【ライブレポート】ミライスカート、これからも走り続ける決意を示したバンド編成ワンマン「ミライスカートの名前を背負ってずーっと活動していく」
Pop'n'Roll 編集部
Pop'n'Roll 編集部
-
ポスト
-
シェア
-
ブックマーク
取材・文:長澤智典
撮影:新原英紀
ミライスカートが、4月6日(土)新宿MARZを舞台にバンドを従え<ミライスカートバンド ワンマンinマーズ>を行った。
バンドを従えたスタイルはミライスカート+バンドではなく、ミライスカートバンドというもう1つのスタイルであると、児島真理奈は語る。
ミライスカートは、4人編成のユニットとして京都で活動をスタート。メジャーでのリリースも行うなど着実に活動の規模を広げ、関西では大阪BIG CATでワンマン公演、東京でもTSUTAYA O-nestでワンマン公演を行えるまでに成長し続けてきた。しかし、メンバーが新たな夢を見つけ次々と卒業。さらに運営までが解体。ミライスカートという存在に人生を注いでいた児島真理奈は、ミライスカートの輝きを消さないために、ソロプロジェクトとして活動することを決意。自ら運営会社も設立し、現在に至っている。
この日のワンマン公演でも、“最初は、30代までアイドル活動なんてありえへんと思っていたけど、今はミライスカートの名前を背負ってずーっと活動していく”と語っていたように、彼女自身が、ミライスカートであり続けることを宣言。ミライスカートバンドというスタイルも、未来図を描き続けていく上で大切な"ミライスカートの人生の描き方"の手段である。
定期公演を抜けば、東京でのワンマン公演は約2年半ぶり。ミライスカートバンドとしては、今回の公演が初めてとなる。この日は午前中からのワンマン公演にも関わらず、新宿MARZの会場には後ろまで観客の姿でいっぱいであった。
バンドという仲間を従えたことによっての安心感はもちろん、このステージを守るという強い意思が、児島の胸の内でいつも以上に膨らんでいた。最初こそ“まだ緊張が取れない”と言いながらも、生演奏という臨場感を増した音を背に歌うことで、児島自身がより素直に心の音を開放し、気持ちを歌に乗せ、観客へと届けていた。ライブは、「千年少女〜Tin Ton de Schon〜」や「未来ノート」、「COSMOsSPLASH」などミライスカートの歩みを支え続けてきた人気曲はもちろん、児島が愛してやまない「ミーゴ!ゴミーゴ!」、ライブで心地よい一体感を作り上げる「鉄則Aライン」など、ミライスカートの核を成す曲たちを中心に構成。時にオケを用いるなど、バンドとオケとの使い分けによる変化もライブに嬉しい起伏を与えていた。
児島がふりかけ『旅行の友』の“ふりかけ大使”に任命されている縁から、入場時にファンたちに『旅行の友』を配布。最新ナンバー「旅行の友」を歌う時には、全員で“旅行の友”を振りながらライブを楽しむ光景まで生まれていた。
今の自分が描き続けてきた道は間違いじゃないと確信するどころか、この日々をもっともっと膨らませたい希望を胸に歌った「Beautiful Days」。観客たちと一体となり熱狂を作りあげた「ナモナイオト」など、4人から1人になろうと、ソロやバンドという形態を変えて表現しようが、ミライスカートの本質は何も変わらない。この日のワンマン公演には、表現する歌い手が強い意思を持って想いを届け続ける限り、ミライスカートの歌は何時だって未来へ向けて鳴り響くことを、未来をつかむ希望の光を放ち続けることを示してくれた。何より、ミライスカートは児島真理奈の生きざまを映し出した存在であることを強く知らしめていった。
6月29日には、KYOTO MUSEで、久しぶりの主催公演<未来フェス>を2部構成で行うことを発表。夜公演では、ミライスカートバンドとしてYes Happy!との2マンライブを行うことも告知。
ミライスカートは、どんなに環境に変化が訪れようと、さまざまな窮地へ追い込まれようと、すべての逆境も自らの強い意思で跳ね返しながら未来へ向かって走り続けている。