早瀬ノエル(FRUITS ZIPPER)[インタビュー]表現者として思い描く未来図「誰かがつらい思いをしている時に寄り添えるような存在になりたい」

早瀬ノエル(FRUITS ZIPPER)[インタビュー]表現者として思い描く未来図「誰かがつらい思いをしている時に寄り添えるような存在になりたい」 早瀬ノエル(FRUITS ZIPPER)インタビュー

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2022.03.31
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アイドル文化を世界に向けて発信する、アソビシステムの新プロジェクト『KAWAII LAB.』より誕生した新アイドルグループ、FRUITS ZIPPER。元むすびズムのリーダーの木村ミサがプロデュースを手がけ、“原宿から世界へ”をコンセプトにこれから精力的な活動を展開していく。今回、Pop’n’Rollでは、そんな大きな可能性を感じさせるFRUITS ZIPPERの特集を実施。ソロインタビューを7日間に渡ってお届けする。本日は、早瀬ノエルに登場してもらった。

撮影:河邉有実莉

いずれはDTMで作曲などもしてみたい

ーーまずは自己紹介をお願いします。

早瀬ノエル:
はじめまして、早瀬ノエルです。18歳のグループの最年少で、ドイツと日本のハーフです。今はインターナショナルスクールに通いながら活動してます。よろしくお願いします。

ーー早瀬さんは、DTM(デスクトップミュージック/パソコンを使った音楽制作のこと)をしているんですよね?

早瀬ノエル:
私はもともと音楽が好きで、その中でもボカロというジャンルにすごい魅力を感じたんです。ボカロ曲は生の人間が歌うためにできていないので、歌うことがすごく難しい楽曲が多くて歌い甲斐があるのですが、それらの曲を歌いこなす歌い手の方たちを見て、“カッコいいな”と思ったのが最初でした。なので、憧れの歌い手さんたちのようにYouTubeを始めて、歌ってみた動画を投稿しようと思ったんです。普通ならMIX師さんに歌の編集をお願いすることが多いと思うのですが、そのためにはお金がかかってしまい、当時高校生だった私には難しくて。だったら自分でできるようになった方が早いし、きっとカッコいいなと思って、兄がすでに持っていたDTMのソフトをもらって、使い方なども調べたり兄に教えてもらったりしたんです。その方が自分が納得のいくところまで制作できますし、それが自分の成長に繋がると思いました。それにいずれは自分で作曲などもしてみたいので、今のうちにいろいろ知っておくのもいいなと思っています。

ーーDTMの機材は何を使っているのですか?

早瀬ノエル:
自分が使ってるものは、録音と編集をするのに必要最低限な物のみです。DAWは、AppleのLogic Pro Xです。兄が自分のノートパソコンを買った時に付属であったものを私のパソコンにインストールしてもらいました。パソコンはコロナ禍で学校が一時的に休校になってオンライン授業になった際に自分用のものを親が買ってくれました。オーディオインタフェースは、RODEのNT-USBというマイクのみです。これは頑張って自分で買いました。RODEのマイクはとても質のよいものが多いみたいです。それとUSBだと接続に苦労しなくていいですね。私は特に機械に詳しいわけではないので、簡単に使えるのが嬉しいです。NT-USBは、お手頃なお値段でいい音質で使いやすいので、私みたいな初心者さんにおすすめです。あと録音する際には絶対にイヤホンやヘッドホンが必要で、一時期普通に音楽を聴くために買ったSENNHEISERのHD 350BTを使っていたのですが、ワイヤレスなので録音の際に音がズレてしまったり謎にパソコンに繋げられなくなったりしたので、今はAirPodsを使ってます。

ーーイラストも得意だそうですが、普段はどんなものを描いているのですか?

早瀬ノエル:
すごい上手なわけではなく本当に趣味程度な感じではあるのですが、私はアニメが好きなのでアニメよりの絵柄が多い気がします。あとはアボガド6さんやバンクシーさんのような、絵だけではなくちゃんと深い意味があるようなイラストも好きなので、そう言った感じのものも描いたりします。個人的には水彩画だったりアナログのイラストも大好きなのですが、描いているうちに納得がいかなくなって何回も描き直したりすると、紙に跡がついてしまったりして大変なので、デジタルでイラストを描いてます。最初はiPadで『アイビスペイント』というアプリを使ってたのですが、今は『procreate』を使ってます。イラストはスランプになりがちで、あまり頻繁には描かないので徐々に練習していって、慣れたらアナログにも挑戦してみたいですね。

ーーアイドル活動を始めるまでに、1 番頑張ったことを教えてください。

早瀬ノエル:
事務所でのレッスンです。ダンスに関しては、レッスンを本格的に経験しているのはバレエだけだったんです。踊ることはとても好きなので、他ジャンルなどに手を出してみてはいたものの、K-POP系のスタジオに数回行ったくらいで習ったことはほぼなくて、ほとんど独学で基礎的な部分がしっかりしていなくて。なので、先生が指摘してくださるところを精一杯スポンジになったような感覚で、なるべく全部吸収しようと頑張りました。ボイトレも、準備期間前に2回行ったきりでコロナ禍で通えていなかったので、正しい歌い方を知らないままずっと歌の投稿をしていました。なので、ボイトレは特にイチから始めるような感じで、指導に頑張ってついて行きました。トークレッスンというもの自体は、まったく新しいもので本当に何もわからなかったので、先生が教えてくださることを1つひとつ聞き逃さないようにしていました。多分学校の授業でさえこんなに必死に食らいつこうと思っていなかったです(笑)。でも、指導をしていただいてから少し経って、先生方からお褒めの言葉をいただいた時にはやっぱり頑張った甲斐があったと思いました。これからも、もっと吸収して成長できるように必死に頑張ります!

ーー表現者として、自分に最も影響を与えた人を教えてください。

早瀬ノエル:
自分の中で1番大きな存在はまふまふさんです。知るきっかけとなったのは私の親友です。彼女がまふまふさんが組んでいるユニットのAfter the Rainにハマっていた頃ずっと私に“聴いてみて、聴いてみて”と勧めて来ていたのですが、最初はまったく関心を持てなくて、軽く受け流していました。でも、ある時親友とその友達の子がAfter the Rainのライブのチケットが運よく当たって1枚余るから一緒に行かないかと誘ってくれて。せっかく当たったチケットで誘ってもらったので、行ってみたことが入口となりました。顔がちゃんと見えるくらいの、すごいステージに近い席だったので、ライブをすごく楽しめたんです。楽曲の1つひとつに聴き入ってしまって、パフォーマンスにも飲まれてしまいました。本当に素晴らしいステージで、ファンの方々のペンライトもすごく綺麗で、私も同じ景色を見てみたいと思いましたし、私と同じように、誰かがつらい思いをしている時に寄り添えるような存在になりたいと思いました。まふまふさんの作るものは本当に大好きです。

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