Ⓒ2021『ファーストラヴ』製作委員会

宇垣美里、映画『ファーストラヴ』にコメント「大人は絶対に子どもを守らなきゃだめなんだよ」

Pop'n'Roll 編集部

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2021.02.05
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宇垣美里らが、2月11日(木・祝)に全国公開される映画『ファーストラヴ』にコメントを寄せた。

同映画の原作は、アナウンサー志望の女子大生が父親を刺殺するという衝撃的な導入で始まる島本理生の同名小説。予測不能な結末と、タイトルの裏に隠された濃密なヒューマンドラマは2018年に発表されるや多くの話題を呼び、第159回直木賞を受賞した。

映画『ファーストラヴ』で主演を務めるのは、北川景子。女子大生による動機なき殺人事件の真相に迫る、主人公の公認心理師・真壁由紀を演じる。原作のキャラクター設定に合わせ、自らの発案で大胆にも髪の毛を30cm以上カットしたことでも話題になった。

さらに、由紀の義理の弟で、由紀とともに、事件の真相に迫る敏腕弁護士・庵野迦葉に中村倫也。父親殺しの容疑者・聖山環菜には芳根京子。そして由紀の夫であり、迦葉の兄・真壁我聞に窪塚洋介が決定。

そのほか、木村佳乃、板尾創路、高岡早紀などの演技派から、石田法嗣、清原翔といった気鋭の若手まで豪華な顔ぶれが集い、迫真の演技で物語をよりリアルにエモーショナルに紡いでいく。

監督は『十二人の死にたい子どもたち』をはじめ『TRICK』シリーズや『SPEC』シリーズなど数々のスタイリッシュなサスペンスで熱狂的なファンを生み出してきたヒットメーカー・堤幸彦。今作で北川景子と初タッグを組む。

さらに、脚本は『八日目の蝉』(NHK)や『彼女がその名を知らない鳥たち』の浅野妙子が手掛けている。

今回、著名人15名から同作についてコメントが公開となった。

コメント(50音順)

アン ミカ(モデル・タレント):
最初に受ける愛は、子供の人生に大きく影響する。人の主観で真実はねじ曲げられることもあるからこそ、自分の意思で意見が言えることがいかに健全で大切なのか……。誰かが耳を傾け共感することで痛みを解放する手助けができる。人は真摯で温かくいたい。

宇垣美里(フリーアナウンサー):
理解し得ない幼い頃に晒された、あの視線の居心地の悪さ。その意味に気付いてしまった時の恐怖が蘇る。愛されたくて愛されなくて自分を傷つけることでしか渇きを癒せない環菜が哀れで痛々しくて。大人は、絶対に子どもを守らなきゃ、だめなんだよと唇を噛み締めた。

尾木ママ(教育評論家):
まるでサスペンス映画を観る緊迫感。家庭という密室に沈殿するさまざまな“抑圧”と“嫌な思い”、その生きづらさの正体が薄皮を剥ぐように露わにされてゆく。観る者の無意識下のトラウマまでもじんわりと癒し、静かな希望を与えてくれる“新境地の映画”である。

菊間千乃(弁護士):
自分のことなのに、わからないことがたくさんある。でもその答えはきっと自分の中にある。人生とは、人との関わりの中で、自分を再発見していく旅なのだと思う。

しんのすけ(映画感想TikToker):
父を殺した娘、その関係は親子であり、男女である。男性として生きた僕には“女性目線に立つ”のは想像でしかない。だがこの映画は、女性2人の人生の一片を疑似体験することができる。少なくとも、僕はこの映画を観て“自分の無自覚さ”を心底恥じた。

鈴木涼美(コラムニスト・作家):
まだ自分の身体や心がすべて自分のものとすら言えない頃、誰かにそれを壊されかけたまま、厳しい世界で生きることなんてできるのだろうか。そんな傷や不安が映画の中で肯定されることで、持っていたい微かな希望にも、ほんの少しだけ膜を張ってもらえた気がした。

瀬戸あゆみ(Dear Sisterhoodディレクター/モデル):
ファーストラヴ。初恋。この意味をずっと考えながら映画を観ていた。さまざまな解釈はあると思う。でも、観終わった後、感動を通り越して呆然とした。忘れられない映画となった。

中井圭(映画解説者):
若き日、正しく向けられなかった愛情が心に深く悲しい歪みを与えてしまう。父親殺害の容疑者と、その彼女の心を紐解こうとする公認心理師。事件を通じて2人の女性がひそかに抱えた愛の欠損が前面化することで提示するのは、大人が正しく大人であることの責任の重さ。

瀧波ユカリ(漫画家):
女にとっては、よくある話。どうしようもないから飲みこんで、忘れたふりをして笑ってる。だからそれらがスクリーンの中で暴かれていく時、男は驚きながらも胸に手を当て、女はカタルシスに浸るだろう。

星野概念(精神科医など):
物事には必ず理由があるはずですが、辛いことほど複雑で深く、それが自覚できていなかったりします。理由のわからない謎の生きづらさはとてもきついです。理由、動機を自分だけでなく、他人だけでもなく、一緒に少しずつ紐解いていくこと、そしてそれが認められることの大切さを思いました。

誉田哲也(小説家):
親は子を、子は親を、無条件に愛するものである――その幻想は一体いつ、どこで始まったのだろう。何の疑問も抱かずに愛し、愛された者は幸せである。だが、そうではない者は自分自身をどう受け容れ、どう罰すればよいのだろう。我々は“最初の愛”と、どう向き合うべきなのだろう。この残酷な問いに、静謐なる解答を――。

もっちゃん(YouTuber):
観る前には、こんな気持ちになるなんて思っていなかった! 良い意味で裏切られた作品でした。ただのミステリー・サスペンスじゃない彼女のあの強い眼差しが、きっと届くべき人に届く。

箭内道彦(クリエイティブディレクター、東京藝術大学教授):
タイトルに込められた意味の深さを、この映画を観た日からずっと感じ続けています。

山田佳奈(映画監督・舞台演出・脚本):
この時代に、自分自身をきちんと言葉にできる人がどれ程いるのだろう。身体の中を駆け巡る感情を理解し、相手に恐れなく過去を伝えられる人なんて多くはいない。誰もが何かから救われたいと願っている。だからこそこの映画は、私たちが生きていることを証明してくれているのだと思った

YOU(タレント):
真実とか愛は曖昧だ。曖昧だから、頑な心に流れ込むこともできて、温かいような温度で、溶かすべき記憶を溶かすこともできるんだ。

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