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松村沙友理(元乃木坂46)[イベントレポート]「ゼロから作り出したものって、すごく尊い気がする」<映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』スペシャルトーク付き試写会>登場

Pop'n'Roll 編集部

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2022.01.10
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<月刊Newtype×映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』スペシャルトーク付き試写会>が、1月9日(日)に開催された。

同イベントには、本編の上映後に、いしづかあつこ監督と、同作のキャラクターデザインを担当した吉松孝博、『月刊Newtype』にて連載中の「Nogizaka Newtype」の元レギュラーメンバーで、アニメ好きを公言している元乃木坂46の松村沙友理がスペシャルゲストとして登壇。

本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

<月刊Newtype×映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』スペシャルトーク付き試写会>(2022年1月9日)

本編の上映が終了し、観客の興奮が冷めやらぬ中、司会者の呼び込みによって松村沙友理、いしづかあつこ監督、吉松孝博の順で登場。客席からは、熱い拍手が送られた。

いしづか監督は、上映後に観客の前で話すのが初めてと挨拶し、“楽しみ”と笑みをこぼした。

続いて、吉松は“裏方中の裏方なので、こういう場でしゃべることはあまりない”と述べつつも、フランクな雰囲気で観客に挨拶。

“Newtype特派員”としてイベントに参加した松村は、“呼んでいただけてとても光栄です。みなさんの代表と思って、お2人にいろいろ聞けたらいいなと思っています!”と、持ち前の弾けるような笑顔を見せた。

上映後のイベントということで、まず完成した作品をファンに観てもらったことについて、吉松は“映画ということで、実際にみなさんに足を運んでもらわないといけないんですけど、これからどんどん人が来てくれると嬉しいなと思っています”と回答。続いて監督は、“映画は作っただけで終わりじゃない。お客さんの目に触れて初めて完成だと思う。観に来てくださったみなさんの名前がエンドロールに載るみたいな感覚。これから、この映画のエンドロールに名前がいっぱい増えていくのが楽しみ”と語った。

本作は、『宇宙よりも遠い場所』(以下『よりもい』)に続く劇場オリジナルアニメーションということで、松村から“どのような経緯で企画が立ち上がったか”という質問に、監督からは“それらしいきっかけはあまりない。いつも一緒に制作しているこのメンバーは、次はなにやる?みたいな会話が自然と出てくるチーム。いつの間にかふんわりあった”と意外な回答が。こういう話にしようとなった理由については、“なんとなくオリジナルだよねという空気があった。もしかしたら私が劇場やりたいと言ったのかもしれない。記憶にはないけど(笑)”と予想外の発言が飛び出した。オリジナル作品に対する想いについては、“お客さんにダイレクトに自分の想いをぶつけて、ダイレクトに受け取る機会が大切で、それが1番できるのがオリジナル”と、作り手としての最終的な憧れを熱く語った。それを受けて、松村は“オリジナル作品は、より心がワクワクドキドキするんですよ。ゼロから作り出したものって、すごく尊い気がする”と、アニメファンならではの視点で話した。松村からの感想に喜びの表情を見せた監督は、オリジナルを手掛ける際には吉松にリアクションを求めると言い、吉松も“僕、お客さんなんで(笑)”と、会場の笑いを誘った。そして、今回脚本を読んだ時の感想として、“ストレートにお客さんの胸を突き刺すような話を作ってくれたので、やりがいがあるなと思いました”と述べた。

続いて、キャラクターの話題へ。『ドン・グリーズ』のロウマ、トト、ドロップの3人の中で、ドロップだけは雰囲気が全然違った、と裏側を明かした監督に、吉松も“1番苦労した”と続いた。また、当初は3人とも18歳の“陰キャな”高校生の設定だったそうで、そこから“どんくさいシルエット”にするために、キャラクターの足をちょっと短くしたという。ここで司会から、どのキャラクターが1番印象に残ったのかを聞かれた松村は“ロウマですかね。ロウマの繊細な不器用さが愛おしい”と回答。監督は、“嬉しいです! ロウマ票を初めていただきました”と言い、スタッフ間では、特に女性にトトファンが多いと声を漏らした。すると松村は“私がロウマを独占します!”と力強く語り、それに対して監督はアニメーターに最後のカットのロウマをイケメンにしてほしいとオーダーした際に、おでこに“イケメン”という文字が書いて返ってきたというと秘話を披露した。

作品を制作する際に苦労した点について、監督はコロナ禍で舞台となったアイスランドにロケハンに行けなかったと漏らし、“アイスランドに行った気になる”“男子中高生になった気になる”期間が必要だったという。そして、その期間中は、“街中を歩く女子高生が妙に可愛く見えていました(笑)”と、完全になりきっていた様子。吉松は“僕の作業は、すべてはいしづかあつこの思うとおり”と冗談交じりに話し、“キャラクターに対する愛情を入れ込んでいくのが僕の仕事かなと思っています”と話を締めた。

完成していく中で、自身の想像を超えたシーンはあったかという質問に、吉松は“滝の音”を挙げ、“効果音がつくと、画の説得力が増す”と答え、監督も“私も言おうと思っていたのに(笑)”とシンクロ。そして、“スクリーンで観た時の、花火とか滝とかの地響き感が格別ですよね。この作品は重低音っていうのに力を入れていて、スクリーンで観た時に「これこれ!」って思った”と加えた。

同作では、[Alexandros]が主題歌を担当。オリジナル楽曲の「Rock The World」の印象について、監督は“ずっと頭の中で回りません?”と観客に問いかけ、“どストレートな日本語の歌詞で、ド直球なメッセージを真っ直ぐ歌ってくれるのが意外”だったという。そして、“背中を押される、前向きな気分になれる。なおかつ、青春の映画だったんだなという印象を残してくれる。キャッチーで爽やかで疾走感があり、男らしさを忘れない、非常にこの作品に合う楽曲をいただいた”と感謝の気持ちを述べた。

松村が、この作品の印象について“中高生の時って人間最強感があるじゃないですか。忘れていたものを取り戻した気持ちになりました!”と語ると、監督は“ほしい答えをそのままいただきました”とご満悦な様子を見せながら、“大人が見てもいい映画だったって思ってほしいと思って作った”と述べた。

同作を制作して得た“宝物は?”という質問に、吉松が“よい作品に巡り合えたこと。いしづか監督に感謝”と述べると、監督は“このメッセージが宝物です”と返し、相思相愛な雰囲気を見せた。加えて“お客さんに観てもらってその人の心に残る、この現象そのものが宝物”と、監督は観客に想いを伝えた。

それぞれ個人的な宝物を聞かれると、監督は“学生時代の友達との関係”、吉松は“この作品を生み出せるこの右腕”、松村はお米が大好きということで“炊飯器”と答え、お米好きを公言する松村らしい回答で会場を沸かせた。

最後に、同作の公開を心待ちにしているファンに対して、監督は“1度で終わってほしくないっていう気持ちも込めて、気になる絶妙なポイントを残しているつもりなんです。この作品の中に、『よりもい』エッセンスが実は隠されているです。ぜひ、2度楽しんでいただければと思います!”とアピールした。そして、松村も“いろんな人に薦めたい作品。私ともぜひ共有しましょう!”と後押しし、終始温かい雰囲気の中、イベントは幕を下ろした。

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