田村芽実(元アンジュルム)、ワンマンライブ開催「田村芽実ヒストリーにしたいと思いました」
Pop'n'Roll 編集部
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田村芽実(元アンジュルム)が、1月19日(土)に白金高輪SELENE b2にてワンマンライブ<めいめい白書>を開催した。
幼少時からの目標、ミュージカル女優になるため、2016年5月の日本武道館公演にて、“必ず大きく深みのある人間になってステージに戻ってくる”と宣言し、アンジュルムを卒業してから2年8ヵ月。田村自身が名付けた本公演のタイトルは、アイドル時代からの愛称を冠した<めいめい白書>。昨年10月30日に20歳となり、成人式を迎えたタイミングで、田村芽実のこれまでの歩みを振り返りつつ、これからの姿を届けるスペシャルなライブとなった。
9月に1stシングル「輝いて ~My dream goes on~」、12月に2ndシングル「魔法をあげるよ ~Magic In The Air~」を発表。それぞれリリースイベントでのミニライブは開催してきたが、今回は一夜限りのワンマンライブとあって、チケットはソールドアウト。全国から多くのファンがつめかけた。
この日のセットリストは、<めいめい白書>というタイトルどおり、すべてが田村自身の人生と深く関わりのある曲であった。
深いピンク色のひざ上ワンピースで“めいめい”が登場すると、幕開けはアカペラ。ミュージカル『アニー』の名曲「トゥモロー」を静かに歌い始める。途中から、この日のスペシャルバンドが入って演奏を盛り上げると、続けて『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」を、子役として初めて大舞台で歌った思い出の日本語詞で歌唱。ミュージカル女優への憧れが芽生えた幼少時の思い出のナンバーからスタートした。
続いて、スマイレージ「シューティングスター」のイントロに乗って“イエーイ!”と田村が叫ぶと、開始早々からアイドル時代の曲を歌うとは予想していなかった観客の度肝を抜き、圧巻のパフォーマンスで会場のボルテージを一気に上げた。舞台での共演がきっかけとなって憧れたスマイレージには、オーディションに合格して2期メンバーとして加入したが、「シューティングスター」は中学1年生の時に初めてツアーで歌った曲。続けて歌唱した「自転車チリリン」は、自身の卒業公演でソロ歌唱した、ファンにとっても思い出の詰まった名曲。現在の田村の歌声で聴くことで、この2年半での確かな成長ぶりも感じさせてくれた。
アンジュルムを卒業後、最初の表舞台となったのが『minako -太陽になった歌姫-』。ミュージカル女優としても尊敬していた本田美奈子.役(主演)に抜擢され、女優としてのスタートを切った。この日のライブでは、本田のレパートリーの中からソリッドな名曲「孤独なハリケーン」をダイナミックなアクションで初めて歌唱。
「美奈子さんの役を演じるというプレッシャーや葛藤、苦しさから私を励ましてくれた曲」
続く「ロマンス」は、一昨年11月の『地球の男にあきたところよ ~阿久悠リスペクト・アルバム』でカバーし、ソロでのメジャーデビューのきっかけとなった1曲。田村芽実のカバー版でなく、オリジナルの岩崎宏美版のアレンジで、バンドと一体となった勢いのある歌を披露した。
女優・田村芽実を説明するのに欠かすことができないのが、末満健一が脚本・演出を手がける『TRUMP』シリーズ。ハロー!プロジェクト在籍時代から関連作品に出演し、昨夏には、田村が主要キャストを務める最新作、ミュージカル『マリーゴールド』が上演、その演技が高く評価された。その舞台の中から、「繭期の子守唄」(『グランギニョル』より)、「窓際の化け物」(『マリーゴールド』より)という近年の2曲を歌唱。舞台をきっかけに新しく田村を知ったファンの心も掴んだ。
そして、この日最初のサプライズ演出へ。『TRUMP』シリーズの音楽を手がける末満健一(作詞)と和田俊輔(作曲)が、田村のために書き下ろした新曲「無形有形」を歌唱。この曲が、3月20日にリリースされる初のミニアルバムに収録されることを発表。これまでの2枚のシングルは、リスナーにエールを送る力強さが魅力だったが、ミニアルバムは20歳の田村芽実の等身大を描いた作品集。“なにものでもあるし、なにものでもない”という女優・田村芽実の“カタチ”を、言葉遊びにあふれた歌詞で表現し、彼女の新たな魅力を引き出していた。
ここからの後半戦は、ソロデビュー後に発表した2枚のシングルに収録した6曲を、カップリングも含めて順に披露。ミュージカル女優としても、シンガーとしても、いずれも超一流を目指すという“二刀流宣言”どおり、“ミュージカルとポップスの融合”を推し進めた快心の楽曲を、初めて生のバンド演奏で歌唱した。
ソロデビュー曲「輝いて ~My dream goes on~」は、10月30日にお台場ヴィーナスフォートで行われたバースデイイベント以来のパフォーマンス。静謐な歌い始めから力強いサビへと一気に駆け上がる独特な曲想は、ライブでこそ本領を発揮し、圧倒的な歌唱力と表現力に場内は魅了された。自ら作詞を手がけたカップリング曲「Summertime」の陽気な楽しさ、カバー曲「Lovin’ you」(ミニー・リパートン)での柔らかいハイトーンボイスと、1stシングルの魅力を再確認。
日本テレビ系『バズリズム02』POWER PLAYに選ばれ、高橋メアリージュンが“あの人ランキング”1位に選んだことも話題となった2ndシングル「魔法をあげるよ ~Magic In The Air~」は、1stの路線を継承しつつ、スケールの大きさと可愛らしさが同居する幻想的なナンバー。東名阪リリースイベントで歌い上げてきた直後だけに、その完成形とも言える圧巻のパフォーマンスを披露。カップリングの切ないバラード「優しい夢だけをみて」でも、歌い込まれた魅力を発揮し、細やかな情感を伝えた。
本編の最後は、2ndシングルに収録した斉藤由貴の名曲「MAY」。自身の愛称(めい)と同じタイトルということでお気に入りの1曲を歌い、“めいめい白書”の本編は終了。
「最近もう“めいめい”と呼べないっていう声も聞くんですが、みなさんにいつまでも“めいめい”って呼んでいただきたいという思いで、心を込めて歌います」
満場のファンからの“めいめい”コールに応えて登場した田村芽実は、ここでまたさらなるサプライズとして新曲「歌が咲く」(作詞:末満健一、作曲:和田俊輔)を歌い始める。舞台を通じて、田村の成長を見続けてきた末満と和田のコンビだからこそ描けた彼女の人生のストーリー。
“歌を歌を歌を歌いたいんだ それしかさ方法が見つからなくて”という詞(ことば)を感動的に歌い上げ、この日のクライマックスを作り上げた。
「今回のライブでは、オリジナル曲がまだ少ないので、残りの曲をどうするか悩みました。前回のように半分はカバー曲にするという考えもあったのですが、せっかく自分の曲が少ない今だからこそ、田村芽実ヒストリーにしたいと思いました。最近私のことを知ってくださった方には、より深く知っていただきたいと思いましたし、ずっと応援していただいている方には、より絆を深められるライブにできたらと考えました。正直、今日を迎えるのが怖かったのですが、みなさんの笑顔を見てホッとしました! 最後は、大好きなみなさんの心の中に、今日がずっとあってほしいなという思いを込めて歌います!」
田村芽実の新しいテーマ曲ともなる新曲の後は、“めいめい”を代表するレパートリーの「オシャレ!」(松浦亜弥)。この日のライブを最後は明るく締めくくった。
なお、田村は6月30日(日)に渋谷WWW Xにて、<田村芽実ワンマンライブ2019 vol.2>の開催が決定。
そして、3月20日(水)には、1stミニアルバム『Sprout』がリリースされる。Sprout(スプラウト)とは“新芽”のことで、田村芽実の名前の1文字に由来する、印象的なタイトルになっている。初回限定盤には、本公演<めいめい白書>のライブ映像を収録したDVDを付属。
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