松本穂香[インタビュー]WOWOW開局30周年記念ドラマ『松尾スズキと30分の女優2』出演「初体験のことばっかりだったけど、それもひっくるめて面白い」
Pop'n'Roll 編集部
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松本穂香が、3月20日(日)23:00よりWOWOWプライムにて放送されるドラマ『松尾スズキと30分の女優2』の第2話「松本穂香の乱」に出演する。
各話30分となる同作は、劇団『大人計画』主宰でシアターコクーンの芸術監督、そしてコントの名手である松尾スズキが毎回1人の女優と組んでお送りするWOWOWオリジナルのオムニバスコントドラマの第2弾。3月13日(日)からWOWOWで放送をスタートし、WOWOWオンデマンドでは全4話を現在配信中だ。
本記事では、そんな同作の見どころや収録時のエピソードなどについて、松本穂香が語ったインタビューをお届けする。なお、インタビュアーはTVに関する著書やコラムを多数執筆し、TVの鑑賞記録を毎日のように更新し続けている、てれびのスキマが務めた。
――松尾スズキさんとコントをするという今回のオファーを受けるにあたって躊躇はなかったですか?
松本穂香:
躊躇はなかったですね。嬉しいな、ありがたいなっていう思いでしたね。
――今回に限らず松本さんは『WOW!いきなり本読み!』や『グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ』(いずれもWOWOWにて放送)など難しいチャレンジングな仕事をされている印象がありますが、仕事選びの基準は?
松本穂香:
なんだろうな。“これやらせたら面白いんじゃないか?”みたいなお話をマネージャーさんが受けてきてくれているので、私は基本的にマネージャーさんにお任せしています。それを信頼してやってみたら、『刃牙』とかでも多くの人からいい反響をいただいたので、なんとなく自分の向き/不向きみたいなのがわかってきましたね。
――自分に向いてると感じるのはどのような役柄ですか?
松本穂香:
ちょっとコミカルな役ですかね。『刃牙』で周りの関係者の方にも“あれがすごく素敵だったね”って言ってもらうことが多いので、ああいうテンションのものがきっと楽しそうに見えるんだなと思います。
――松本さんはもともとお笑いがお好きだったそうですが、子どもの頃はどんなコント番組をご覧になっていましたか?
松本穂香:
本当に小さい時だと『笑う犬』シリーズ(フジテレビ)とかが好きでした。『笑う犬』は最近また見返したりもしてますね。あと私は大阪出身なので、毎週土曜のお昼に『よしもと新喜劇』(毎日放送)をやっていたので、それはいつも観てました。
――子どもの頃、特に好きだった演者さんやコントは?
松本穂香:
内村(光良)さんが好きですね。コントでは、すぐにいろんな場所に飛ばされちゃう“小須田部長”がすごい好きでした。“頑張れ〜、負けるな〜”って(笑)。内村さんがやられるコントは大体好きです。楽しそうなんですよね。楽しんで自由に演じられているのを観るとこっちも楽しいって思うんですよね。
――松本さんは『コントの日』(NHK)や『ただ今、コント中。』(フジテレビ)などで芸人さんともコントをされていますが、今回のコントと違いがありましたか?
松本穂香:
うーん、でも“そんなに違いっていう違いはないのかな?”って思います。スタジオじゃなく、ちゃんと時間かけて移動して、ロケをするみたいなところは違うかもしれないですけど、周りの方がみなさん役者さんでも根本的なものは変わらないかもしれないですね。多分、芸人さんたちも真面目にやって面白く見せようという風にやられたりもしているだろうし、役者さんでもアドリブをすごいぶっこんできたりもしますし。正直、あんまり違いはわからないですね。
――今回の台本を最初に読んだ時の率直な感想は?
松本穂香:
全然想像つかなかったですね(笑)。ここでこういう顔になるって書いてあるけど、“どんな表情をすればいいんだろう?”とか。行ってみないとわからないなぁっていうドキドキ感はすごくあって、そういうのもひっくるめて面白い台本でした。
――実際に松尾さんとコントで共演してみていかがでしたか?
松本穂香:
面白かったです。とにかく面白かった! “おじさん”っていろんなおじさんがいますけど、世代も性別も違うから、笑いのツボが違うこともあるじゃないですか。でも、世代も全然違うのにこんなに面白いおじさんがいるんだっていう。あんまりおじさんって連呼するとよくないですけど(笑)。衝撃がすごくありました。
――今回演じてみて難しかった部分は?
松本穂香:
こういう格好するのも初めてとか初体験のことばっかりだったけど、それもひっくるめて面白いなって感じでした。歌舞伎も当然踊れないんですけど、もう難しいっていうよりも、できないのもちょっと面白かったなっていう感じですね。
――歌舞伎はどのようにして練習したのですか?
松本穂香:
横でお父さん役として踊ってくださってた藤間貴雅さんに教えていただきました。なので本番中も横目で見てましたね(笑)。
――皆川猿時さんとのギャグ合戦もありましたね。
松本穂香:
あれが多分1番練習したと思います。リズム感とか間とか。“そこはこういった方がリズム感がいいんじゃない?”って松尾さんが言ってくれたりして、“これで大丈夫ですか。ホントに?”って不安に思いながらやってるところはありましたけど。でも猿時さんが面白い担当でいてくれるので、私はただただ一生懸命やりました(笑)。
――アドリブはありましたか?
松本穂香:
アドリブもありましたね。上に乗っかられたりとかビンタされたりとか。「そっすね」とかも台本以上にマウスピースを外したり付けたりして。リハーサルの3倍ぐらいやってたんじゃないですかね?(笑)。
――コントで笑いを生むために大事なことは何だと思いますか?
松本穂香:
えー、なんだろう? 松尾さんのように、やりたいことやりたいようにやるってことですかね。楽しそうにやりたいことやってるっていうのが、もうそれだけで意味がわからない世界観だったとしても面白いなって思ってもらえて、響く人には響くだろうし。ふざけたことでも真面目にやってれば面白く見えるのかなあってずっと思ってたんですけど、それだけでもないなっていうのを今回やってみて感じたりもしました。いろんな面白さがあるんだなって。
――今回、どんな演出でしたか?
松本穂香:
監督もいらっしゃったんですけど、松尾さんもちょこちょこ演出してくださってましたね。松尾さんからは、始めは弱々しいトーンで言ってたセリフがあったんですけど、そこはもっと強く返したら向こうがシュンとなるからって。シュンってなる猿時さんが面白いからと。確かにそこまで想像しないといけないんだと思いました。すごく単純なことなんですけど、芝居をする上で、相手がどうなるかっていうのを想像して、自分の言い方を変えるっていう、めちゃめちゃ初歩的なことなんですけど。ちゃんとそこまで考えないと、単純に“楽しい!”っていうのだけでやってちゃ、面白いものもできないなとわかって勉強になりました。
ーー出来上がったものをご覧になったと思うんですけど、その感想は?
松本穂香:
ちょっと恥ずかしい(笑)。めちゃめちゃ自分がはしゃいでいるというか。台本に“忘我の境地”と書かれててたんですけど、普段のお芝居で、顔芸じゃないですけど、顔だけで表現することがあまりないので、“これ大丈夫かな、観た人にどう映るんだろう?”って。もちろん松尾さんとかはすごい面白いんですけど、自分の演技が面白くなってるかが客観的にちょっとわからなかったので、面白いって言ってもらえたらいいなって感じですね。
ーー最後に今回特にここを観てほしいというシーンは?
松本穂香:
「歌舞伎中継」だったら見得をきる寄り目。ただの寄り目かもしれないですけど、本当に何回も撮ったので観てもらいたいですね。あとは私のシーンというよりかはもう周りの方がすごくキャラが濃くて面白い。松尾さんの“スチームパンクおじさん”が私の“推しキャラ”です。あと「スニーキー狩り」は天海祐希さんの第2章に繋がっているので注目して観ていただければ。
スタイリング:李靖華
ヘアメイク:尾曲いずみ(STORM inc.)
ライター:てれびのスキマ
カメラマン:山本れお