TEARS-ティアーズ-[イベントレポート]有観客の3rdワンマンで見せたそれぞれの決意「これからも1番近くで見守っていてください」
Pop'n'Roll 編集部
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TEARS-ティアーズ-の3rdワンマンライブ<Liberation of soul>が、9月10日に恵比寿LIQUIDROOMで行なわれた。コロナ禍により延期となっていた同公演は、人数制限がある環境の中で実施。彼女たちは結成から3年半強の歩みの中で着実に歩を進めてきた成果を、本公演で示していた。 本記事ではその模様をお届けする。
取材・文:長澤智典
街中を散策するメンバーたちの姿を映した映像を受け、ライブは福堂はるが振り付けを担当した「焔-ほむら-」からスタート。
彼女たちは新衣装姿。この日はスタンディング公演で、冒頭から、観客たちの振り上げるメンバーカラーのサイリウムや拳が身体の動きに合わせ大きく揺れていた。
制限された中とはいえ、ライブらしい熱気を覚える環境だ。メンバーたちは、躍動するダンスビートに乗せ哀愁を抱いた声で歌唱。憂いを持った声色を示しながらも、心に中に燃えたぎる感情を、激しい楽曲に乗せぶつけていった。
荘厳な色を響かせる「シエレトワーレ」では、未来へ突き進む想いをスケール大きく躍動する楽曲に乗せ高らかに歌いあげる。“胸に募る君へのこの熱い想いは抑えることができないよ”の歌詞のように、フロアにいる誰もが、彼女たちの歌声やパフォーマンスに触れながら同じ気持ちを感じていたはずだ。
気持ちを熱く滾らせるTEARS-ティアーズ-流のダンスロックナンバー、「Diamond Dust」が登場。楽曲は感情を熱くする攻撃的なスタイルなのに、その上に乗る歌謡風の歌メロや愛しい人(ファン)を想う歌詞に胸が疼き、心にチクッと切ない刺激を与えてゆく。今の環境の中で触れ合っているからこそ、“君と巡りあえた奇跡忘れない”の歌詞が、いつも以上に熱く響いてきた。
続く「Endless road」でも、大勢の人たちがサイリウムの光を大きく揺らしながら、想いを1つに熱情の歌声を届ける11人の姿へ心の手を伸ばし、気持ちを1つに結びあおうとしていた。
序盤に“魂を熱く揺さぶる”楽曲を据え情熱を滾らせたTEARS-ティアーズ-は、次のブロックにキラキラ輝く“可愛らしい”ポップチューンを並べてきた。
フロア中にハッピーを降り注ぐように歌ったのが、キラキラ弾けたポップでチャーミングな「マジカル☆ステッキ」。1人ひとりが輝きとなり、心ときめく歌を降り注ぐ。
そのときめきを膨らませるように、「FIRST KISS」へ。好きな人のことで頭も心も好き色に染まってしまう気持ちを、彼女たちは“受け止めて”と可愛く告白するように歌った。
さらにメンバーたちは、会いたい気持ちを「ダイスキ。」にも乗せ伝える。恋する乙女の気持ちを告白する歌の連投に、受け止める側の気持ちにも、どんどん“好き”な想いが積み重なってゆく。
続けて“きらめく光の先にいくつも夢見れるように~未来信じて”と歌う「君と一緒に」を歌唱。この歌に触れるたび、彼女たちが夢見続けている景色の行き先を一緒に見たくなる。その景色を一緒に見ようと誘う彼女たちの言葉を、信じてみたくなる。フロアでは、11人の華やかな動きに合わせ、色とりどりのサイリウムの光が大きく揺れていた。
“もう泣かないよ あきらめない まぶしい太陽の下で 君へのこの恋 奇跡が起きるよ”。11人のアカペラから楽曲は「恋の魔法」へ。カラフルな音色が彼女たちの歌声に重なると同時に、気持ちも輝きだす。
さらに輝きとカラフルさを増すようにTEARS-ティアーズ-が届けたのが、「君色♡Melty step」。舞台上でサークルを作る風景から、軽快にステップを踏み歌い躍る姿など、チャーミングな乙女たちの無邪気にはしゃぐ姿に視線が釘付けだ。
次の「チューペローズ」では、ファンが心の声を張り上げ、11人の愛らしい姿に熱いエールを送っていた。華やかな楽曲の中に綴られた切ない想いが示すように、曲調と歌詞のギャップが歌に込めた切なさをより際立たせてゆく。葉山あゆりの強い歌声に気持ちが熱く騒ぎだす。
再び、“気持ちを騒がせる”終盤のブロックへ。躍動する4つ打ちのビートが身体を熱く直撃。その上で哀切な声色で、触れた人の心の涙腺を揺さぶる彼女たち。「efface」を通してTEARS-ティアーズ-は、熱狂と哀愁の両面を刺激していった。
迫力と熱量を増す楽曲に身体が熱く沸き立つ中、トランシーでラウドなダンスロック「IGNITE」へシフト。フロア中の人たちを挑発するように“ここで終われないさ 歴史を刻め”、“新しい時代を開け”と熱く歌う。
躍動するダンスビートと、華やかさを二乗するように楽曲は「secret×secret」へ。サビの歌に触れるたび、胸がキュッと高鳴る。歌詞とシンクロするように気持ちを高めるメンバーたちは、そのまま昂った気持ちを持って最後の曲へ向かう。
スモークが吹き出すステージ。最後にTEARS-ティアーズ-がぶつけたのは、福堂はるが振り付けた「Panther♡」。大きく手を振り上げるメンバーたちの動きに合わせ、フロアでも無数のサイリウムや拳が舞い躍る。“超えろ越えろもっと燃え上がれ”の歌詞通り、ステージもフロアも燃え盛った気持ちのまま、幕を閉じた。
愛らしいだけじゃない、恰好いいだけじゃない、熱いだけでもない、いろんな感情の動きを“心を燃やす”曲たちでまとめながら、TEARS-ティアーズ-は止まらない熱狂の舞台劇をリキッドルームに描きだしていった。
告知映像を挟んだアンコールの最初には、「あの日夢見た空に誓う約束」を披露。辻海帆が振り付けを担当した新曲だ。スケールあふれながらも,とても身近に感じる愛らしい楽曲。歌詞も、支え続けてくれたファンたちへの感謝の気持ちを伝えながら、これからも一緒に歩もうと約束を交わすように伝えてくる。“ずっと離さないから約束 ずっと見守っていてよ約束”、“もっと高く飛ぶよ ついてきて”と指切りを求める彼女たちの歌声に触れ、観客たちも伸ばした心の指で約束を交わしていた。
MCでは、この日のタイトルの意味について福堂はるが“「Liberation of soul」を日本語訳にすると「魂の開放」。私たちTEARS-ティアーズ-は個性的なメンバーが集まっているので、その個性をここで思いきり開放させられたらと思って付けました”と語った。
また、メンバー1人ひとりも胸の内をそれぞれ述べる。
朝比奈なな:
TEARS-ティアーズ-に入って来月で1年になります。続けてこれたのも応援してくださる人たちかいるからなので、本当に感謝してます。デビューの日にMCで自己紹介をしたときは、今みたいに話せなかったし、お客さんの顔も頭が真っ白で見えなくて。今はお客さんの顔が見れたので、少しは成長したかなと思います。これからも少しずつ成長していきますので、見ていてください。
白石ねおん:
私も来月で加入して1年が経つんですけど、TEARS-ティアーズ-に入ってから毎日不安なことがたくさんありすぎて,立ち位置も毎日間違えてたくさん怒られたこともあって、すごい落ち込んでいた時期もあったんですけど。応援してくれる方が少しずつ増えてきて、それが支えになっています。今日も応援してくださる人たちの姿を見て泣きそうになったんですけど、楽しそうなメンバーたちの姿を見て、頑張りました。もっともっと頑張っていくのでよろしくお願いします。
牧瀬裕美:
毎日が当たり前じゃないことを、ワンマン公演が延期になった期間を通してすごく学びました。朝起きてご飯を食べれることや、買い物にいったり、普通の生活ができることがすごくありがたいことだって気づいたし、何よりも、毎日ライブさんをできることが本当にありがたいと思っています。当たり前じゃないことはありがたいことなので、感謝の気持ちを持って、これからも進んでいきたいと思います。ぜひ目を離さずに応援してくれると嬉しいです。
辻海帆:
TEARS-ティアーズ-に入って1年が経ちました。海帆には何ができるかなと考えたときに、はるさんが“振り付けしてみたら?”と言ってくれて、初挑戦で「あの日夢見た空に誓う約束」の振り付けをやらせていただきました。アイドルさんがたくさんいる中で、こうしてTEARS-ティアーズ-を選んでくれたこともすごく嬉しいです。これからも1番近くで見守っていてください。
瀬名いおり:
今日こうやって無事に迎えられて本当によかったなと思っています。もしTEARS-ティアーズ-に加入していなかったら、こうやって毎日毎日みんなと笑顔を交わすことがなかったと思うので、TEARS-ティアーズ-に入って、みんなが私をアイドルにしてくれて、本当に感謝しています。私はあまり自分に自信がないんですけど。みんなが“パフォーマンスが好きだよ”、“顔面が強くて好きだ”とかいろいろ言ってくれて、すごく自分に自信を持てるようになりました。これからもいっぱいそういうことを言ってもらえるように頑張っていきます。
百瀬律:
すごい幸せな気持ちです。恵比寿LIQUIDROOMは、私がアイドルになる前にバンドで活動をしていた頃からずっと憧れていたライブハウスです。その場所でワンマンライブをすることができて、こんなにたくさんの方に観ていただいて、アイドルになってTEARS-ティアーズ-に入ることができて本当によかったなと改めて思っています。でも、今日を私の人生最高の日にはしたくないし、これからもっともっと最高の時間を更新していきたいと思っています。難しいこともたくさんあると思いますが、1歩1歩少しずつ前に進んでいきたいです。あの頃がよかったなどと思いたくはありません。ずっと、前に進んでいたいです。そのためには応援してくださるみなさんの力が必要です。私1人ではそんなたくさんは頑張れないので、これからも応援してくれると嬉しいです。これからも、ずっと両思いでいてください。
川瀬ひなこ:
今こうして恵比寿LIQUIDROOMさんに集まっていただけてること、本当に嬉しいです。みなさん楽しかったですか?! TEARS-ティアーズ-大きくなってきたなと実感できたので、本当に嬉しいし、楽しいし、とっても誇らしい気持ちになりました。TEARS-ティアーズ-について来てくださってありがとうございます。これからもTEARS-ティアーズ-を見守っていてほしいです。
月城結々:
今回で3回目のワンマンへの出演なんですけど。加入したのが2年2ヵ月ほど前で、初めて緑のサイリウムを見た日からぜんぜん増えなくてどうしようと思った時期もありました。ずっと楽しかったことばかりでは正直ありません。悔しくて泣いた日もあったし、“自分このやろー”と思った日もたくさんあります。でも、今日この景色をみんなと一緒に見ることができて本当に嬉しくって、緑のサイリウムも振ってくれて本当にありがとうございます。弱々なままじゃ駄目だと思っているので、強くなろうと思っている私を、ずっとずっと好きでいてください。約束です。
福堂はる:
私福堂は、自分の耳のことでライブに出れなくなってしまい、ステージに立てないし踊れない日が続きました。改めて、当たり前じゃないなということにたくさん気づかされました。私はステージに戻ってきてから本当に毎日が楽しくて、今まで以上にすごくステージに立てることに感謝していますし、こうして会いに来てくれるみんながいて本当に幸せです。
とよたかなみ:
メンバー誰1人欠けることなく、このメンバーでワンマンライブを迎えることができて本当によかったです。たくさん悔しいこともありましたけど、今日このワンマンライブを絶対に成功させる気持ちと、みんなが“楽しみにしているよ”と言ってくれる気持ちに、この数ヵ月TEARS-ティアーズ-はたくさん支えられてきました。次の目標として4周年公演がありますが、こうやって次の目標を用意してもらえるのは当たり前ではないので、このような場を与えてくださる方と、いつも応援し見守ってくださるみなさまに、期待の数段上を超えていけるようなTEARS-ティアーズ-でいたいなと思っています。この先も目を離さずに見ていてください。
葉山あゆり:
私は元々今の事務所に所属していて、“新しくTEARS-ティアーズ-というユニットを作るよ”と言われてメンバーになった、今や唯一の初期メンバーになります。私以外のみなさん、ここにいるメンバーは、その後TEARS-ティアーズ-を選んでここに来てくれたんだなぁと最近気づいて、披露した新曲「あの日夢見た空に誓う約束」の歌詞には“みんなが「TEARS」を選んでくれたこと忘れないよ、ありがとう、嬉しいよ”という気持ちを込めて、今回書かせていただきました。そして、初めてメンバーに向けて歌詞を書きました。今のメンバーはいい子ばかりなんですよ。そんなメンバーだからこそ、あの歌詞を書けたと私は思っています。今までは、“これからも隣を歩いて一緒に歩んでほしい”とお伝えしていたんですけど。これからは、私に、TEARS-ティアーズ-についてきてください。
そして届けたのが、涙と熱狂を誘う青春ソングの「Re:starT」。メンバー同士がじゃれ合いながら、“君と描く大きな夢 きらり光る涙色”と軽やかにステップを踏み、歌っていた。
“まだまだ続くTEARS-ティアーズ-のストーリーにこれからもついてきてください”。葉山あゆりの声を受け、シンフォニックな音色が流れだす。人形のようなポーズを取るメンバーたち。最後に届けたのが、TEARS-ティアーズ-のライブに欠かせない、ファンたちと心を一つに重ねあう「storia」だ。
“Dearest あなたに届くようにDearest認められたいのよ Dearest きっと叶えるから 今は止めないで”と歌う彼女たち。この曲に触れるたび、心をキュッと揺さぶられる。“Dearest きっと叶えるから 夢をまだ見せて”と歌う彼女たちの夢を、一緒に叶えたい。いや、その夢を叶えるためにも、これからも止まることなくともに走り続けたい。TEARS-ティアーズ-は興奮と高揚、そして琴線をずっと揺さぶる感動を与え続け、この日のライブの幕を閉じた。
なおTEARS-ティアーズ-は、10月27日に東京キネマ倶楽部にて葉山あゆりの生誕祭を開催。また、11月29日に結成4周年を迎えることを記念し、12月3日にduo MUSIC EXCHANGEで<TEARS-ティアーズ-4周年記念公演>を行なう。