開歌-かいか-[ライブレポート]百岡古宵がアイドル人生にピリオドを打った結成2周年ワンマン「アイドル10年の幕を閉じてくれるのは開歌-かいか-でよかった」」
Pop'n'Roll 編集部
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開歌-かいか-が、5月4日(火・祝)に草月ホールにて結成2周年記念ワンマンライブ<皐月歌>を2部制で開催した。この日は、2019年5月4日に<開歌-かいか-デビューイベント~歌の咲く島~>でステージデビューしてから2年という記念日。そして、結成時からのメンバー・百岡古宵がこの公演をもって開歌-かいか-を卒業する。本記事では、有観客公演に加え生配信も行われ、百岡の計10年にわたるアイドル人生のラストステージとなった第2部のオフィシャルレポートをお届けする。
開歌-かいか-結成2周年記念ワンマンライブ<皐月歌>(2021年5月4日/草月ホール)
ステージ上にはオブジェや芝生、植物などが配置され、ボタニカルな雰囲気に。ホールなのに屋外にいるような開放感とぬくもりが包まれた空間で、百岡のラストパフォーマンスとなる2部がスタートした。
応援企画達成で新たに制作されたSEに乗せメンバーがステージに登場すると、開歌-かいか-のスタートラインとなった「歌の咲く島」からライブがスタート。「セミロング」「かいかのMUSIC」と代表曲を立て続けに披露し、暗転でメンバーがステージから捌けると「星雲少女」をBGMに2年分の成長が凝縮されたスライドショーへ。撮影の裏側やレッスン風景などのオフショット中心で微笑ましくもあり、今日で5人体制が最後かと思うと寂しさも感じられる映像であった。
スライドショーが終わると新衣装を着てメンバーが登場。MCでは百岡が“みなさん、楽しんでますか〜!”と呼びかけ、“1周年は中止になってしまったので、初めてのワンマンライブとなります!”と南雲がアナウンス。この南雲の発言のとおり、同公演は昨年の5月から1年越しで開催した開歌-かいか-にとっての初めてのワンマンライブとなっていた。
そして、応援企画達成で制作された百岡デザインの新衣装紹介へ。スカート部分がアシンメトリーになった柔らかな白いワンピースは、百岡いわく重なった大きな襟が特徴で、開歌-かいか-らしい上品なイメージで制作したとのこと。
開歌-かいか-といえば忘れてはいけないのがアカペラカバー「流行りうた」。MCが終わると、この2年で披露したアカペラからダイジェストで19曲をノンストップで披露(曲名はセットリストに表記)。曲によって担当パートが変わるという、複雑で難解なアカペラは時代を超えて愛される名曲ばかりだ。
圧巻のアカペラパフォーマンスが終了した後、聴き覚えのあるイントロが流れるとサプライズが。百岡が開歌-かいか-の前に所属していたアイドルネッサンスのデビュー曲「17才」と初オリジナル曲から「前髪」の2曲をアクト。振り付けも完全カバーし、アイドルネッサンスの懐かしさと開歌-かいか-のテイストが添えられた、思わずジーンとくる場面であった。
終わりのMCでは鳴り止まない拍手の中でアカペラメドレーとカバー曲の紹介に。アカペラは1部と全曲違う構成で披露したことを明らかにした。そして、百岡が“本当に思い出深い曲なので、みなさんと最後に歌いたいなと思って歌わせていただきました”と、アイドルネッサンスのカバー曲に対して想いを語った。
ライブは開歌-かいか-の楽曲に戻り、「ゆびさきに向日葵」「さふらん」をドロップ。ライブも後半戦となり、VJも幻想的になっていく。「赤い靴」ではセットの芝生の上に座ったりくつろぎながら歌う場面もあるかと思えば「星雲少女」では一転、降り注ぐ星とともになめらかなパフォーマンスがまぶしい。
4曲を披露し終えると会場は暗転し、オリジナルのBGMをバックに百岡のアイドル活動時代をまとめた映像に百岡のポエトリーリーディングがついた独創的な映像が流れた。
その後、百岡がステージに登場し、“アイドルネッサンスが解散して、正直、次のステージに進めない自分がいて心の穴がぽっかり開いていて、自分じゃない毎日を送っていた日々を変えてくれたのは開歌-かいか-でした。アイドル10年の幕を閉じてくれるのは開歌-かいか-でよかったなと思っています。これからは1人の百岡今宵として応援してくれたら嬉しいです(一部抜粋)”と手紙を読み上げていった。
小学生からスタートしたアイドル人生10年の想いと感謝を伝えた後には、5月4日(火・祝)にデジタルリリースした堂島孝平カバー楽曲「Blue Fantasia」を披露。同曲は堂島孝平が2019年にリリースしたアルバム『BLUE FANTASIA』の最後に収録された曲で、卒業を決めた百岡とシンクロする部分も多いメッセージ性の高いナンバーであることから、今回開歌-かいか-がカバーすることに至った。百岡がメインボーカルを務め、ハーモニーとコーラスを残りの4人が担当。百岡からバトンを受け取った4人は涙の中奏で、本編が終了した。
薄暗いステージでアンコールを待つ拍手が響く中、スクリーンには来場の御礼とお知らせが発表された。“2021年7月にシングルのリリース決定、このあと初披露”と表示されると、青木眞歩、佐々木亜実、南雲咲楽、渡邉陽の4人がステージに登場。陽気で南国的なリズムが印象的な新体制初の新曲「サン・マナ・パーニャ!」をパフォーマンスした。
4人から今日のライブのお礼と感想を述べたあと、ステージには再び百岡が呼び込まれ、“本当にこれが最後の曲です!”と「ポプラ」で締めくくる。
3年目への突入と百岡の卒業を祝福するような花びらの映像が舞う中、5人は笑顔と涙で歌い納め、結成2周年記念単独公演の幕を閉じた。