木下百花[ライブレポート]自身の世界観を真っ直ぐに届けた東京の夜「マスク越しでもみんなの笑顔が伝わってくる」
Pop'n'Roll 編集部
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木下百花が、7月29日(木)に渋谷CLUB QUATTROにて、2nd EP『また明日』を提げた東名阪ツアーのファイナル公演を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。
渋谷CLUB QUATTRO公演(2021年7月29日)
木下自身が“今、聴きたい・観たいアーティスト”をゲス トに迎える対バン形式となった今回のツアー。7月17日の名古屋公演には結成20周年を迎えた3ピースバンド『Analogfish』、7月18日の大阪公演にはN'夙川BOYSのメンバーで結成した『リンダ&マーヤ』が出演した。
ツアーファイナルの東京公演には、今しなやかに旋風を巻き起こし躍進中の3ピースバンド『羊文学』が登場。柔らかくも鋭い感性で心に寄り添い突き刺さる歌を、繊細で重厚なサウンドに乗せて解き放った。
続いて、木下百花が浴衣姿で登場。彼女を待望する歓声に似た拍手が沸き起こる。
木下を支えるサポートメンバーも浴衣や甚平姿と和装で姿を現し、視覚的にも夏を演出した。
『また明日』のリリースツアーのため、同作の収録曲を中心に全10曲をパフォーマンス。人気曲の「ダンスナンバー」や「アイドルに殺される」も歌唱した。
MCでは“マスク越しでもみんなの笑顔が伝わってくる。それで元気をもらえます”と話し、約1時間の木下ワールド全開のステージで観客を魅了した。
“新曲持ってきましたー!”の言葉とともにファンに伝えたタイトルは「えっちなこと」。今ではまったくと言っていいほど面影がないが、4年前まで在籍していたNMB48時代を彷彿させるようなダンスと衣装でファンを大いに盛り上げた。ノーナ・リーヴスのギタリストの奥田健介がサウンドプロデュースを務めた同曲は、木下自身が影響を受けた岡村靖幸や小倉優子のテイストを取り入れた、木下百花流“萌えキュンポップ”に。
ライブでは、同曲を7月30日(金)にデジタルシングルとしてリリースし、MVを同日21:00に公開することを発表。そして秋には弾き語りライブを開催することも明かした。
NMB48のメンバーとして約6年、卒業後はシンガーソングラ イターとして約2年活動してきた木下百花。そのビジュアルや言動で異端児として見られることが多い彼女だが、生み出す歌詞やメロディは繊細で真っ直ぐで偽りのないものである。
“偏見”に惑わされることなく、純粋な心で彼女の作り出す世界を覗いてみると、荒んだ昨今でも心の安らぎが感じられるのではないだろうか。
撮影:Satoshi Hata
「えっちなこと」
サウンドプロデューサー:奥田健介(NONA REEVES/ZEUS)
作詞・作曲:木下百花