燃えこれ学園[ライブレポート]ソロ曲やお手製のからくり仕様ドレスも飛び出した<稲森のあ生誕祭>「泣き虫なので、落ち込んだ時とか励ませる曲になれたら」

燃えこれ学園[ライブレポート]ソロ曲やお手製のからくり仕様ドレスも飛び出した<稲森のあ生誕祭>「泣き虫なので、落ち込んだ時とか励ませる曲になれたら」

Pop'n'Roll 編集部

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2020.10.04
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燃えこれ学園の稲森のあの生誕祭が、9月29日に行なわれた。コロナ禍により約3ヵ月遅れとなったが、彼女にとって初の単独生誕祭として、初のソロ曲も披露。本記事ではその模様をお届けする。

撮影:平島理
取材・文:長澤智典

流れだした映像とSEに乗せ、叫ぶような熱いメンバー紹介の声がフロア中に響き渡る。“もしも涙が枯れてしまうような苦しい時が続いたとしても 大丈夫この歌を思い出して ひとりじゃない僕が側にいるから どんなに挫けそうな時も 涙溢れて止まらない夜も 思い切り息を吸って 足鳴らせば いつでも今が未来(あした)へのスタートだから”。ライブは、メンバーたちがいつも胸に抱いている想いを歌にした「Re-START」から幕を開けた。

メンバーの煽り声からの始まりは、稲森のあのアイデア。次のブロックでは、彼女が大好きな楽曲ベスト3を披露する。

最初に飛び出したのが、「ミラクる☆妄想がーる」。画面の向こうの人たちへ、彼女たちは愛らしい仕種や可愛い声を届けるように歌う。
 
次に届けたのが、チアダンスのような振りから始まった「明日へ」。学園を舞台に、夢を追いかける少女たちの姿を映し出した、青春という言葉が似合う楽曲だ。メンバーたちは自分たちの気持ちも鼓舞するように、晴れた笑顔で“開いた夢の地図君だけのストーリー 描いた夢の景色は消えないから”と元気な声を響かせていた。

3曲目に選んだのが、激しいドラマを描く「時の砂」。先に披露した愛らしい2曲とは異なり、胸の内側から沸き立つ情熱をぶつけるように歌う姿がとても凛々しい。躍動するパフォーマンスや、キリッと前を見据え颯爽とした姿で歌う様もとても印象深かった。

<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)
<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)
<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)

舞台には、シルクハットをかぶった熊野はる、佐々木千咲子、蒼音舞の姿が。ほかのメンバーたちはみな、頭にティアラを付けていた。

スウィングするジャジーでミステリアスなサウンドに乗せ、彼女たちが歌ったのが「シンデレラ・クレイム」。紳士とお姫様に分かれたメンバーたちが絡み合い、ミュージカル劇の一場面を歌い演じるように物語を描き出す。

“幸せです。みなさんがどうやったら喜んでくれて、私が楽しいか”と、稲森はこの日のライブを構成したことを伝えていた。

稲森がソロステージの準備している間、ほかのメンバーは「恋の魔法」を歌唱。恋する乙女の片思いの苦しい胸の内を、彼女たちは切なさも歌声に秘めながら歌っていた。

この日、稲森が身につけたのは、1から手作りしたからくり仕様のドレス。これも、観てくれる人たちに少しでも楽しんでもらうため彼女なりに考え、実践したこと。その姿で登場した彼女は、みずから用意した手紙を読み出した。

それを読み終えた後に届けたのが、稲森の初のソロ曲「myself」。天真爛漫な稲森らしい、とても明るく華やかな歌だ。

しかし歌詞には、いつも表には出さない本音の心が記されていた。どんなつらい想いを抱こうと、応援してくれるファンたちと一緒にずっと輝きたいし、ともに夢を追いかけ続けたい。“がんばれ、わたし”とみずからを励ましながら、胸の内に秘めていた想いを力強く、笑顔で届けていた。

すると膝上丈のスカートが、途中からロングスカートに変貌。ソロコーナーでは、衣装に仕掛けたからくりもしっかりと見せた 。

 

<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)
<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)
<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)

ここでメンバーは、稲森のソロ曲をリハーサルで聴いた時から、歌詞に心動かされ泣いていたことを報告。

メンバーからの“のありぃお誕生日おめでとう”という声を受け、みんなで“1年に1度のお誕生日おめでとう”、“出会ってくれてありがとう”、“大好きだから 大切だから”と歌う「お誕生日おめでとう」へ。

喜びを隠せず、満面の笑顔で歌う稲森の姿が、とても印章深く瞼に焼きついた。難病により自宅から配信映像で参加中の仲川つむぎも、背景に映したスクリーン越しにライブを見つめていた。

華やかな宴を塗りかえるように、メンバーたちは凛々しい歌声とステージングを通し「again」を熱唱。気持ちの内側から沸き立つ熱情をぶつけるように歌う姿に目が釘付けだ。落ちサビを熱唱する稲森の姿もカッコいい。

ライブの最後を彩ったのが、メンバーや広報委員たちへの想いを歌にした「すき!すき!好き!!」。仲川つむぎも背中に羽根を付け、映像でライブに参加した。

途中、生誕祭ではお馴染みのメンバーらの「HAPPY BIRTHDAY」に乗せ、大きなメダル型の色紙が稲森へプレゼントされるシーンも。

ソロ曲について稲森は、“とてもいい歌詞で、私のことを歌った曲というか。泣き虫なので、落ち込んだ時とか励ませる曲になれたらなと思っています”と述べた。また、ここでは熊野はるが稲森へ向けた手紙を読む時間もあった。

稲森が語った、“今日はやりたいことを全部叶えることができました”の言葉を受け、最後に、全員でお馴染み「校歌」を斉唱。10月6日に行なわれる熊野はるの生誕祭へ楽しい想いを繋げるように、彼女たちの歌声が会場中に響き渡った。

<稲森のあ生誕祭>(2020年9月29日)

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