みきちゅ[ライブレポート]「誕生日だし好きな女を呼びました」バースデーライブで若林倫香、ぁぃぁぃと共演!
Pop'n'Roll 編集部
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みきちゅが、1月23日にSHIBUYA TAKE OFF 7にて<MIKICHU BIRTYDAY LIVE 2021>を開催した。本ライブはみきちゅの生誕祭として2011年より毎年行っているもの。この日は“誕生日だし好きな女を呼びました”ということで、現在は役者として活動している若林倫香がスペシャルゲストに登場。シークレットゲストには、みきちゅにとって自慢の推しであるぁぃぁぃも駆けつけた。
<MIKICHU BIRTHDAY LIVE 2021>
文:坂井彩花
写真:ぱんちょ
オープニングの「mikichure」を経てライブはスタート。「アイドルの秘密」でステージを封切ると、ハッピーで笑いのある“みきちゅワールド”にどんどん引きこんでいく。コロナ禍でということでコールやモッシュができない状況なのだが、そんなこと関係ないと言わんばかりにクラップやケチャが巻き起こる。
切ない表情で「サブスクリプションシティ」を歌い上げ、可愛さ満点に「ポメラニアン」では魅了。曲ごとに大人の色気を発揮したり、きゅるるんとアイドルオーラを放ったり、活動してきた11年間で培ってきたものを惜しげもなく披露していく。時にはカメラにもマイクを向け、画面越しのオーディエンスも巻きこんでいった。
年を重ねることにネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれないが、みきちゅはいたって楽しそう。“みんなとの歴史が積み重なっていくだけだから”と、嬉しそうに頬を緩めていた。
「Moring Magic」を10年前と変わらぬ温度感で歌いきると、「CORE Fate」では観客に笑いかける。「音楽が大好きなまま生きていられて幸せ」とMCで語っていたが、その言葉は腹の底から出た本音なのだろう。ステージに立つ彼女は、歌うことが好きな少女のまま大人になったようで、聴いてくれるアナタがいることを幸せそうに嚙みしめていた。
みきちゅが“好きをぶちまけさせてください!”と告げ、盟友の若林倫香が登場。出会いのエピソードをトークするふたりは微笑ましく、普段の仲の良さが伝わってくる。しっとりしたバラードの「もしも咲かない種だったとしても」では、美しいハーモニーを響かせた。
この日は、<MIKICHU BIRTYDAY LIVE 2021>のためにふたりで作った「犬飼いたい」もパフォーマンス。一聴すると失恋を彷彿させるリリックは、犬を飼いたいことを切実に訴える内容になっていて、予想だにしない展開にフロアには笑い声がこぼれる。みきちゅと若林がお互いに思っていることをぶつける「ふたりの不思議3選」も、ほのぼのしたムードで進んでいく。YUIの「Tomorrow’s way」と「CHE.R.RY」をパワフルな歌声でカバーすると、若林とのステージを締めくくった。
後半は『みーんな国宝だよ』E.Pのリードトラックである「君は国宝レベル」からスタート。MVで使った翠色のドレスをはためかせる姿は、幸せになる粉をかけて回るティンカーベルのよう。ポニーテールを揺らしながら、笑顔の魔法をかけていく。その後も「超最高CULT」「ホシノキマリ」と、多様な楽曲でオーディエンスを魅了していった。
間のMCでは、みきちゅの特技である即興ソング作りも実施された。配信ライブを観ている人にお題を募り、若林が“大好きな女、笹かま、雪だるま”の3つのワードを選出。その場で作られた「お魚のキス」はセンチメンタルなイントロから激しいサビに転ずるポップなナンバーで、みきちゅらしさが溢れた率直な歌詞に笑いが起きた。
かと思えば、「music」ではエモーショナルなピアノに本気の言葉だって乗せてしまう。“誰かの手を取って もうちょっと頑張ってみようかな”という歌詞が真っ直ぐに届いたのは、想いが乗っかっていたからに他ならないだろう。
3度目の衣装チェンジをしたみきちゅは、「指さして!」と書かれた団扇をもって登場した。「みんな、推しのいる世界は楽しいか!」から曲を始めるシンガーソングライターなんて、彼女くらいだろう。オタクだからこそ感じることも、ちょっと重くなりすぎてしまう愛も、表現として作品に昇華してしまう。「アイドルに恋をした」の最後には、曲のモデルになっているぁぃぁぃがシークレットゲストとして駆けつけ、どよめきが会場を包んだ。
ファンの口上をミックスし、この日限りの特別バージョンとして披露したのは「I☆SSW」である。現地に駆けつけたファンが、ペンライトで会場を埋めるサプライズも起こり、フロアはピンクの宇宙へ。“ひとりでも聴いてる人がいれば 叶うと信じられた”という歌詞も、より一層強く綴られる。諦めかけても何度だって立ち上がってきたのだ、みきちゅは。歌うことが好きで、アイドルが好きで、音楽が好きで、どうしても離れられなくて。小さな奇跡を握りしめて、諦めることなく進んできたのである。「守ってね」では顔全体で笑顔を振りまき、ステージを後にした。
アンコールには、ファンへの感謝を綴った「ありがとう」を披露。“私を見つけてくれた あなたへありがとう”という言葉は説得力を持ってストレートに胸へ飛びこんでくる。彼女が伝えるすべてを受け取ろうと、オーディエンスも引きこまれるように聞き入っていた。「心が死にきってしまう前に」を満身創痍で歌いきり、バースデーライブを締めくくった。
好きなことは諦めなくていい、ありのままの自分で輝いていい。みきちゅの姿勢が、そう示していたイベントだったように思う。彼女の言葉を借りるのならば、年を重ねることは歴史を積み上げることだし、戻る場所がないのだって進んできた人のみが得られる幸せだ。「来年も、バースデーライブやりたい!」と期待に胸を膨らませるみきちゅが、どんな未来を魅せてくれるのか今から楽しみだ。
<MIKICHU BIRTHDAY LIVE 2021>アーカイブ配信
配信チケット:¥3,000
視聴期限: 2021年2月6日(土) 23:59 まで