指摘。ライブ冒頭では涙をこらえていたにも関わらず、今は笑顔になっている渡邉は、“みんなと踊るの楽しすぎて、最後だって忘れちゃうんですよ”とその理由を語った。ここで、サプライズが。日向坂46の冠番組『日向坂で会いましょう』の司会を務めるオードリーからのビデオメッセージが流された。若林が“ひなあい、何週間かに1回苦しい企画もありますけど、諦めず前へ前へと何かを起こそうとする渡邉さんの姿勢、目に焼き付いております”と称えれば、春日も“我々は何度も救われましたよ”と語る。
ここからはライブ終盤。最新シングルの表題曲「僕なんか」、渡邉が齊藤とともにセンターを務める「NO WAR in the future 2020」、最新シングルの2期生曲で渡邉がセンターを務める「恋した魚は空を飛ぶ」、そして「誰よりも高く跳べ!2020」をパフォーマンス。「誰よりも高く跳べ!2020」では、冒頭のイントロで渡邉の決めポーズ“ガオー”を全員でやったほか、大サビ前には久美に促された渡邉が“おひさま(日向坂46ファンの総称)、跳べー!”と絶叫した。
グループを代表する楽曲の最後のパフォーマンスで煽りを担当した渡邉は、感極まって号泣しながら歌い終えた。そして本編最後は、最新シングルから「飛行機雲ができる理由」を渡邉がセンターで歌唱。歌い終わった時、久美は“私たちメンバーも、こうして最後の瞬間を噛み締めながらパフォーマンスできたのは、幸せだったなと思います”と語った。
アンコールには、日向坂46のグループカラーである空色のドレスを身にまとった渡邉が1人でステージに登場。“アンコールありがとうございます。わー、ドキドキしますね”と言いながら、卒業のスピーチを行なった。
“正直、ずっと実感が沸かなくて。今この瞬間も私本当に卒業するのかなって思うくらい、ホントに信じられないですね。それくらい日向坂46っていうものが私の人生の一分になっていて、それがこれからなくなるってぜんぜん想像できないんですよ。でも、それってすごく寂しいことだと思うんですけど、幸せだなって思って。メンバーって家族みたいな存在で、メンバー以外にも支えてくださる周りの方や、おひさまのみなさんもホントに私にとってはとっても大切で。そんな人たちの囲まれて、今この場を迎えられるってホントに幸せだなって思います”
その後は、加入してからの5年間でアイドルとしても人間としても成長させてもらえたこと、握手会などで自分も誰かの希望になれているのかなと思えたこと、そして1期生、2期生、3期生への言葉を述べた。
最後は、“私はこれから、また違った道を私の足で歩き始めますが、もっとなりたい自分になって、また違った形でみなさんと会えるのを楽しみにしてます。長くなりましたが、このへんで締めさせていただきたいなと思います。ホントに5年間、ありがとうございました”と言って、涙ながらにスピーチを終えた。
ここで2期生が登場。金村が“美穂だからこそこんなにたくさんの人に愛されてたんだよって言いたくて”と伝えれば、渡邉とよく買い物に行くという濱岸ひよりが“これからも焼き肉いっぱい行きたいね”と続くと、渡邉も“まだみんなに会えるからさ、そんなにグーッと来る感じじゃないんだよね。私普通すぎるよね?”と今の正直な心境を語った。
そして、2期生と上村ひなのからのサプライズが。富田のピアノの伴奏で、渡邉を囲んで「君のため何ができるだろう」を歌唱。思いもしなかったはなむけの歌を聞きながら、渡邉は再び号泣していた。
そして1期生やほかの3期生も登場して、改めて渡邉を囲む。公私ともに仲のいい小坂菜緒は、“私は2期生で入ってきて、美穂とすごい親しい存在っていうか。先輩と一緒に混ざってお仕事することも多かったり、2人で前に立つこともけっこう多くて。だからこそ悩んでたこととか、活動に対して思うことがどんど2人とも似てきて。同じ感情を共有できるような仲間に出会えて、それ自体がすごく心強かったし。個人的な話になっちゃうんですけど、私が少し長い間、お休みをしてたんですけど、その間もずっと美穂が私を離さないでいてくれて。それが私がここに戻ってくるきっかけにもなってたし、もしかしてそれがなかったら私は今ここに立ててないかもしれないなって思ってた”と、2人の絆と運命を感じるエピソードを語った。
3期生の髙橋未来虹は、渡邉と「Right?」をパフォーマンスしたことで“3期生にすごく愛を注いでくれたんだなって気づけた”と言い、渡邉がドラマ『声春っ!』で演じた尼崎あまね役の髪型で今日はステージに立っていたことを明かした。
最後は、キャプテンの久美が“私たちはみんな絶対に美穂の味方だし、おひさまも味方してくれるから、これからも胸を張って頑張ってください”とエールを送る。そして本当に最後の曲、「JOYFUL LOVE」を歌ってセレモニーを終えた。
ライブ後、ステージに1人残り、会場のファンとひと通り目を合わせた渡邉は、“私の5年間いたこのグループを、改めて、みなさんで守り続けてください。ありがとうございました”と言ってステージを後にした。
グループ初の卒業セレモニーは、主役の渡邉美穂がやりたいことが詰まっていると同時に、メンバーからの愛が詰まったイベントになった。
さまざまなメンバーが語っていたように、どんな時もムードメーカーとしてグループを明るくし、その努力する姿勢でメンバーを鼓舞し続けてきた渡邉美穂。
現在、日向坂46は新メンバーのオーディション中だが、本人はいなくなっても、渡邉がグループに残した明るいパワーは受け継がれていくだろう。