工藤遥[イベントレポート]撮影時の苦労を告白「血のりなどで汚されて、途中でどうなるんだろうと思っていました」映画『ツーアウトフルベース』上映前舞台挨拶にて
Pop'n'Roll 編集部
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工藤遥が、本日3月26日(土)に新宿バルト9 スクリーン9で開催された映画『ツーアウトフルベース』上映前舞台挨拶に登壇した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けしよう。
<映画『ツーアウトフルベース』上映前舞台挨拶>新宿バルト9 スクリーン9(2022年3月26日)
公開記念舞台挨拶では、満席の会場に溢れんばかりの拍手で迎えられて、イチ役の阿部顕嵐、ハチ役の板垣瑞生、早紀役の工藤遥、ヒロポン役の後藤剛範、企画プロデュース/アントニオ役の新羅慎二、藤澤浩和監督が登場。
初主演でイチ役を演じた阿部顕嵐は“今日は、足を運んでくださってありがとうございます! この時間から映画を観ていただけて嬉しいです”と会場の観客に感謝を伝え、ハチ役の板垣瑞生は“くだらない1日は最高なんだなって感じてほしいです”と、映画を見どころを交えて挨拶。
早紀役の工藤遥は同作がハードな内容かもしれないと前置きをした上で、“女子1人で奮闘しているので、そこにも注目してほしい!”とコメントし、“アトラクションみたいな感じで楽しい映画になっています”とヒロポン役の後藤剛範も続けた。
アントニオ役と企画プロデューサーも務めた新羅慎二は“この映画をみなさんのもとに届けることができて、さらにそこからたくさんの人のもとに届きロングランできたらいいな”と、公開の喜びとたくさんの人に届いてほしい想いを伝えた。藤澤監督は“いろんなことが起こる作品です。普遍的な中、前を向こうというメッセージが込められている作品です”と公開できた喜びを嚙みしめながら、感謝の気持ちを伝えた。
昨日3月25日(金)に、公開初日を迎えて今の気持ちを改めて聞かれると、阿部はまず“実は昨日この場所で観ました!”と告白し、あとから監督と阿部も同じ回を後方席で観たことを明かした。
阿部は初日に劇場で観客を交えて作品を観た感想を“みなさんと同じ空間で映画を観て、笑ってくれたり、終わったあとに心が動いているような空気が振動するのを感じた気がしました。それを感じられることが映画の醍醐味だと思います”と、肌で観客の感触を感じられた喜びを口にした。
板垣は、同作がハードな内容だけに“世に出ていいのか不安でした”と吐露しながら、“全力で遊んで楽しんで作ったので、遊ぶのはよいことと伝わったらいいな”と、撮影に楽しんで挑めたことを述べた。
工藤は、撮影中にさまざまなことがあって、完成映像がなかなか観られない時もあったことを告白し、劇中では血ノリなどでひどい恰好が多かった早紀役に対して“新しい役への挑戦でした。ただ毎朝綺麗にメイクしてもらっても、すぐ血のりなどで汚されて、途中でどうなるんだろうと思っていたけれど、完成したものを観たら頑張った甲斐があったなと思ました!”と笑顔で語り、工藤と同作で3回連続共演しているという後藤は“その前の役では可愛いらしい役が多かったので、この映画を観てギャップがすごい! この人は本当はどういう人なのかなと思いました”とコメントすると、周りからも“素に近いのかな?”とツッコまれて、“違います!”と仲のよさが伝わる一面も見せた。
新羅は“大人が遊んだ結果こうなりました”と伝え、企画プロデューサーの立場からも音楽の現場と近い現場であったことを明かしながら“遊びの中でアイディアやクリエティブが生まれて、みんなで話ながらできたので映画楽しいなと思いました”と現場への想いを話した。
阿部は、元高校球児で堕落したイチ役を“イチは1日を普段はダラダラと堕落して過ごす人。でも、劇中では1日を一生懸命に生きて、ジェットコースターみたいな1日を通して、人間性も少し成長していくようなキャラクター”と振り返った。
イチの相棒役となるハチを演じた板垣は、“ハチの大きな動きは癖としてあるのかな?”と身振り手振りの大きさや劇中での犬のモノマネがハチを象徴しているとコメント。
イチとハチと同じ野球部のマネージャー早紀を演じた工藤は、2人との共演を“初めてお会いした時から、バディ感があって、2人の空気感が出来上がっていてカメラが回っていなくても変わらないので、やりやすかったです。実年齢は違うけれど、同級生で昔からの知り合いのような安心感がありました”と述べた。
最恐の不良ヒロポンを演じた後藤は、参考にした人や作品について聞かれると、“ぶっちゃけ新羅さんを参考にしました”と、新羅本人を目の前に初告白。同作の前に共演した作品で、新羅がヤクザを演じていたことから“迫力やパッションがすごかった。今回、新羅さんがプロデューサーだからこそ、その要素を入れたかった”と、新羅ならどう演じるのかを想像しながら撮影に臨んでいたことを語った。そう言われた新羅は、“俺、あんな歩き方してないよ!”と驚きの様子を見せつつも、後藤に“バッド持って振るシーンの前に歩いてるシーンのケツよかったよね”と評すると、同作のために“ケツと背中を鍛えました”と打ち明けた。
新羅は、企画プロデューサーとして大変だったことを問われると“全然ない”と即答するも、“一丸となって乗り切ったので、大変だったけど誇らしいところ”と大変さもプラスに捉え、“映画は総合芸術と言われているので、アーティストとしてもいつかは映画に携わりたいと思っていました。今回、総合芸術に触れられて楽しかったです”と、企画プロデューサーを経験できた喜びを口にした。
想い出のシーンについては、藤澤監督は、リハーサルをやっている時から画面に入っていないところでも役者たちがたくさん動いていて、ハチとイチがナンパをするシーンで2人がアドリブで演じているところなどを含めて“スタートからカットまで生きるように演じてくださった”と答え、キャストに感謝も伝えた。
阿部は、全員集合の駐車場でのシーンが、いい意味でほぼぶっつけ本番でアイディアのぶつけ合いとなったとし、台本を読んだだけではわからなかったことを“僕の予想外のことが多くて、それを生で受けることができて楽しかったです”とコメント。同シーンでは、後藤が車から降りてくることですら予想外だったことを打ち明けると、後藤からも“自分がどんな動きをしていたかは覚えていないけど、顕嵐がリアクションをしていたのは覚えている”と、現場の熱量が高かったことを感じさせた。
板垣は景色のよいあるシーンを挙げ、出来上がった本編を観た上でも“あのシーンだけ唯一あったかいなって感じた”と述べた。
工藤はマフィア映画好きなヤクザ・オニヘイ役の渋川清彦と対峙するシーンとし、“緊張感もあって、体当たりなシーンです”とコメントすると、阿部がすかさず“(クエンティン・)タランティーノの『トゥルー・ロマンス』ね”と続けて、“映画好きな人ならわかるような、映画好きが作ったオマージュがたくさんあります!”と今作の新たな見どころをアピール。さらに、渋川演じるオニヘイが映画しりとりをやっているシーンも注目と述べて、“この映画を通して、ほかの映画にも興味を持ってほしい”と映画への熱い想いを口にした。
後藤も渋川との対峙するシーンを振り返り“ここは頑張らないと思って演じていたら、頑張りすぎて一瞬気を失いました”と告白。それに対して監督は気づかず、役者魂を見せる場面となった。
藤澤監督からは、主題歌と7ORDERの「レスポール」を聴いてからセリフを変えた箇所があったことが明かされ、“内田(英治)さんの脚本をもとにみんなで脚本を練って、リハーサルを重ねて、その影響を受けて直したところがありました”と、スタッフが1つになって作り上げたことを伺わせた。
最後に、藤澤監督は“映画は観てもらって完成するので、この機会に観ていただきありがとうございます”、板垣は“めちゃくちゃバカ笑えるので、バカ笑いたい人は来てください!”、阿部は“この映画を観て、1日1日を大切に生きていきたいと思ってもらえたら嬉しいです。ただ、自由に何も思わず観てもらっても嬉しいです!”と語り、公開記念舞台挨拶を締めくくった。