SAY-LA[ライブレポート]進化した姿を見せつけた渋谷ストリームホールワンマン公演
Pop'n'Roll 編集部
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SAY-LAが、5月5日(木・祝)に渋谷ストリームホールでワンマン公演<レコチョク presents SAY-LA early summer one man 2022 supported by WIZY>を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。
SAY-LA<レコチョク presents SAY-LA early summer one man 2022 supported by WIZY>渋谷ストリームホール(2022年5月5日)
取材&文:長澤智典
撮影:本間裕介
どんなことがあっても挫けることなく、仲間たちと一緒に、自分たちの足で未来へ向かって歩き続ける。強い意志を示した「YES, 肯定ペンギン」から、ライブはスタート。新衣装姿での登場も、胸をときめかせた。サビで、7人のメンバーが心地好く跳ねながら、頭上高く掲げたタオルを振り回す。その姿へ想いを重ねるように、フロア中の人たちも、タオルや色とりどりのペンライトをくるくる回していた。お尻を可愛く振りながら輪を描くように行進するダンスも愛らしい。上手な生き方など、できなくていい。こうやって仲間たちと一緒に、無邪気な笑顔を浮かべ、心を1つにしていく。こんな楽しい贅沢は、普段の生活ではなかなか得られない。
続いて披露したのが、“君なんて大嫌い 本当は大好き”と裏腹な感情を歌った「感情リバーシブル」。この曲のリリース時期に、星奈さなが受験のために活動を止め、一時期SAY-LAを離れた。その曲を、大学生になった星奈さなも加わり歌い躍るステージを観ながら、いろんな想いが込み上げてきた。最後に、星奈さなに愛らしい声で“ごめんね”と言われ、ドキッとせずにいれなかった。
SAY-LAは、冒頭から胸を熱く騒がせる曲たちを次々と歌い、この会場に熱気を作り上げる。「胸熱アンドロメダ」を通し、訪れた人たちのハートへ、ひと足早い、夏特有の“素敵なドラマが生まれそうなドキドキとした気持ち”を注ぎ込んでいく。早くも胸熱な気分だ。
メドレーコーナーでは、「1/2 x2」「友達ウェディングベル」「星に願いを」「ガチ恋ペペロンチーノ」「愛呼吸」と、恋する乙女心を、彼女たちはさまざまなシチュエーションや心模様に変え、愛情たっぷりに伝えてきた。幸せな気持ちをいっぱい詰め込んだメドレーコーナーを通し、SAY-LAがいろんな形の“愛”を届けてくれた。彼女たちの恋に揺れる心模様に共鳴するだけではなく、疑似恋愛気分で、次々流れる曲たちを味わえていたのも嬉しかった。
悲しいことが今、世界中で起きている。だからこそ、少しでも人々の欠けた心の幸せを埋めようと、7人は力強く「かけがえないLove & Peace」を歌っていた。この歌が、すぐに世界中へ響くわけではない。でも、今、目の前にいる人たちが幸せを覚えられたら。その幸せは少しずつ伝播し、いろんな場所や人へ伝わっていく。そんな願いを込めながら、同じ時代を生きている仲間たちへ向け、彼女たちは「かけがえないLove & Peace」を歌っていた。
みんなで幸せの花を見つけにいこうと。SAY-LAは「水色ラフレシア」を力強く歌い出した。SAY-LAが世の中へ向けて発信した、幸せで心を埋めようとする想い。なかなか答えは出せないかも知れない。でも、心の中で育みながら、彼女たちが伝えてきた思いをいつか花咲かせたい。
次に歌ったのが、現在配信リリース中、藤沢泉美のソロバラード曲の「THIS IS ME~心の泉~」。生誕祭などの特別な日でしか聴けない歌を、ワンマン公演の場でも届けてくれたのが嬉しかった。この曲では、藤沢泉美自身が胸に抱いている想いや、支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを歌にしている。彼女の心の泉からとめどなく湧き出る想い。生誕祭だけではなく、またどこかで耳にしたい。
ここから、夏を幕開けようと力強く宣言するように、両手にポンポンを手にしたメンバーたちがチアダンスを踊り出した。この会場へ熱い夏の風を呼び込むように、華やかなチアダンスを披露。印象深いギターのフレーズへ導かれるように、メンバーらが満面の笑顔で「正統派の夏が来る」を歌い出した途端、胸を熱く騒がせる感情が一気に身体を貫いた。彼女たちと同じ動きをしながらはしゃぎたい。夏に感じる止めどない衝動が、「正統派の夏が来る」へ触れている間中、ずっと身体の中を駆け巡っていた。
余談だが、藤沢泉美は過去にチアダンスの経験があるどころか、全米でNo.1に輝いたチームの中で活動していた経験があることや、今回のチアダンスの振り付けも藤沢泉美自身が手がけたことをMCで語っていた。
次に披露したのが、パスタシリーズの中から「純愛ペスカトーレ」と「黒歴史イカスミパスタ」。異なる曲調を用いて、彼女たちは恋する女性のドキドキした恋心を、乙女心と大人の女性の艶めいた恋心に分けて届けてきた。「純愛ペスカトーレ」で見せたピュアな眩しい恋心。「黒歴史イカスミパスタ」では恋の傷を持つ大人の女性になり、艶気交じりに歌っていたように、そこへ恋する女性の多面的な心模様を感じていた。
彼女たちが、今も胸に掲げ続けている日本武道館に立つ想い。ファンたちと約束したその想いがいつ叶うのかはまだわからない。でも「約束の三年目 今ここから描き出す物語」を聴くたびに、その夢を一緒に追い掛ける仲間でいられていることが嬉しくなる。叶わない夢はない……とは言わない。叶えようと気持ちを動かす夢が、SAY-LAから、SAY-LAを形作るメンバーたちから輝きを奪うことはない。その夢、まだまだ一緒に追い続けようじゃないか。
次に披露したのが、新曲の「BBQマシュマロ」。夏に相応しいトロピカルでエレクトリックなダンスチューンなのが嬉しい驚きだ。SAY-LAの中にアゲアゲなダンス曲の誕生だ。しかも、リードやラップをももちももが担当。ラップのリリックは、ももちもも自身の体験談を元にしている。どんな内容を歌っているのかは、ライブで直接確かめてもらいたい。ももちももは、この曲でラップを担当したことから、SAY-LAのラッパーを宣言。今後もラップ曲が誕生するか定かではないが、彼女の想いはしっかり受け止めておこう。
ライブも終盤へ。ここからは、大勢の人たちをSAY-LAの虜にしていった「I LOVE YOU」「BELIEVE」「こじらせ片想い」と3連打。胸の内に秘めた恋心を告白するように届けた、「I LOVE YOU」。明日世界が終わっても後悔したくない生き方をと高らかに歌い上げた『BELIEVE』。メンバーらの“君が好きです”の歌声に、フロア中の人たちが心の中で“俺もー!”と絶叫した「こじらせ片想い」。アイドルとファンたちの境界線にある両想いを塞ぐ高い壁。互いに片想いをぶつけあうからこそ、異常に気持ちが高ぶるのも事実。だから彼女たちの歌う“君が好きです”の声に想いを堪えきれずに、心が“俺もー!”“誰よりもー!”と叫んでしまう。
最後に、小椋妃奈乃が舞台に登場。5月22日(日)のライブより復帰することを語ってくれた。間もなく、8人体制のSAY-LAが戻ってくる。その姿で、今年は全国ツアーを行なうことも決まった。その先の未来、楽しみになってきた。