第29回:東京女子流〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜
小出 祐介
南波 一海
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南波が小出のために選んだアイドル曲を聴いて、2人が気になっていることをフリートークする連載。今回は次の段階に移行しようとしているシーンの中での東京女子流楽曲について。
南波:
9nineの活動休止が発表になりました。
小出:
すごいですね。この瓦解。
南波:
寂しい。もはや、ブームが沈静化していくのがここまで目に見えるのって貴重なのかもと思い始めてきました。もうちょっとじんわりとフェードアウトしていくのかと思っていたんですけど、めっちゃはっきり見えるという。
小出:
少なくともブームという時期ではもうないですよね。いまのアイドル市場を絵にしたらラピュタみたいな感じなのかな。
南波:
ぼろぼろと落ちていってる、みたいな。
小出:
遠くに飛んでいってるのは上の部分だけで、そのほかの部分は先細っちゃってる、的な。上層部のお城部分、つまり産業システムになっているところも太くなったとは思うんですよ。でもこの連載でも以前話したとおり、面白い人はいるんだけど、全体的に見れば中間の部分から地下に向かっては痩せてきてしまっている。特にこの2年で顕著になってきたんじゃないですかね。少なくとも2年前とはだいぶ景色が違うよね。
南波:
2017年のいまごろは℃-uteも嗣永桃子もいたんですよね。
小出:
そうだよね! それが近年、戦国時代の中堅の人たちが根こそぎ辞めてしまい。平成から次の時代に切り替わるタイミングってのもあるのかなぁ。
南波:
先月、久しぶりに東京女子流の取材をしたんですけど、同じ時代の人たちの気持ちを背負っているような気持ちはあるということを言っていて。グッときてしまった。
小出:
マジで実際に、現役という意味では、女子流が当時のシーンの代表になってるかもしれないですね。
南波:
グループは残っていたとしてもメンバーがほとんど変わってしまったところも多いですし。どこも無傷じゃいられないですよ。大手の芸能事務所がビジネス的に鑑みて手を引かざるを得ないパターンもあるし、sora tob sakanaの風間玲マライカさんが5月に卒業するとか、RHYMEBERRYも5月に解散するとかっていう流れもあり。いわゆる楽曲派の良心のようなグループも、それぞれの進路とか将来を見据えたときに解散とか卒業が待ち受けているんですよね。
小出:
そうだねぇ。これに関しては我々は受け身なので、参ったなとしか言いようがない。日本で強固なシステムを構築したAKB系列は、さらに国外市場に目を向けてK-POPと繋がったじゃないですか。IZ*ONEはおそろしいグループですよ。次の段階にいこうとしてる。
南波:
そっち方面にも触れたいなと思いつつ、東京女子流の新曲が出たばかりなので聴いてみますか。
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