槙田紗子[インタビュー後編]新グループを自己肯定感と希望に満ちた未来へと導くロードマップ「アイドルをやることによって、よりよい自分になりたいと思っている子に来てほしい」

槙田紗子[インタビュー後編]新グループを自己肯定感と希望に満ちた未来へと導くロードマップ「アイドルをやることによって、よりよい自分になりたいと思っている子に来てほしい」 槙田紗子『SACO PROJECT!』インタビュー後編

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2021.01.14
  • ポスト
  • シェア
  • ブックマーク

新アイドルプロジェクト『SACO PROJECT!』を始動させた槙田紗子インタビューの後編。同プロジェクトを始めたいきさつについて語った前編に続いて、後編となる本日は、新グループの方向性や求める人物像、審査や今後の活動スケジュールなどについて話を訊いた。審査員には、槙田をはじめ、元ベイビーレイズJAPANの林愛夏や元アイドリング!!!の遠藤舞などが参加し、コアスタッフがすべて女性という特徴も持つ『SACO PROJECT!』。本インタビューでは、元アイドルとして、女性として、アイドルがアイドルであることを肯定しながら活動ができ、メンバーに女性の生き方の指針も伝えられるグループを作ろうとしている槙田紗子の想いをお伝えしたい。

撮影:越間有紀子
編集協力:竹内伸一

“強い”と“可愛い”の融合が目指すところ

――具体的にどういうグループにしたいというビジョンはありますか?

槙田:
すごくざっくりなんですけど、“強さ”と“可愛さ”を両方持ったグループがいいなと思っています。これは“あるある”だと思うんですけど、日本では、パフォーマンス力だけを見せようとするグループって、ウマくいかないことが多いんですよ(苦笑)。K-POPだと、パフォーマンス力で魅せるのが定番ですけど、日本のグループでK-POP的なアプローチをするとウマくいかないことが多くて。日本ではウマくいかない方法なのに、K-POPがなぜ日本でも人気があるかというと、単純に“K-POPだから”なんだと思うんです。日本のアイドルとはジャンルが違うから、ファンは別のものとして見ているんでしょうね。これは個人的な見解ですけど、日本人は、どこか上からでいたい気持ちがあるんじゃないかと思うんです。日本人で、最初から歌もダンスもすごく上手なK-POPのようなグループをやると、“わぁ、すごいなあ”って言われるだけで終わってしまうんですよ。日本のファンは、ステージ上の人間が絶対的にすごくて、ある意味ステージ上から見下ろされるような関係性は、あまり好きじゃないと思います。だから日本の場合は、パフォーマンスで魅せようとすると、ひたすらカッコつける方向に行かざるを得ないんですよね。またハロプロを例に出して申し訳ないですけど、ハロプロは、歌もダンスもウマいんですけど、それを売りにはしていないんですよ。結果として売りになっているというだけで、自分たちからそれをアピールはしないんです。

――見ている側が自然と感じ取っていること?

槙田:
そうです。だってハロプロの子、“私たち、実力派ダンスボーカルグループです”なんて言わないじゃないですか(笑)。でも、それを言わないことが大事なんだと思うんです。きっと私は“ふたを開けたらすごかった”みたいなものが好きなんでしょうね(笑)。SACO PROJECT!でも、パフォーマンス力のあるグループを目指すんですけど、加えて“可愛い”も絶対に必要な要素だと思っています。今はいろいろなアイドルがいますけど、アイドルは人を元気にしないと意味がないとも思うんです。見ている人が元気になる、アイドルのパフォーマンスを観ている時だけは、余計なことを考えなくていい時間が過ごせる……それでこそ、アイドルだなって思うんですよ。深いメッセージ性も時には必要なのかもしれないですけど、それよりも観ることで元気になれるアイドルがいいですよ(笑)。特に今は世の中がすごく元気のない状況なので、観ていて元気になれる要素が必要。それが可愛さなんだと思いますね。

――だからこそ、“強い”と“可愛い”の両方が必要なんですね。

槙田:
そうですね、実力派だけどカッコいいに寄り過ぎていなくて……やっぱり“強い”と“可愛い”の融合が目指すところですね。“強い”というのは、現代の女性にすごく感じる部分でもあるんです。女性が強くなってきているという流れを感じるので、歌詞も自己肯定するような世界観がいいのかなって思っています。これは、オーディションを続けていく中で、変わっていくかもしれませんけど。

――サウンドの方向性のイメージはいかがでしょうか?

槙田:
そこはまだですね。今から考えます。曲に関しては、まずはひたすら集めて、その中からよいものを選びたいですね。ジャンル的にはまだ何もなくて……ダンスミュージックというか、打ち込みっぽい音が入っているものにしたいなというイメージはあるんですけど。私は振付師なので、曲を選ぶ判断基準が、振りが浮かぶか浮かばないかなんですよ。

――以前のインタビューでも、よい曲ほど振り付けが思い浮かぶとおっしゃっていましたね。

槙田:
そうなんです。なので、曲は、私が感性を刺激されるかどうかで選ぼうかと(笑)。

――衣装はどんなイメージですか?

槙田:
これもやっぱり“強さ”と“可愛さ”の融合ですね。個人的にはPerfumeさんの衣装が好きなので、参考にしたいなと思っています(笑)。

――スカートとパンツであればどちらですか?

槙田:
メンバーによってどちらもありだと思うんですけど、でも、最初はスカートかな。奇をてらわずに(笑)。

槙田紗子

次ページ