Photo:菊島 明梨

ゑんら[ライブレポート]バンド生音と共に渾身パフォーマンス!4周年記念ワンマンで示した存在意義

Pop'n'Roll 編集部

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2022.03.19
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ゑんらが2022年3月19日に白金高輪SELENE b2にて4周年記念ワンマンライブ<威風堂々>を開催した。この日ゑんらは、周年ライブの恒例となっているフルバンドセットで全18曲を披露。 4年間の感謝と3人が貫き通した”ゑんら”という存在意義をファンへ示した。到着したオフィシャルレポートをお届けする。

ゑんら 4周年記念ワンマンライブ<威風堂々>

TEXT:石山喜将

”けむりのように変幻自在。枠にとらわれない。”をコンセプトに、木乃伊みさと、滝口ひかり、滝口きららの3人で、デビューからセルフプロデュースにより活動を続けている『ゑんら』(読み方:えんら)は、2018年2月のデビューから4年の歳月が経った。この4年間は、ゑんらにとって、紆余曲折があった。特に、新型コロナウイルス感染拡大の情勢は、ゑんらの活動にとって大きな影響をもたらした。しかし、彼女たちのゑんらへの強い想いは、初めて3人でステージに立った時から今まで変わらなかった。そして、この1年間も彼女たちなりに活動をずっと続けてきた。

そんな様々な背景がある中、デビュー4周年を記念して、白金高輪SELENE b2にてワンマンライブを実施。”ゑんら4周年”という記念すべきワンマンライブということで、後方まで埋まるほど、多くのファンが会場に詰めかけた。会場には所々にゑんらのコンセプトらしく、お札が貼られていた。

ゑんら周年LIVEの恒例となっているフルバンドセットで演奏。ギター2本、ベース、ドラム、マニピュレーターの5名で構成され、生音を奏でていた。

開演時間になると、バンドメンバーが先にステージに登壇。会場から拍手が巻き起こる。

その後、出囃子のSEとして、新曲「うらめしっく」のサウンドが流れ、会場のスクリーンにOPムービーが流れた。OPムービーは、コンセプトの”煙”の中からレトロな衣装に身を纏った3人が登場し、ネオン街が映し出される。様々なエフェクトを用いられたこの映像では、最後に大きな花火が映し出され、タイトル『威風堂々』と表示され、ムービーは終了。その後に、ゑんらのコンセプトの”和” “妖怪”のSEに変わり、会場に響き渡ると3人が登場。いよいよゑんらの4周年ワンマンLIVEがスタートした。

ゑんらは、グレーを基調にした、煙のロゴが入った大きな大きなスカートが特徴の新衣装を身に纏っていた。

Photo:菊島 明梨

ゑんらの4周年ワンマンライブのスタートは、2019年に実施した1万枚チャレンジの題材曲「妖怪ディスコ」。思い入れがある人も多いであろうこの楽曲を、バンドの厚みのあるサウンドをバックに歌い、踊るゑんらの3人。パワー漲るパフォーマンスを魅せ、サビではスポットライトを浴びながら、”ディスコ”とタイトルに入っている通り、大きく踊り、オーディエンスも一緒になって揺れていく。口火を切った1曲目から熱いアクトを魅せるゑんら。

このブロックでは、デビューからの時系列を遡るように、ゑんらスタートからこの4年間で歌い続けている楽曲を披露していく。

まずは、三位一体の歌声と綺麗で迫力のある演奏で魅了するミステリアスなナンバー「心中ミッドナイト遊園」を披露。<魑魅魍魎> <うらめしや>という掛け声の歌に合わせてジャンプするダンスが特徴で、会場が一体になってクラップしたり、ジャンプしたりして、熱を帯びはじめる。痺れるバンドサウンドの中で激しく踊る「ONORE」をドロップし、タオルを回すなど、さらに一体感を高めた。

さらに、迫力のあるギターサウンドが会場に響き渡り、身体を揺らすアッパーチューン「のっぺらぼう」、手を多用するダンスで、緩急のあるパフォーマンスを行ったポップナンバー「キミノセイ」と連続で披露。早速、非常に高い盛り上がりを見せるこのライブ。エネルギッシュな3人に、観客もしっかりと乗っていく姿が見られた。

Photo:菊島 明梨
Photo:菊島 明梨
Photo:菊島 明梨

しかし、まだまだゑんらは攻めていく。ここで、別パターンのSEが会場に鳴り響く。1人1人にスポットライトが当たり、3人がクラップをしていく。その後、ゆっくりとステージを移動。そして、妖艶に踊り上げる。クラップで呼応していくファン。熱がさらに帯びていく。SEを含めたパフォーマンスを行ったのち、次のブロックへと進む。

「アバンギャルドおばけ」では、ミクスチャー・サウンドがフルバンドで綺麗に奏でられ、その音楽に乗るように、華麗にパフォーマンスを魅せる3人。どんどんと魅惑し、ゑんらの世界観に観客を引き込んでいく。

その後は、バンドの生音の迫力に負けないほど、パワフルなアクトを展開したキラーチューン「アンバランス」でさらに気持ちを昂らせ、ゑんらの魅力がたっぷりと詰まった「迷い地縛霊」で勢いをさらに加速させる。次は、勢いのあるこのブロックに相反するようなバラード「君がいない」を披露。時にハモりを入れながら、しっとりと麗しげな3人の歌声で、存分に魅了。切ない世界観に引き込んでいった。

聴きやすいコード進行と綺麗なサウンドに合わせ、3人の美しい歌声を際立たせる楽曲「レトロ花子」では心を込めた歌を奏でつつ、移動や体を揺らすアクトで再びギアを上げ、バンドサウンドがさらに光る1stシングル「さよならを教えて」では、低音が鳴り響く中、力漲るパフォーマンスを披露し、再度ヒートアップさせ、このブロックを終えた。

11曲を連続で披露したところで、ようやくこの日初めてのMCを迎えた。

このMCで、ここまで連続で楽曲を披露したことに、木乃伊みさとは“MC抜きで、魅せるパフォーマンスでお届けしました”と述べた。その後、3人からゑんらを続けられたことに対して強い感謝を伝えていた。同時に成長を実感していると心の内を明かした。

ここで、一人一人コメントを残した。

滝口きらら:
4年やってきて、最初は本当にしんどいこととか結構あって、『本当にこの道で良かったのかな?』と思って、この芸能の道で良かったかなと思うことがあって、『芸能をやってなかったら、こんなことができたよな』と思うこともあったんですけど、この芸能も、ゑんらもやってなかったら、みんなに会えてなかったし、辛いこともあったけど、それも乗り越えて、今は毎日が楽しくて。この楽しい時期を過ごすために、今まで頑張ってきたんだなって、自信を持って言えるようになったのかなって今は思っています。今の活動を楽しんでできていることは、すごく良いことだなって最近思うので、5年目もよろしくじゃなくて、もっと先も続いていけるように、頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

滝口ひかり:
私は、結構深く考えているようで、別に考えてないんですよ、人生について。だから、今、ゑんらをやりたいから、今やっているんです。だから、『ひかりちゃんって生きづらそうだよね』と言われるんですけど、別にそんなことはなくて、すごく楽しく活動を、ずっと4年間続けています。私、言葉が下手なんです(笑)。BLOGの方が得意なんですよ。だから、ここで言いたいのは、『皆さん、ありがとうございます』というだけです。これからも頑張ります。

木乃伊みさと:
2人がほとんどのことを言ってくれたんですけど、本当に私たち、4年間、こうやって活動ができているということは、皆さんのおかげでもあり、関係者の皆さん、バンドの皆さん、関わってくれている皆さんのおかげでしかないと言って良いほど、ここまで支えられて、活動ができて、改めて、コロナ禍なのもあるし、行けなくなっちゃったとかあるじゃないですか。そういうこともある中で、こうやって足を運んで、私たちに会いにきてくれたり、配信見てくれたり、そういうことをしてくれるってすごい大事なことだなって。それこそ限られた人たちが、今ここに来てくれているんだなって思っております。いつも本当にありがとうございます。5年目も、個人的にも色々やっていきたいし、ゑんらもそろそろ、色々と発表ができるように頑張りたいと思うので、皆さん、よろしくお願いします。

ここで、ゑんらから2つの発表がなされた。

・ゑんら 「アバンギャルドおばけ」CD制作、発売(「アバンギャルドおばけ」、各ソロVer.収録)
・今回の公演<4周年記念ワンマンLIVE-威風堂々-。のDVD発売(詳細は後日、アナウンス)

ゑんらの4周年ワンマンライブの本編も終盤へ。

滝口きららが作詞したゑんらの楽曲の中で一番ストレートに感情を伝える「つぼみ」、歌舞伎をモチーフとしたダンスが特徴の、ゑんら始まりの楽曲「リンネ転生」を披露して再燃させる。そして、メンバー、ファンとの絆を描いた青春パンク調の楽曲「だいだらぼっち」で手を一緒に左右に振って、会場をさらに一つに。落ちサビで3人が手を合わせて、想いを共有していた。

そして、本編最後は、「オカルトブルー」をアクト。イントロで、力強いベースのスラップ音が響き渡り、以降、躍動する3人。爽やかなサウンドに対して、美しく歌い上げるゑんら。ファンもこのナンバーに呼応するように、クラップ、ジャンプで応える。このLIVEは、ゑんらの魅惑のサウンドを存分に感じられ、終始、会場全員を虜にしていた。

ゑんらの3人が一旦ステージから去ると、アンコールとして、会場からクラップが鳴り響いた。

Photo:菊島 明梨

そしてメンバーは、4周年記念Tシャツに着替え、再登場。アンコールに応え、楽曲を披露した。

アンコール1曲目は、2月の定期公演で初披露した「うらめしっく」を投下。激しいドラム音とギターの音がクロスする中、ターンや体を揺らすダンスを魅せる。今までゑんらの楽曲にありそうでなかった、この「うらめしっく」。滑らかに踊り、歌う。愉しげなダンスではありつつも、艶やかな歌声のギャップがすごく特徴の面白い楽曲だ。最後に拳を掲げ、この楽曲を終えた。

アンコール2曲目は、本編の一番最初に披露した「妖怪ディスコ」を再アクト。1曲目で披露した時よりも、高い盛り上がりを見せていた。

そしてこの4周年ワンマンライブは、ゑんら史上、最もダンスが激しく、ポップで面白さも含んだ盛り上がり必至の「ホラーかわいい」を披露。可愛さを存分にアピールしながらも、ハードに踊り、歌う。そして、間奏では、滝口ひかりが幽体離脱し、ファンのクラップによって魂を身体戻すという寸劇を行い楽しませていた。この「ホラーかわいい」によって、会場のボルテージは最高潮に達した。「ホラーかわいい」のラストで全員で大きくジャンプをし、ゑんらの4周年記念ワンマンライブ<威風堂々>は、大盛況で幕を閉じた。

Photo:菊島 明梨

全18曲、全身全霊、渾身のLIVEだった。

ゑんらが歩んだ4年間は、苦労も喜びもあった。その中で、彼女たちは自分たちなりに進んできた。彼女たちがゑんらを大切にしている気持ちは以前から公言している。それほど3人にとって、ゑんらはなくてはならない存在なのだ。だからこそ、彼女たちは、このグループに懸ける想いが強い。

これからもゑんらは、今回のライブタイトル通り、”威風堂々”、つまり勢いを付けて立派に進んでいくだろう。これからもゑんらが描くストーリーには目が離せない。

Photo:菊島 明梨

ゑんらの4周年記念ワンマンライブ<威風堂々>

2022年3月19日
白金高輪SELENE b2

セットリスト

SE①
M1 妖怪ディスコ
M2 心中ミッドナイト遊園
M3 ONORE
M4 のっぺらぼう
M5 キミノセイ
SE②
M6 アバンギャルドおばけ
M7 アンバランス
M8 迷い地縛霊
M9 君がいない
M10 レトロ花子
M11 さよならを教えて
M12 つぼみ
M13 リンネ転生(ロング)
M14 だいだらぼっち
M15 オカルトブルー

-アンコール-
M16 うらめしっく
M17 妖怪ディスコ
M18 ホラーかわいい