22/7[ライブレポート]涙と笑顔があふれた9人でのラストステージ「みなさんとまた出会えるように頑張ります!」
Pop'n'Roll 編集部
Pop'n'Roll 編集部
-
ポスト
-
シェア
-
ブックマーク
22/7が、11月14日(日)に東京国際フォーラム ホールAにてデビュー4周年を記念した<22/7 ANNIVERSARY LIVE 2021>を開催。昼・夜公演を通して、1stシングルからリリース順に全曲を披露するというステージを展開した。本記事では、夜公演のオフィシャルレポートをお届けする。
22/7<22/7 ANNIVERSARY LIVE 2021>東京国際フォーラム ホールA(2021年11月14日)
アグレッシブなOvertureと立ちこめるスモークの中、階段上のステージに1列に立ち並びながら9人のメンバーが登場。
昼公演では、リリース時の衣装を着てデビューシングルから時系列に披露するというアニバーサリーらしい構成で、キャラソンを含め4thシングルまで、完全にアップデートした全26曲を披露。その疲れを見せるどころか会場に満ちたパワーで充填したかのような気合いを見せながら、メンバーは夜公演の幕を開けた。
1曲目は、TVアニメ『22/7』の主題歌の5thシングル表題曲「ムズイ」。“私にとっての希望ってどこにあるの?”という西條和の問い掛けは、そっと呟くようでいて鋭く刺さる。
倉岡水巴の包容力ある歌声が出だしを飾った「空のエメラルド」で見せた全員で手を繋ぎ波打つ水平線は、3人のメンバーが卒業を迎える同公演でも美しく輝いていた。
内にこもりがちなイメージのあった22/7に革命をもたらした6thシングル「風は吹いてるか?」から7thシングル「僕が持ってるものなら」を立て続けに見せ、「タチツテトパワー」では倉岡と海乃るりの両手をTの字に広げて駆け回る姿に、自然と元気が湧き上がる。
セリフを主軸に、その時々の想いが歌に乗るライブならではの楽曲として定着した1stアルバムの収録曲「ヒヤシンス」も歌唱。
夜公演の見どころとなったのが、6thシングル以降始まった演じるキャラクターのイメージで分けられた雰囲気別のユニット曲。
初のコミカルな楽曲「半チャーハン」旋風を巻き起こしたハッピータイプのユニット『晴れた日のベンチ』は、卒業するメンバーが集結。明るさと寂しさを混ぜながら、親指を立てたグッドのポーズなど一緒に踊れる振り付けが一体感を生む「To goでよろしく!」では、パワーのあるパフォーマンスで圧倒した。
甘い歌声で脳をくすぐるゆるふわタイプのユニット『気の抜けたサイダー』の「ソフトクリーム落としちゃった」「好きになるのは自由だし…」では、ライブで初めて歌った涼花萌のいたずらっぽい歌い方につられてメンバーが笑ってしまうシーンも。
夜を連れてくるセクシータイプのユニット『蛍光灯再生計画』は、心に残る疼きを腰を揺らして歌い上げた「タトゥー・ラブ」や大人の愛を教える「交換条件」をアクト。
紅白ユニットでは、パンクゴシックな世界観に酔いしれながら幼い反抗心を歌う「雷鳴のDelay」、甘ロリを冠して個性的すぎるキウイたちが勢揃いした「キウイの主張」で、豊かな表現力を見せつけた。
ここからは、11月24日(水)リリースの8thシングル「覚醒」ブロックへ。
着実な成長を重ねてきたメンバーは、ベージュのケープ姿で登場。表題曲には珍しい疾走感のある「覚醒」は、夕日に向かって走るダイナミックな演出で魅せる。
カップリング曲である2021年ver.の紅白ユニット曲を初解禁。“明正レトロポップ ~セピア色~”を掲げる紅組は、「今年 初めての雪」で指ハートやウィンクなど愛嬌を取り入れたキュートなダンスで魅了。
対する“令成エモーション ~透色~”をテーマした白組は、「ヘッドフォンを外せ!」のタイトルとおり、身を守る装備を投げ捨てる勢いで拳を振り上げ、ソリッドな低音のボーカルパフォーマンスで会場を揺らした。
紅白ユニット曲を終えると、全メンバーによる「Just here and now」へ。宮瀬玲奈と白沢かなえが順番にセンターを担うアイドルらしさ満点の同曲をセンセーショナルに歌い上げる。
あと1曲を残すところで卒業を迎える3人の挨拶へ。差し入れを巡ってじゃんけんをするような他愛もない日々が思い返されるばかりだという武田愛奈は、昼公演で歌唱した「神様に指を差された僕たち」で、ここにはいない東条悠希を担当していた高辻麗のメンバーカラーである紫のペンライトを振ってくれていたことに感謝し、彼女から預かったメッセージとともに、“いざこの時間が来たら、ものすごく苦しいです。だけど新しい道に進むために、この景色を目に焼きつけて、ずっと宝物にさせてください”と、ステージに立つ幸せを与えてくれたファンを真っ直ぐに見つめる。
心配をかけることも多かった分、ファンやメンバーの家族のような優しさを人一倍感じてきた倉岡は、ライブ中、ふと将来のことがよぎって振りを間違えてしまったと反省。それでも“そんな美しい光景が見られた自分なら、何があっても生きていける”と微笑み、“恩返しの続きをしたいので、待っていてください”とコメントした。
卒業を発表してから、さらに22/7が好きになってしまったという海乃は、オーディションに落ち続けていた過去の自分に触れ、“何もなかった私に出会ってくれて本当にありがとう”と、元気の源であったファンとメンバー、そして、キャラソンを歌いたいという夢を叶えてくれた戸田ジュンへの感謝を伝えた。また、“声優としてもっと頑張るため、これからは1人で歩き出します。でも、5年前のように1人ぼっちではありません。みなさんと、また出会えるように頑張ります!”と語った。
ラストナンバーとなる「いつの間にSunrise」では、倉岡をセンターとして卒業する3人が前に立ち、メンバーたちと想いを交わし合いながらパフォーマンス。門出を祝う紙吹雪が舞う中、集合したメンバーの笑顔が印象的であった。
披露し終えると、倉岡が“なぁなぁ、私が1番前で踊るって初めて観たやろ!”とドヤ顔で笑いを誘い、“1日1回笑うって、約束してくださいね”と最後まで周りを気にかける。
海乃は、“22/7も今日のライブも、ホントに、ホントーーに楽しかった!”とキャラクターと一緒になって湧き上がる想いを発した。
メンバーのペンライトの色で喜んでいた武田が、自分の色である緑に光る客席にはしゃぐ姿も垣間見えた。
花束を渡す天城サリーは、“つらいこともいっぱいあったと思うけど、いつも笑っていてくれてありがとう”と止めどなくあふれる涙とともに素直な想いを伝える。
加入2年目を迎える河瀬詩は、自身が加入する前に行なった海外ライブ時のご飯の想い出ばかり語るメンバーに“何しに行ったんですか?”と鋭いツッコミを入れて会場を沸かせた場面も。
同公演では、12月26日(日)に初のキャラクター単独配信ライブ<22/7 5TH BIRTHDAY LIVE 2021 〜Colors of Flowers〜>を開催することを発表。
全身全霊のパフォーマンスで届けた同公演は派手な演出はせず、大切に引き継がれていく歌割りなどを通して、叶えた夢と訪れた別れの狭間にも未来への希望が見えた公演となった。